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【  2011年02月  】 

第10章・ 10 (須賀の正念場)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.28 (Mon)

 「階段に手間取りました。運動不足のようです」 大きく息を吐きながら呼吸を整え、遅れた理由を口にする櫻井は、少々苦笑いをしながら動きを封じた男の両腕を不自然に後ろへ逸らす。「うぎゃっ!」 もちろん痛くないはずがない。男は一瞬叫び声をあげるが、その声が耳障りだったのだろう、彼は不快そうに眉を寄せて男の腕を解放すると、手を組み合わせて男の頭部を強打した。 男は声もなく失神しその場に倒れる。そんな男を足元...全文を読む

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桜/27*「一緒に来た桜」

恋桜~さくら~・2

2011.02.28 (Mon)

 「今日も綺麗ね……」 目に映るのは、薄桃色の可愛らしい花達。 咲いた物。まだつぼみの物。 季節的に桜の時期はすでに終わってしまっている。でも、この桜の樹だけは今五分咲きで、控えめに咲く姿を見せてくれている。 “温室”という、年中温かい場所に移されているせいかもしれない。 私はその桜の樹を見上げながら、この『御神木』 に声をかけた。 その声に応えるよう、少しだけ花びらが私の上へ落ちてきたように感じたのは...全文を読む

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第10章・ 9 (先へ進む為の危機)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.27 (Sun)

 「しまったっ……」 エレベーターから飛び出し目の前の男に体当たりをした瞬間、思わず声が出た。 勢いを付けたせいか、ヘッドセットが耳から落ちてしまったのだ。 大きさは調節してあったので簡単に落ちるはずもなかったのだが、ぶつかった相手の手が耳元に当たりヘッドセットを払ったのだ。 男が倒れたのと同時にヘッドセットも床を滑る。距離にして十メートルくらい離れてしまっただろうか。すぐにでも拾い上げに行きたいとこ...全文を読む

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桜/26*「椿さんからのお誘い」

恋桜~さくら~・2

2011.02.27 (Sun)

 「お買いもの……ですか?」 あまり聞き慣れない言葉、……というか、聞いた事はあるし、どういう物かも知っているけれど、あまり縁のない言葉を耳にして、私はちょっとキョトンッとした顔をしてしまった。 私にその言葉をくれた椿さんは、それが楽しかったのだろうか。私のそんな顔を見てクスクスと笑っている。 そっ、そんなにおかしな顔をしてしまっていたのかしら? ちょっと恥ずかしいっ。 だって、いきなり椿さんが「一緒に...全文を読む

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番外編≪バレンタイン・スパークリング≫・4*R15(LS)

迷宮の天使

2011.02.26 (Sat)

 「じゃぁ、お仕置きもなしよね? 煌(あきら)っ」  就寝時間である二十二時を過ぎ、『お世話役時間』 が終わった煌。  これからの時間は紗月姫の『婚約者』 として振舞うことが許される時間帯だ。  今までしていた事も、充分に〝婚約者用〟の顔だったような気はしないでもないが、結婚一ヶ月前という事で、その幸せにあやかり〝良し〟としておこう。  とにかく、『お仕置き宣言』 をしていたのは、お世話役の〝神藤〟だ。...全文を読む

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番外編≪バレンタイン・スパークリング≫・3*R15

迷宮の天使

2011.02.26 (Sat)

 「いいえ。お仕置きはさせて頂きます」 『お仕置き拒否宣言』 をした紗月姫だが、神藤は頑として許さなかった。「しっ、神藤っ?」 もしかして、もしかしなくても彼は本気だ。 流石にそれに気付いた紗月姫は、ちょっと焦りを見せ、神藤の傍から離れようとした。 しかし、彼は素早く空いた腕を紗月姫の腰に回し、その動きを封じたのだ。「バツとして、これは全部飲みましょうね」 片手に持っていたペットボトルを、顔の横で軽...全文を読む

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第10章・ 8 (二十五階の邪魔者)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.26 (Sat)

  『前方から三人!』 間一髪だった。 もし須賀の指示が一秒分遅かったなら、その男がエレベーターのドアに隙間が出来た瞬間そこに突き刺してきたその木刀は、間違いなく学の胸を強突していただろう。 須賀が『下がって!』 と叫んだ瞬間、学はエレベーターの後方へ飛び退いた。すると、まるでその後を追うかのように、開きかかったドアの隙間から勢いよく木刀が突き刺さって来たのだ。 しかし、突き刺され攻撃されて黙って戻...全文を読む

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桜/25*「愛しい目覚め」

恋桜~さくら~・2

2011.02.26 (Sat)

 「……はじめ、さん……」 その名前が、自然と口から出る。 目を覚ました私の前には一さんの寝顔があった。 綺麗な寝顔。男の人って、こんなに綺麗な顔をして眠るんだ? もう何度も見ているはずなのに、何度見ても同じ事を思ってしまう。 目を覚ましてすぐに好きな人の顔を見られるって、なんて嬉しい事なんだろう。 おまけに一さんの腕は、シッカリと私を抱き寄せてくれているし。 私はその朝、一さんのベッドの中で彼の腕に抱...全文を読む

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第10章・ 7 (学を待つ時間)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.25 (Fri)

 「いい香り……」 チシャがうっとりとした声を出した。 声だけではない。今の彼女は表情までもがうっとりとした、どこか恍惚感さえ感じさせる雰囲気を漂わせている。 それはそうだろう。彼女は今、とても幸せなのだ。 閉じ込められる事を受け入れられるほどに愛している高城から、ペットのようにただ愛でるだけの愛情ではなく、女性としての愛情をもらったのだから。 そんな彼女の前には、大きな浅い陶器の器。その中ではお香が...全文を読む

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桜/24*「大切な友達」

恋桜~さくら~・2

2011.02.25 (Fri)

  ――お嬢さん。 ――さくらお嬢さん! 誰? 私を呼んでいるのは、誰? ――桜の花が綺麗だよ! ――外に出よう、お嬢さん、内緒で木登りしようよ! 真っ暗だった私の視界が、一瞬にしてピンク色に染まる。 そこに有ったのは、一面の薄桃色。 三六〇度、全て桜で埋め尽くされた光景。 桜花村の、桜トンネル。 そこに私は立ち竦んでいる。 どうして私がここに居るの? 目の前に見える桜の樹。そこに、私より小さな子供から、私...全文を読む

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番外編≪バレンタイン・スパークリング≫・2

迷宮の天使

2011.02.25 (Fri)

 「分かりました……」 神藤は紗月姫の言いたい事を悟ったかのように、クスッと小さく笑う。 手にしたままボトルのキャップを捻ると、微かに炭酸が抜けるシュワッという音がする。その音が消えないうちに、彼はそのまま飲み口に口をつけた。「しっ、しんど……」 まさか、今飲んでしまうとは思わなかった。 「冷やしてね」 と美春に言われていたのだから、きちんと冷やしてからグラスに注いで……と思っていたのだ。 しかし、無造作...全文を読む

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番外編≪バレンタイン・スパークリング≫・1

迷宮の天使

2011.02.25 (Fri)

 「面白いものあげようか?」 そう言ったのは美春だった。 会社の帰りに辻川邸へ遊びに来ていた学と美春。 学は久しぶりに神藤との手合わせを希望し、離れの道場へ行ってしまっている。 紗月姫の部屋でガールズトークなるものを繰り広げていた二人。 二月に入ったこの時期の話題といえば、もちろん『バレンタインデー』 だ。 美春はまだしも、紗月姫はずっと女子校で育ってきている。それもお嬢様学校だ。バレンタインデーに...全文を読む

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第10章・ 6 (土壇場の束縛)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.24 (Thu)

 「チシャ……」 高城は茫然とチシャを見た。 夜中の零時。こんな時間にチシャが起きてくるなど珍しい事だ。それも彼女はナイトウエァなどではなく普通のワンピースを着て寝室から出てきた。 起きている事を前提にした格好。 これは、どういう事だ? チシャを凝視していた高城は美春に目を移す。 窓辺に立ち、月明りの夜景をバックに彼を見据える彼女。「チシャさんを塔から下ろす」 ついさっき彼女はそう言ったのだ。自信あり...全文を読む

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桜/23*「親友同士」

恋桜~さくら~・2

2011.02.24 (Thu)

 「何だよ一、さくらちゃんの前でおかしな言い方するなよ」 客間へ入って来た一さんを見て、大介さんは笑顔を作る。 私は素早く立ち上がって、跳ねるように頭を下げた。「おかえりなさい、一さんっ。お迎えに出られなくてごめんなさいっ。気付きませんでした」 大介さんとの話に夢中になっていたせいだろうか。一さんの車の音が聞こえなかった。 この洋風の客間は邸の玄関から離れているし、耳に入らなかったのもしょうがないか...全文を読む

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番外編≪クリスマス・メモリー≫・後編 *R15(LS)

迷宮の天使

2011.02.24 (Thu)

 「もう二度と……あんな涙は流させないよ……」  雪を見ながら昔を思い出し、泣き出してしまいそうな紗月姫を、煌はその腕の中で力強く抱いた。  ずっとずっと、紗月姫の心の中にあったのだ。  クリスマスの哀しい思い出。  あれから毎年、雪が降るたびに思い出し、一人心の中で涙した。  本来花嫁を迎えるために着るロングタキシードに身を包んだ彼はとても素敵で、心がとろけてしまいそうだったのに、それを決して許さない現実...全文を読む

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番外編≪クリスマス・メモリー≫・中編

迷宮の天使

2011.02.24 (Thu)

 「キスして……」 そんな言葉を、平気で口に出来るようになったのは最近。 そしてそれをどんな時でも受け入れてくれる彼は、期待以上の唇付けをくれる。 紗月姫の長い髪を丁寧に避け、煌は彼女の身体を抱き締めて、希望通り柔らかな唇を奪った。 片腕できつく彼女を抱き締めながら、煌を仰ぎ反った首の線をもう片方の手でしっとりと撫で下げ、指先で撫で上げる。 ゾクゾクッと紗月姫が身体を震わせ、閉じていた口が開いた瞬間そ...全文を読む

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番外編≪クリスマス・メモリー≫・前篇

迷宮の天使

2011.02.24 (Thu)

 「神藤……」 涙が流れた。 自力で止める事など、到底叶わないほど。 苦しくて辛くて切ない。 胸を締め付ける恋心が悲鳴を上げる。 叶わない恋。 決して成就されない想い。 その全てを背負うには、十五歳の彼女はあまりにも幼すぎる。 紗月姫は空に手を伸ばす。 その手に空間を巻き取り、思いの辛さを波動に変えて。 ――彼女は、〝奇跡〟を起こす。――「メリークリスマス……」 紗月姫は伸ばした手を握り締め、まるで空間を動...全文を読む

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第10章・ 5 (監視カメラ回避)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.23 (Wed)

  『専務。エントランスの入り口を開きます』 腕時計の長針短針秒針、全てが頂上で重なった時、右耳に取り付けたワイヤレスのヘッドセットから須賀の声が響いた。 タワーマンションの外入り口の中で、エントランスへと続くドアを背に腕時計を見ていた学の後ろで、軽やかに自動扉が全開する。 『三十秒、監視カメラを逸らします。その間に中へ。住民不許可のままこの入り口を開けられるのも三十秒です』 須賀の言う通りに素早く...全文を読む

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桜/22*「一さんの幼馴染」

恋桜~さくら~・2

2011.02.23 (Wed)

 「凄いですね。本当に何でも御存じなんですね」 ついつい感心する声を上げてしまったけれど、それは当たり前の事だったのかもしれないと思う。「一応、薬学部の学生だからね」 そう。この方は大学の薬学部という所に通う学生さんなんだ。それもこの春六年生になったばかりで、それでももう「首席卒業間違いなし」 って太鼓判を押されていて、すでに葉山製薬本社の開発研究室っていうところに入社する事が決まっているっていうじ...全文を読む

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【迷宮の天使】後書き・お礼

迷宮の天使

2011.02.23 (Wed)

  こんにちは。玉紀 直です。 【迷宮の天使】 は投稿サイトの方で2009/12/25より連載を開始させて頂き、約一年をかけて完結となりました。 私が書かせて頂いています別連載にサブキャラとして登場していた二人ですが、〝主人と従者〟という立場から、絶対に結ばれる可能性が無い、という関係性を皆さんにご支持頂き、単独連載にまでなったものです。 「絶対悲恋」 「絶対バッドエンド」 そう言われる中で始まった連載は、途...全文を読む

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エピローグ・4「約束の未来」

迷宮の天使

2011.02.23 (Wed)

 「お嬢様が居なくなった!」 またか……。 慌てて章太郎が執務室へ飛び込んできた時、神藤は笑い出しそうになった。 〝こんな日〟にまで、相変わらずお付きを困らせる紗月姫。しかし神藤は、笑顔で章太郎の肩を叩く。「私が探してくるよ。居る所の見当は付く」「言ってくれればお連れするよ。お前だって〝準備〟が有るんだし」「有難う。でも、大丈夫だ。準備が大変なのはお嬢様のほうだから」「煌が、『お嬢様』 って呼んでいる...全文を読む

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エピローグ・3「藤の使命」

迷宮の天使

2011.02.23 (Wed)

 「本当に久し振りよ……。ここへ入るのは」 温室へ入り、紗月姫は嬉しそうに周囲を見回した。 そこには相変わらず、『温室』 と言うよりはまるで自然公園のような風景が広がっている。 様々な木々が立ち並び、植物や花が生い茂る所。「〝藤〟に会うのも、久し振りよ」 思い出して急に心が急いたのだろうか。紗月姫は足早に温室の中央へ向かい始めた。「紗月姫、走らないで。転んでしまうよ?」「だって、早く会いたいのですもの...全文を読む

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第10章・ 4 (天使の同行)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.22 (Tue)

 「どうしても着いて来るおつもりですか」 何という愚問なのだろう。 訊いてしまってから彼は思う。 訊いたって返ってくる言葉は決まっているではないか。「そうだけど? 何?」 自分は何一つおかしな事など言っていない、と表情全体で語り、「それとも何? 私がやる事に文句でも?」 と、身体全体でその言葉を表現しつつ彼女は微笑むに決まっているのだ。「そうだけど? 何?」 思った通りの態度を示す紗月姫を前に、神藤...全文を読む

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桜/21*「沢山の幸せ」

恋桜~さくら~・2

2011.02.22 (Tue)

 「ふっ……、不安なんかっ、ないわっ」 私はちょっとムキになる。 だって、一さんは「待つ」 って約束してくれたんだもの。 不安なんてあるはずがないでしょう? それに、傍で私を感じられるのが嬉しいから、なんて言われたら、私の方が嬉しくなってしまう。 本当。私の方が嬉しい。 傍で一さんの存在を感じながら眠りにつけるなんて、きっと幸せで堪らない。 私が一さんと視線を合わせ首を縦に振ると、一さんは嬉しそうにニ...全文を読む

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エピローグ・2「追憶の彼方」

迷宮の天使

2011.02.22 (Tue)

 「本当にもぅ、聞こえなくなってしまったのね」 温室へ向かう道を進みながら、神藤の横で紗月姫は寂しそうに呟いた。 繋いだ手が立ち止まってしまった事に気付き、神藤もその場に立ち止まる。 紗月姫は宙を仰ぎ、周囲に生い茂る木々達を眺めていた。 優しくも激しい夏の眩しさを備えだした太陽。 その木漏れ日をくれる木々達。 微かな風に乗るように、その枝や葉を揺らす。 木々達がどれだけざわめいても、もう紗月姫にはそ...全文を読む

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エピローグ・1「新たな始まり」

迷宮の天使

2011.02.22 (Tue)

 「お帰りなさいませ、お嬢様!」 良く通る章太郎の声が、玄関ホールに響き渡った。 それと同時に鳴り響いたのは、とても沢山の拍手だ。 いつもの出迎えよりもはるかに多い人数の使用人達が、玄関ホールを埋め尽くしていた。 お付きやメイド達はもちろん、シェフや警備員まで。そして最前列には総司と椿まで居るのだ。 それら全てが一斉に拍手をしたのだから、さながらその場はコンサートホールかのよう。 紗月姫はその様子を...全文を読む

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第10章・ 3 (彼らしくないコト)

理想の恋愛 完璧な愛・第9部

2011.02.21 (Mon)

 「櫻井君」 学からの電話を切り、自分もそろそろ用意をするかと伸びをひとつした時、自分を呼ぶ声が真後ろから聞こえ、櫻井はドキッとした。 この仮眠室には自分一人しかいない。特に眠っていた訳でもないのだが、考えたい事もあったし寛(くつろ)ぎたかったので、空いていた仮眠室を利用していた。 一人しかいないのに声がしたという事は、当然誰かが入って来たという事だ。鍵もしていなかったので入って来ても不思議はないが...全文を読む

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桜/20*「問題発言?!」

恋桜~さくら~・2

2011.02.21 (Mon)

 「好きだよ……」 肘で身体を起こし自分からしたキスは、何とも不安定で、ちょっと唇が付いてすぐに離れてしまった。 でも、離れてすぐに一さんが嬉しい言葉を囁きながら私に唇付(くちづ)ける。 浮いていた頭が乱暴にベッドへ落ちないように素早く片手を私の頭の下に入れて、キスをしながらゆっくりと寝かせてくれた。 一さんは優しい。 本当に優しくて、こんなに素敵で、そんな一さんに「好きだ」 と言ってもらえる私は本当...全文を読む

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第13章≪迷宮の天使≫・8

迷宮の天使

2011.02.21 (Mon)

 「ったく、お前は無駄に頭が良い分、考え過ぎだって」 楽しそうに尊実が笑う。「能力が無くなったほうが幸せだろうが。だから、俺によこせ、って言ってんのに。ごちゃごちゃと勝手に困りやがって」 相変わらずの憎まれ口だ。 しかし彼は、とても嬉しそうで楽しそうだった。 ……どうして尊実が目の前に居るのだろう……。 ほわりっとした薄闇の空間で、紗月姫は考える。 ああ……、これは夢なのかもしれない、と。「だって、尊実が...全文を読む

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第13章≪迷宮の天使≫・7

迷宮の天使

2011.02.21 (Mon)

 「たけみ……」 涙が止まらない。 紗月姫はもう、自分の意思で能力の発動を行ってはいない。 なのに、身体からはどんどんと能力の波動が逃げてゆくのを感じる。 尊実が自分に残された能力で、紗月姫の全てを吸い取ろうとしているのだ。 紗月姫の能力とのぶつかり合いで、尊実の能力も消失してゆく。 能力の消失。 それは、『海堂尊実』 という人間の消失でもあった。 身体に力が入らなくなった紗月姫の膝が落ちる。それに引...全文を読む

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