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【  2010年12月  】 

第5章・ 6 (〝ラプンツェル〟の陰)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.31 (Fri)

 「ほら……、見てごらん……」 どこか甘やかすような猫なで声。「お前のオモチャだ。気に入ると良いな……」 それはまるで、可愛がっているペットに話しかけているかのような声だ。 目の前に置かれた三十インチのモニターには、周囲をキョロキョロと見回す一人の女性が映し出されている。「どうだ……?」 猫なで声を出しているのは高城だ。彼は床に脚を伸ばして座る自分の膝に、蛇のように纏わり付き身を任せている〝生き物〟に問いか...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・14

迷宮の天使

2010.12.30 (Thu)

 「私の、出過ぎた行為を許して下さるのなら……」 神藤は、紗月姫に背を向けたままもう一度繰り返した。「忘れて下さい……」 紗月姫は、神藤の背中から目を離せない。 何故忘れなければならないのか。 こんなにも、今まで生きてきた中で感じた事もないような幸せな陶酔感をもたらしたこの記憶を、何故自分の中から抹消しなければならないのか。「……神、藤……」 紗月姫の声が震えた。 解かっている。 何故忘れなければならない?...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・13

迷宮の天使

2010.12.30 (Thu)

 「申し訳ありません。お嬢様!」 神藤らしくない慌てようだった。 紗月姫の身体から自分の身体を離し、急いでベッドを下りる。そして息を整え、横たわる紗月姫の背と肩に手を差し入れると、ゆっくりと彼女を起こした。「お加減は……。ご気分は悪くはありませんか……」 紗月姫の両腕に添えた手で彼女を支え、神藤の目は紗月姫を見詰めた。 ピンク色に染まった頬。 戸惑い気味に瞬きを繰り返す目。 薄く開いた唇は、長い間唇が重...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・12

迷宮の天使

2010.12.30 (Thu)

 「信じられません、そんな……」 椿は、夫の言葉を受け止める事が出来なかった。「学君が、そんな事を……」 紗月姫に将来の相手を選ばせなければならない。それをずっと考えていたのは総司だ。 実際彼は紗月姫が十六歳の時にそれをやろうとして、紗月姫が家出未遂を起こすという騒ぎになり、計画を断念している。 しかし、いつまでも現実から逃げている訳にはいかない。 紗月姫が将来、辻川財閥を動かしていく為のパートナーを選...全文を読む

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第5章・ 5 (天使の助言)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.30 (Thu)

 「来るんじゃなかったわ……」 寂しそうに伏せられる長いまつげ。 不満を述べ、憎まれ口を利いているとは思えないような可愛らしい唇は、綺麗なピンク色を湛えた隙間から微風(そよかぜ)のような溜息を漏らす。「よりによって、学さんしかいらっしゃらないなんて……」 この遠慮無しに冷たい所さえなければ、きっと毎回顔を合わせるたびに抱き締めたくなるような可愛らしい女の子なのに。 そうは思うが実行する訳にはいかない。そ...全文を読む

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第5章・ 4 (嫌いな後輩)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.29 (Wed)

 「どうして、光野さんが一人で行ったんですか?」 素直な疑問だ。「あのマンションに大切な取引先の人が住んでる……、とかですか?」 平日の昼過ぎに、秘書が一人で出掛けてしまった。それも、いつもは学とセットで歩いている美春が一人で、だ。少々物珍しさを覚えてしまう。「気になるかい?」 しかし学から面白そうな口調で問われ、自分の仕事以外の事に首を突っ込みすぎかと須賀は自重した。「すいません。余計な事を」 美春...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・11

迷宮の天使

2010.12.29 (Wed)

 「しん……どう……」 何処かうっとりとした紗月姫の囁き声が、その場に漂った。 神藤の唇は紗月姫の瞼に触れ、閉じ合わさった上まつ毛と下まつ毛を濡らす涙を吸い取る。「泣かないで下さい。お嬢様……」 聞こえないのではないかと心配になるくらいの小さな声は、まるで囁き声のよう。 しかしその声は、微かに動くベッドのスプリング音や、頭や身体を少し動かすたびにシーツが立てる布ずれの音に紛れて、一際大きく聞こえた。「私……...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・10

迷宮の天使

2010.12.29 (Wed)

 「お嬢様……」「神藤……」 紗月姫の瞳から、澄んだ美しい涙が流れる。 その瞳は神藤を見詰め、グレーがかった彼の瞳の奥を射抜いた。 まるで、産まれて一ヶ月の紗月姫に出会い、その瞳に惹かれ魅入られた時のように。 彼は、動けない。 神藤は紗月姫を見詰め、そして見詰められながら、ゆっくりと芝の上に両膝を落とした。 紗月姫をその場に立たせ、同じ目の高さで彼女を見詰める。「神藤……」 紗月姫は両手を伸ばし、神藤の頬...全文を読む

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第5章・ 3 (櫻井と須賀)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.28 (Tue)

 「あっ、すみません。何か大切なお話の途中でしたか?」 いつも、学と美春が居る時くらいにしか入った事の無い専務室。 しかし今は、櫻井が居る。 違う仕事の件に掛かっている途中なのだろうかと、須賀はドアを開けた体勢で三人を見比べた。 しかしその中で、櫻井が口火を切る。「IT事業部の須賀大智君だね? 大丈夫。僕のほうはもう済んだので、入っても良いよ」 やけに冷静に言われ、須賀は目をぱちくりさせながら専務室...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・9

迷宮の天使

2010.12.27 (Mon)

 「ガアアアアアア!!!!」 男の体が跳ね上がり、上半身が弾け上がる! 赤く口を開ける頭部を押さえ、起き上がった上半身は男の意思によるものではない。「……がっ……ハッ……が、っ……」 最早言葉らしいものは口からは出なかった。 男の体の回りには火花が散り、感電時のように体はビクンビクンと震え揺れていた。 男の体には、その身を焼け上がらせてしまいそうな電流が流れている。 倒れて起き上がらなかった体が起き上がったのも...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・8

迷宮の天使

2010.12.27 (Mon)

 「何だ?」 男は怪訝そうな顔で周囲を見回した。 温室の中には、人工的に微かな風が吹くのみだ。 なのに、まるで強風が吹いているかのように、温室内の木々が騒ぎ出したのだ。 ザワザワザワザワッッ……!!!! 男の身体には風など感じない。 しかし、確実にこの温室内には何かの風が吹いている。 男だけではない。神藤も紗月姫を抱き締めたまま、ぐるりと周囲を見回した。 この温室の中に居て、こんなにも木々が騒ぐのを見るの...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・7

迷宮の天使

2010.12.27 (Mon)

 「……しんっ……どぅっ……」 絞め上がったワンピースの首元を両手で掴んで、紗月姫は苦しそうに呻き声を上げた。 ワンピースの襟足を掴まれ引き上げられたのだ。ぶら下がる紗月姫の身体は、ワンピースの布地に支えられるのみ。それも首が引っかかった状態だ。 首が絞まる体勢。四歳の女の子に耐えられるはずが無い。「お嬢様!!」 神藤は素早く立ち上がり、男の腕から紗月姫を取り返そうと飛び掛った。 しかし飛び掛る前に、男は向...全文を読む

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第5章・ 2 (苦手な上司)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.27 (Mon)

 「お呼びですか、専務?」 秘書課のデスクで仕事をしている時に学に呼び出されると、何故かちょっと嬉しい。 仕事中なのだから、もちろん仕事で呼び出されるのだが、しばらく専務室へ赴いていない時など「顔が見たかったから」 と私用で呼び出される事などもあるからだ。 今日はランチを一緒にしてから、美春はずっと自分のデスクで仕事をしていた。 そろそろ顔も見たいしコーヒーでも淹れて持っていこうか。そう思っていた時...全文を読む

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第5章・ 1 (戸惑いの朝)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.26 (Sun)

 「じゃぁ、バイトが終わったら連絡するよ」 助手席を降りようとした晶香の背中に、一真はいつも通りの爽やかな声で言葉を掛けた。「午後からの授業とバイトの時間がギリギリだから、学校のほうへは迎えに来られないけど大丈夫? ちゃんと帰るんだよ?」 すると晶香は、車から身体を半分出した状態で肩越しに振り返った。「大丈夫よ。今日はね、帰ったら姉様に少し稽古をつけてもらう予定だから、寄り道なんてしてられないわ。一...全文を読む

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Xmas番外編・ いつまでも変わらぬ愛を…

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.25 (Sat)

 「このまるいのはここ~、このキラキラのはこっちぃ~」 ひとつひとつ可愛らしく口に出しながら、手にしたクリスマスオーナメントを大きなツリーに飾り付けてゆく。 彼女の身長は恐らく百センチ程度。まだ幼稚園の年少さんだ。 それに対して、今彼女が飾り付けをしているツリーは二百センチ以上ある。つまり彼女の倍以上だ。 そんな大きなツリーに飾り付けをするのでは、上のほうは届かないだろう。 上だけ飾りの無いツリーが...全文を読む

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Select.12(番外編≪クリスマス・メモリー≫・後編 より)

Love Select

2010.12.25 (Sat)

 「触ってみる?」 ちょっとした冗談のつもりだった。「触ってみる」「えっ? 煌?」 しかし、彼が冗談で済むはずがない。 ずっと外に居たせいで、服は冷たいが肌は冷たくはない。その証拠に「触ってみる?」 と訊ねてみたのだが、もちろん煌は本気にした。 しかし、期待が無かった訳ではない。 それを表すように、煌が肌よりも冷たいと言って、紗月姫の身体からその身に纏う全ての物を取り去ってしまうまで、彼女は彼に抱き...全文を読む

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第4章・ 10 (ご褒美愛戯)*R18

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.24 (Fri)

 「涼ちゃんの今日の服ってさ、OLさんみたいだよね?」 楽しそうに口にするが、その口調はどこか興奮で上ずっている。「ブラウスにタイトスカートだからかなぁ? それでお茶なんか持ってこられたらドキッとするよ」 確かに今日は白の開襟ブラウスにタイトスカート。但し、ブラウスは刺繍の入った飾り襟だし、スカートはタータンチェックにウエスト横には飾りボタン付。 〝OLさん〟には少々遠いような気がしない訳でもないが...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・6

迷宮の天使

2010.12.23 (Thu)

 「それでも、そうしなければならないのだ……」 総司は一度止めた手をもう一度シガーケースへと伸ばし、中から一本細い葉巻を取り出した。「紗月姫に将来の相手を決めさせるという事は、避けては通れない事だ。そうだろう?」 肩越しに椿を振り返ると、椿は今にも噛み付かんばかりの険しい表情を作る。「私は、将来の相手を決めさせる事を責めているのではありません。その為に神藤をあの子から離すなどという事をしようとしている...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・5

迷宮の天使

2010.12.23 (Thu)

 「お嬢様……」「黙って」 紗月姫は神藤の頬に手を当てて押さえたまま、額同士を付け、そこに意識を飛ばした。 神藤の目尻が、ピクリと動く。 頭の中に、まるで耳鳴りのような引きつった痛みが走ったのだ。 同時に神藤の心にも焦りが走る。 まさか。お嬢様は……。「お嬢……」「黙りなさいっ」 紗月姫は、神藤の〝記憶〟を読み取ろうとしているのだ。 その事に気付いた神藤は、紗月姫を止めようとする。しかしすぐに彼女の〝命令...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・4

迷宮の天使

2010.12.23 (Thu)

 「私の心を『読んだ』 のですか……?」 神藤はちょっと眉をひそめ小声で訊いた。 その声は平静を装いながらも、少々震えていたのかもしれない。「いいえ……」 紗月姫は小さく首を振り、昔から彼を惹き付けて放さない、聡明な瞳で真実を求め彼を見詰める。「〝あの時〟思い出したの……。私の能力を否定した人が居る。……私を、〝化物〟と呼んだ人が居る、って」「そんな事は、貴女が思い出さなくても良い事です!」 いきなり神藤は...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・3

迷宮の天使

2010.12.23 (Thu)

 「お飲み物でもお持ちいたしますか?」 見送りはしなくても良いという学の言葉に甘えて、ベッドに起き上がった姿のまま別れの挨拶を済ませた紗月姫に、彼女の代わりに二人を見送り戻ってきた神藤が声を掛けた。「冷たい物が宜しいですか? たまに炭酸系のお飲み物でもお持ちしますか?」 紗月姫の横に立ち、ずっと起き上がったままの彼女を気遣って背に手を添える。 返事を待つ神藤を見ながら、紗月姫は戸惑いを見せた。「神藤...全文を読む

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第4章・ 9 (しようよ?)*R高

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.23 (Thu)

 「難しい……お仕事なの?」 そう訊いてきた彼女の声は、どこか息が荒く、熱っぽい響きを持たせていた。「弁護、修習に入って、……こんなに頭を悩ませている信ちゃん見たの、初めて……ぁんっ」 息も切れ切れ繰り出される質問。挙句に最後に漏れたのは、なんとも艶っぽい涼香の声。「いぢめるの? お父様……。ぁ、ハァ……んっ」 無理も無いのだ。 椅子に座る信の膝に横向きで座らされ、ブラウスのボタンは外され胸はすっかり暴かれて...全文を読む

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第4章・ 8 (紅い唇の彼女)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.22 (Wed)

 「よしっ、出来たっ」 思わず出てしまった声は自信が漲(みなぎ)っていた。それは、与えられた物を与えられた以上に成し遂げたと感じられた時、感じる自信。 どうだ! 今度は文句なんか言わせないぞ、鬼所長っっっ!! 意気揚々。事務所の奥にあるいつもの自室で、デスクに積み上がっている事件書類に埋もれながら伸びをする信。 それというのも、本日二回連続、提出書類に難を付けられ、「流石に修習生には難しかったか? 二...全文を読む

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第4章・ 7 (お仕置き愛戯)*R18

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.21 (Tue)

 「こんなお仕置きって、どう?」 〝どう?〟と訊かれても、すぐに答えられるものではない。「どぅっ、て……あっ! やっ……ぁぁっ!」 何故なら今、美春の口から出るのは意識しなくとも零れ出てくる、甘い嬌声ばかりだからだ。「あっあっ! まな……ぶ、そこっ、そこぉっ! んんっ」 毛足の長いラグの上で美春のピンク色に染まる肌が焦れ動く。 上半身はともかく、下半身はショーツとストッキングを着けたままだ。ストッキングの...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・2

迷宮の天使

2010.12.21 (Tue)

 「少々、選考し直したほうが良いかと思いますよ」 この世界広しといえど、辻川財閥当主が差し出した書類を見て、それに非を唱える事が出来る者など、恐らく家族以外ではこの男くらいだろう。「どうも、しっくりこない」 学は手にしていた書類の束を、目の前のテーブルへとポンッと投げ、椅子に深く腰掛けた。「不釣合いだ。紗月姫ちゃんには」 腕を組み、右手を顎の辺りに当て、考え込む表情をする。 それを見て、大理石のテー...全文を読む

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第2章≪忘却の天使≫・1

迷宮の天使

2010.12.21 (Tue)

 「本当に驚いたのよ」 栗色の綺麗な髪。 神藤ほどではないが、少々髪質が柔らかく一本一本が細いのだろう、クセ毛っぽい髪は背の中央ほどの長さ。 白い肌に薄化粧のその女性は、春の光と同じくらい柔らかく優しい微笑を浮かべる。それはまるで、身にまとうパステルピンクのワンピースに溶け込んでしまいそうな雰囲気だ。「紗月姫ちゃんが学校で事故に遭った、って訊いた時は」 彼女はクスッと笑って、手にしたアイボリーの薔薇...全文を読む

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第1章≪学園の天使・≫・11

迷宮の天使

2010.12.21 (Tue)

 「全てだ! 全て元に戻せ!」 神藤がそんな口調で指示を出すのは、恐らく初めてだったのではないだろうか。「机、調度品、生け花の花器まで、ありとあらゆる物、全てを元に戻すのだ!」 指示はとっくに出してあったというのに、再び訊いて来た部下に少々イラつく。 神藤は声を荒げた。 しかし、このイラついた声を紗月姫に聞かれてはいけない。そう思い直した彼は、取り乱してしまった自分を落ち着かせようと、紗月姫の姿を思...全文を読む

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第4章・ 6 (欲しい?)*R18

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2010.12.20 (Mon)

  『一真君……?』 電話の向こうから聞こえてきた晶香の声は、こちらを探るようなコッソリとした物だった。 何となくそれが晶香らしくないように思え、一真はちょっと笑いそうになる。「どうしたの? 晶香ちゃん。そんな小声で」 『今、大丈夫? 話せる?』 わざわざ確認を取る彼女の様子で思い出す。いつもならこの曜日は〝夜教師〟の日なので、夜の電話は無しにしている。彼女がコッソリとしているのは、もしかしてまだバイ...全文を読む

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第1章≪学園の天使≫・10

迷宮の天使

2010.12.20 (Mon)

 「きゃっ!」 特にぶつかった訳ではない。 しかし、階段を上がっていた少女二人は、その光景に思わず小さな悲鳴を上げてしまったのだ。 五階へと上がる階段の踊り場で、背の高い男性が勢いよく駆け下りて来るなどという場面に遭遇したのだから、普段そんな忙しない光景を見る機会の無いお所様方にしてみたら、悲鳴を上げたくなるほど驚くという物だ。 それも駆け下りてきたのは、いつもはそんな姿など見せた事のない人物。「神...全文を読む

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第1章≪学園の天使≫・9

迷宮の天使

2010.12.19 (Sun)

 「神藤さん!」 栗原が紗月姫の元へ行っている。 それも、彼女を〝楽しませる〟行為に出ている。 そう咲月の口から聞いた神藤は、その瞬間、踵を返した。 しかし、素早く起き上がり手を伸ばした咲月はその腕を掴む。 正確には、スーツの生地を辛うじて掴んだ。と言ったほうが正しい。「もぅ無駄よぉ。栗原が行ってから、何分経っていると思っているの? 今頃二人共〝お楽しみ中〟。邪魔しちゃ駄目っ」「成澤様……」 背を向け...全文を読む

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