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【  2011年01月  】 

第7章≪失望の天使≫・18

迷宮の天使

2011.01.31 (Mon)

 「お嬢様……?」 神藤は読んでいた本からフッと顔を上げた。 とっさに立ち上がってしまい、膝に置いていた本がバサッと床へ落ちる。 驚いた表情のまま、彼は一人残された客間で立ち竦み、ぐるりと周囲を見回しながら耳を澄ませた。 今、紗月姫の気配がした。 紗月姫が大きな能力を使う気配を、感じたのだ。 こんな時に何故? 何か有ったのだろうか? 不安に思いながら本を拾い上げ、神藤は思い直す。 考えてみれば、今はテ...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・17

迷宮の天使

2011.01.31 (Mon)

 「あの子は化け物などではありません!」 椿がこんな声を出すのは珍しい事だ。 普段でも理知的で凛とした印象の彼女は、感情的になって怒鳴るなどの行為はあまりしない。 しかし大切な一人娘を「化け物」 呼ばわりされたのだ。その事に我慢など出来るはずもなく、椿は能瀬を睨み付け声を荒げた。 だがそんな椿を見ても、能瀬が謝罪や申し訳無さそうな顔をする訳ではない。 椿の肩を抱く反対側の手に持った数枚の紙を、彼女の...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・16

迷宮の天使

2011.01.31 (Mon)

 「ねぇ、一緒にピアノ弾こうか?」 突然の申し入れだった。いきなり何の事だろうと、言われた尊実は首を傾げてしまったのだから。「〝連弾〟って知ってる? 一台のピアノを二人で弾くの。楽しいよ。一緒にやろう?」「で、出来ないよっ。ぼく、ピアノなんて弾いた事ないし……」 無邪気に言う紗月姫に、尊実は両手を顔の前で振り、否定のポーズを取る。しかし紗月姫は尊実の手を取り、部屋の中央にあるグランドピアノの前へ連れて...全文を読む

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第8章・ 5 (彼女の精神年齢)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.01.31 (Mon)

 「コーヒーどうぞ……」 口には出したものの、きっとその声は彼には届いては居ない。 聞こえないならもっと傍に寄れば良い。そのままコーヒーをデスクの上に置いてしまえば良い。 でも、それが出来ない……。 午前中からあまりにも真剣にパソコンに向かっているので、正直「コーヒーどうぞ」 の声もかけにくいのだ。  悠里は〝須賀用〟に淹れたコーヒーをひとつトレイに乗せたまま、彼の背中をじっと見つめていた。 須賀は二台...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・15

迷宮の天使

2011.01.30 (Sun)

 「名前……どうして……。それに、どうしておまえが泣くんだ!」 少年の驚きは止まらない。 紗月姫が少年を見て、少年の中にある物を感じて泣いている事が信じられないのだ。 キレイな瞳に涙をいっぱいに溜めた少女。 目は少年を見詰め、少年の境遇を悟り、泣いている。 両親に理解され、神藤に護(まも)られ、能力を隠して生きている紗月姫。 しかし、少年は違うのだ。 生まれ付いての突然変異。 その存在は両親に理解される...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・14

迷宮の天使

2011.01.30 (Sun)

 「実に、興味深い結果が出始めていますよ」 手元のパソコンに次々と送られてくる紗月姫のテストデーターを見ながら、能瀬博士は嬉しそうな声を上げた。 よく整えられた髪は真っ白だが、老人という訳では無い。背筋がシッカリと伸び、威厳のある風格を持つ紳士、とうい印象だ。歳は五十代くらいだろうか。自分の実父と同じ位だろうと能瀬を見ながら椿は検討をつけた。「まず、お嬢様の頭脳が素晴らしい。およそのテストで出た結果...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・13

迷宮の天使

2011.01.30 (Sun)

 「どうして? どうして神藤が一緒ではいけないの?」 紗月姫は駄々っ子のように首を振りながら、神藤のスーツの裾に掴まった。「神藤が一緒でなくては嫌っ。一緒では無いならテストなんて受けないからっ」 駄々っ子のように、というより、完全な駄々っ子だ。 客間で待っていた紗月姫を呼びに来た二人の研究員も困ってしまっている。 研究所に依頼された被験者なら、本人の意見など聞かずに無理矢理連れて行くことも出来るが、...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・12

迷宮の天使

2011.01.30 (Sun)

 「海堂様は、どうやって貴女の記憶を消したのです?」 哀しい運命の末路を口にして、哀しみとも喜びともつかず泣き続ける紗月姫を、神藤はしばらくの間抱き締めていた。 そして、何気なく疑問に思ったのは、尊実はいつ紗月姫の記憶を消したのだろう? という事だ。 神藤は昔の尊実に会った事は無い。しかし尊実は紗月姫に会った事がある。そして紗月姫の記憶の一部を封印したのだ。「四歳の時、私が初めてこの能力を使って、人...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・11

迷宮の天使

2011.01.30 (Sun)

 「何だ? まだくっついてんのか?」 苦笑いを漏らしながら、尊実はバイクに跨ったまま溜息をつく。 彼の脳裏には、紗月姫と神藤の意識が重なり合い、二人一緒に居る事を物語る思考が流れ込んできていた。「しつこいねぇ、神藤クンは。淡白そうに見えるのに」 冷やかし口調で呟き、その裏で、紗月姫の姿を思い出す。「……紗月姫みたいな女に惚れられりゃ、……しつこくもなるか」 辻川邸へと続く並木道。もうしばらくバイクを走ら...全文を読む

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第8章・ 4 (二人で決める未来)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.01.30 (Sun)

 「怒ってる?」「おこってるっっ」 こっそりと訊ねてきた梓に、はっきりと答える晶香。 しかしここまでハッキリされると、困るどころか逆に笑いたくなってしまう。「笑い事じゃないっ」 梓の心中を察した晶香は、掌でテーブルをバンバンと叩く。軽いファーストフード店のテーブルの天板はその振動を大きく伝え、テーブルに乗せられた二人分のトレイを大きく揺らした。「酷いよ梓さんっ、一真君のこと全部知ってたくせに、何も教...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・10

迷宮の天使

2011.01.29 (Sat)

 「思い出せ、紗月姫」 紗月姫は強く目を閉じていた。 目の前の現実を見ないように。 神藤以外の男が、自分を抱こうとする姿を見ないように。 尊実にベッドへ寝かされている自分は、すでにショーツ一枚だけの姿にされてしまっている事が解かる。 こんな姿を、まさか愛する人以外の男の前にさらす事になるとは……。 それを考えると、涙が出そうで堪らない。「神……藤……」 哀しみと苦しみでいっぱいになった心は、無意識のうちに...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・9

迷宮の天使

2011.01.29 (Sat)

 「では、学様が五人目だというのは、間違いが無いのですね?」 囁きかけるように話す神藤の声は、耳から入って心地良く身体中に染み込んで行った。「学さんは、そう言ったの……」 上半身を起こした神藤の裸の胸に寄りかかり、久し振りに安らいだ気持ちで紗月姫はまどろむ。 愛してもらった後に、神藤の胸に寄りかかり彼の鼓動を感じるのが紗月姫は好きだ。 とくん……、とくん……。という、心地良い音が自分の中の不安も恐れも全て...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・8 *R15(LS)

迷宮の天使

2011.01.29 (Sat)

 「海堂様!」  章太郎は思わず驚きの声を上げた。  神藤が入って十分。ドアが開き、神藤にしては早すぎやしないかと思っていたところへ、出てきた人物がまったく予想外の尊実だったとなれば、驚くのは当たり前だろう。  昨日、尊実は午後に一度辻川邸を訪れている。しかし、紗月姫が体調不良で臥せっているという事で帰ってもらったはずなのだ。  なのに、何故ここから出てきたのだろう?  そして章太郎の目を更に引き付けた...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・7 *R15

迷宮の天使

2011.01.29 (Sat)

 「冷たい御曹司だな……」 尊実は今この部屋で起こった事も、全て読み取って知っているのだろう。苦笑いをしながら紗月姫へと近付いた。「しかし、そのお陰で、お前は自分の記憶を取り戻す気になった訳だ」 尊実が部屋へ踏み込むと、紗月姫が数歩下がる。彼女が下がった分より近付いてくる尊実の後ろで、窓が音を立てて閉まった。「お前が望んだんだ」 尊実が腕を伸ばし、紗月姫の頬に触れてから指先に髪を絡め、頭の後ろへ手を回...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・6

迷宮の天使

2011.01.29 (Sat)

 「本当に子供だな!」 その途端、学は声を上げて笑い出した! 紗月姫の顎から手を離し、その手で自分の額を押さえて、紗月姫の懸命の叫びを一笑にふしたのだ。「だから、大人になったほうがいい、って言っただろう?」 笑うのをやめ、学は額を押さえた手の隙間からチラリと紗月姫を一瞥する。「君が選ばなかった場合、誰が選ぶ? 辻川財閥総帥だ。海堂君と俺、総帥はどちらを選ぶ?」 そんなものは誰が考えても明らかだ。間違...全文を読む

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第8章・ 3 (お嬢様の不敵な企て)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.01.29 (Sat)

 「で? もうひとつの話ってのは何だ?」 途切れていた話を学が戻す。 信との話は、二件あると聞いていたが一真の話が決着したところで紗月姫が来たので、もう一件の分を聞いてはいなかったのだ。「……それなんだけど……」 信は視線だけをチラリと紗月姫へ向ける。自分が今話をしようとしているのは暴力団関係の話だ。そんな粗野な話を財閥のお嬢様、それもまだ十七歳の少女に聞かせてよいものか。 何となく躊躇う信の様子を読み...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・5

迷宮の天使

2011.01.28 (Fri)

 「すまなかった、煌」 学が紗月姫を連れて立ち去り、一人残された神藤の元へ駆けつけてきた章太郎は、彼を見付けるとすぐに頭を下げて詫びた。「まさか、今日、学様が来るとは思わなかった。来客の予定は無かったんだ」 学が現れた時、萌から連絡が来たのだろう。どうやら裏のガレージから急いで走ってきたらしく、ちょっと息が上がっている。「会えなかったんだろう? 本当にすまない……」 特に章太郎が悪い訳では無いのだが、...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・4

迷宮の天使

2011.01.28 (Fri)

 「馬鹿げているわ!」 紗月姫は激しく怒りを露にして、今まで自分を抱き上げたまま部屋まで連れて来てくれた学の胸を突き飛ばし、その腕から飛び降りた。「学さんが私の五人目の婚約者候補ですって?! そんな有り得ない話があるものですか! おかしな事を言わないで!!」 紗月姫は怒りを感じると共に、激しく動揺していた。  こんな事があるものか。 幼い頃から兄のように慕った学が、紗月姫の五人目の婚約者候補だというのだ...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・3

迷宮の天使

2011.01.28 (Fri)

 「……お嬢様?」 身体に染み込んだ、紗月姫の意識が流れ込んでくる。 紗月姫が自分を見ている! それを感じた神藤は、前庭の噴水へと向かいながら紗月姫の部屋の窓を見上げた。 そこには、ベランダで神藤の姿を追っている紗月姫が居る。 距離にして、それはとても遠くであるはずなのに、神藤には紗月姫の顔がハッキリと見えた。 泣いてしまいそうなのに、嬉しそうに微笑みながら神藤を目で追っている彼女。「お嬢様……」 神藤...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・2

迷宮の天使

2011.01.28 (Fri)

 「……待っている?」 章太郎の言葉に、神藤は訝(いぶか)しげに眉を寄せた。 紗月姫には会いたい。もちろん紗月姫も同じ気持ちであって欲しいと神藤は思っているし、同じ気持ちでいてくれているだろうという自信のような物も少しはある。 しかし、待ってくれているから何だというのだろう。 待ってくれていたって、自分は今、紗月姫に会いに行ける立場の人間では無い。 それは、部外者の中でたった一人、事の事情を知り、神藤...全文を読む

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第7章≪失望の天使≫・1

迷宮の天使

2011.01.28 (Fri)

 「紗月姫はどうした?」 その日、久々に早く帰った総司は、夕食の席に紗月姫の姿が無い事に気付いた。 席に着きながら、一緒に食堂へと入った椿へ訊ねる。「部屋に篭っていますわ。一応食事は部屋の方へ運ばせています。でも、手は付けないのでは無いかしら。ここ三日、ずっとそうだもの」「ずっと、って……学校は?」「休んでいますわ。体調が悪い、といって部屋から出ませんもの。屋敷待機のお付き達がどれだけ言っても、部屋か...全文を読む

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第8章・ 1 (お嬢様からの借り物)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.01.28 (Fri)

 「まぁ、お貸し出来ない事もないですわよ?」 本来学が本当に借りたかったもの、の話を聞き、紗月姫は少々渋った答えを出した。「でも、どうして〝ソレ〟と〝神藤〟のふたつなのです?」 不満一杯の表情で、彼女は身体を捻りソファの後ろに立つ神藤を見上げる。 多分紗月姫が不満を示すであろうと予測していた学は、神藤へ視線を移して彼へ直接交渉した。「神藤さんは〝アレ〟を扱えるでしょう?」 神藤の無表情がピクリと動く...全文を読む

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「恋桜~さくら~・2」前書き・あらすじ・登場人物

恋桜~さくら~・2

2011.01.27 (Thu)

  前書き (本作品は2011/05/14に完結致しました)  この作品には、R-15程度の性表現が出てきます。  該当話にはあらかじめサブタイトルに表示させて頂きますが、苦手な方はご注意頂きます様お願いいたします。  あらすじ   桜の花が咲き乱れる故郷、桜花村で、私は婚約者になった葉山一さんと出会い恋に落ちた。  花嫁修業の為に製薬会社を営む彼の家へと入り、葉山の両親や一さんの妹さんの椿さんに、とても温かく迎...全文を読む

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第6章≪酷愛の天使≫・14

迷宮の天使

2011.01.27 (Thu)

  ――窓を、開けておけ。「窓を……」 窓の鍵の上に掛けていた指を離し、その手をキュッと握り締める。 紗月姫の部屋の大きな窓。 この窓の鍵を開けておく決心をしようと試みたが、どうしても出来なかった。 この鍵を開ければ。 この窓を開いておけば。紗月姫が知りたいと思っている事の手がかりが掴めるというのに。 ――俺を、受け入れろ。 あれからずっと、尊実の言葉は紗月姫を攻め続けていた。 尊実を受け入れれば、知りた...全文を読む

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第6章≪酷愛の天使≫・13

迷宮の天使

2011.01.27 (Thu)

 ――――≪思い出したいか? お前が何を知っていたのか≫ 尊実は紗月姫へと向き直り、驚きに見開かれた瞳を見据える。彼は昨日の出来事を、全て紗月姫の頭から読んだのだ。――――≪お前の母親は、あの時の事を覚えているんだ。……まさかお前の前で口にするとは思わなかったから、俺はお前の記憶しか封印しなかったんだ。……知りたいか? 紗月姫。思い出したいか? 四歳の時、お前に何が起こったか。お前は、何を知っていたか……≫ 昨夜椿に...全文を読む

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第6章≪酷愛の天使≫・12

迷宮の天使

2011.01.27 (Thu)

 「……神藤を……、ここへ呼んで……っ」 お願い!   怯え苦しむ心は必死で叫ぶ。 私に、神藤を返して! 彼女の心を治め、癒せるのは、彼しか居ないのだ。「お嬢様……」 章太郎は戸惑った。彼とて紗月姫の望みは利いてあげたい。いますぐ、神藤をここへ呼んでやりたい。 神藤は今、統括本部に居る。紗月姫が泣いて会いたがっている、と知らせれば、仕事を投げ出して駆けつけてくるはずだ。 部外者の中で昨夜の出来事を知っている...全文を読む

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第6章≪酷愛の天使≫・11

迷宮の天使

2011.01.27 (Thu)

 「何してるの?」 ティーカップが二つ乗ったトレイを両手で持った萌は、客間の前で小さく首を傾げた。 ドアの前に、恋人である章太郎が立っている。今この客間には、紗月姫と久我山が居るはずだ。萌は客間の二人に紅茶を運んできたのだから。 章太郎はお付きとして紗月姫に付いていたはずなのに、中に入っていなくても良いのだろうか? それを萌は不思議に思ったのだ。「ちょっと出ていてくれ、って言われてね。追い出されたの...全文を読む

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第8章・ 1 (お嬢様の楽しい暴言)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.01.27 (Thu)

 「お久し振りですね。その後お変わり有りませんでしたか?」 年下であるにも拘らず、逆らえない存在感というものは確かにこの世に存在する。 と、彼は思う。「はっ、はいっ、その節は大変お世話になり、弁護修習の際は信じられないようなご配慮を……。もぅ、何と言うか、身内の気軽さで叩かれまくりで……」 と、信はここで言葉を止める。 ……こんな事を言っては、嫌味にはならないだろうか? 修習配属先が自分の父親の事務所。お...全文を読む

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第6章≪酷愛の天使≫・10

迷宮の天使

2011.01.26 (Wed)

 「返事が無いという事は、その通りだと思って宜しいですね?」――――≪誰が見たって明らかだろう? 人前であんなにくっついて。みっともない≫ 紗月姫は返事をしなかった。いや、出来なかったのだ。  以前久我山の思考を読んだ時、彼は神藤が紗月姫の傍にいるのは当たり前だと、心から思っていた。それを冷やかした尊実を、咎める事までしたのだ。 しかし、今はどうだろう。あの時の思考とはまったく違う。 まるで、別人のように...全文を読む

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第6章≪酷愛の天使≫・9

迷宮の天使

2011.01.26 (Wed)

 「昨夜、神藤さんのお部屋、移動されたらしいわよ?」 メイド達の休憩室で、今日は朝からその話題で持ちきりだった。「それも夜の夜中よ? 二時間くらいで移動は終わったみたいだけど」「でも、何だって夜の夜中?」「どうして移動なんてしたのかしら? 神藤さんって、お嬢様のお世話役だけどボディガードでもあるんでしょ? ボディガードが近くに居なくてどうするの? ねぇ、萌(もえ)ちゃん」 そう疑問を口にした彼女は、...全文を読む

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