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【  2011年06月  】 

第3章・(エントランスの恋人)・11

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.30 (Thu)

 「こーのさーん、お出かけですか~?」 何処か嬉しそうな声が背後から聞こえ、十階から乗ったエレベーターのドアが閉まる瞬間、ドアの隙間をくぐって飛び込んで来たのは須賀だった。「セーフっ。挟まるかと思った」 ドアが閉まるすれすれで飛び込んで来た須賀。階数操作のパネル前に立っていた他部署の若い男性社員は、須賀の存在に気付けず“閉”を押してしまった事を怒られるのではないかと、目を丸くしている。「駄目ですよ、危...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・10

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.29 (Wed)

 「美春ちゃ……、光野さんは一緒じゃないんですか?」 詩織は、いつも学と一緒に居るはずの美春を周囲に探しながら歩み寄って来た。 彼女はちょうど今、担当している医薬情報担当者(MR)を一人送り出したので、その連絡待ちでオフィスへ戻ろうとしていたところだったのだ。「運転手と打ち合わせをしているよ。すぐに下りて来ると思うけど。三杉さん、仕事はどう?」「はい、担当しているMRの方が、今新規で小児科医院の開拓に乗り...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・9

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.28 (Tue)

 「じゃぁ、喧嘩では無かったんだ?」 専務室へ行って、学から詩織の様子を聞かされた美春は、取り敢えず柳原と喧嘩をした訳ではないと知って胸を撫で下ろした。「そうだよねぇ、あんな誠実そうな柳原さんと、詩織ちゃんみたいに人と争うのが嫌いな子が、喧嘩なんてする訳が無いよね」「まぁ、一歩間違えば大喧嘩になり得る問題だけどな」 学がデスクの前に立つ美春に向かって手を出すと、その意味に気付いた美春は、ちょっと肩を...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・8

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.27 (Mon)

 「恥かしいなぁ、わたしってば……」 オフィスから出て足を止め、ひとつ溜息をついてから、詩織はゆっくりと歩き出した。 給湯室で学と話をし、不覚にも目の前で泣いてしまった。本来ならば上役に訊けるような事では無い質問をしてしまったというのに、学はその質問に答えてくれたうえに助言までくれたのだ。(専務に、迷惑をかけちゃったな……) 後で改めてお礼を言おう、と考え、美春にも謝っておいた方が良いだろうかと気付く。...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・7

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.26 (Sun)

 「主任、風邪治ったんですか?」 秘書課のオフィスで櫻井からスケジュール調整の助言を受けていた美春は、櫻井のO,Kが出るのを待つ時間を使って、何気なく訊いてみた。 昨日は朝しか会っていなかったので気が付かなかったが、一昨日のように咳もしていないし喉が痛そうでも無い。「ん? ああ、昨日には治っていたかな」 櫻井は椅子に座り、手にしたスケジュール表を目で追いながら、目の前に立つ美春に返事を返す。「一昨日、...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・6

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.25 (Sat)

 「警備員さん、おはよう」「巡回ですか? ご苦労様です」 声をかけてもらえるのは、彼にとってはとても嬉しい事だ。それも、自分からではなく相手側から声をかけて貰えているのだから。 しかしその時の柳原は、喜ぶより先に動揺してしまった。「おっ、おはようございますっ。皆さんも、今日一日頑張って下さい!」 いささか元気の良すぎる“このフロア”には不釣合いな挨拶を聞き、彼に声をかけた秘書課の男女はクスクス笑いなが...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・5

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.24 (Fri)

 「訊きたい事が有るの」 いえ、かえって訊きたい事が有るのは私の方なんだけれど……。そう心の中で思いながらも、美春はそれを言い出せないまま、詩織の気迫に押されて無人の給湯室に足を踏み入れた。 美春が詩織に訊きたかったのは、もちろん柳原の元気がない原因だ。学に「そういう事は“彼女”に訊くのが一番」 と、言われ、秘書課のオフィスで詩織に会ったら真っ先に訊こうと思っていたのだ。 秘書課の中で、柳原と詩織が付き...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・4

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.23 (Thu)

 「ん~~~~~~~」 驚きを込めた呻き声が喉から漏れる。悪戯に強く唇に吸い付かれている為、声を出そうにも出せないのだ。 勢い良く吸い付いた学の唇は、棒付きの飴玉を勢い良く口から引き抜いた時のような音をさせながら、美春の唇から離れる。「まっ……、まなぶっ、何っ?」「おはよう美春っ! 昨夜は会いに来られなくてごめんな、怒ってないか?!」 学は愛車レクサスの運転席から身を乗り出して、美春の指定席である助手席...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・3

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.22 (Wed)

 「おはようございます!」 葉山製薬本社ビルのエントランスには、今日も元気な朝の挨拶が響いていた。「おはよぅ、やなちゃん、今日も元気だねぇ」 外気の寒さから逃れようと早足に自動扉をくぐって来た中年の男性が、正面入口の傍らでエントランスの警備に立つ柳原に声をかける。「はい。今日も寒いですね。風邪には気を付けて下さいね」「おぅ、ありがとよ。そんな優しい言葉、最近は女房にも掛けてもらった覚えは無いぜ。やな...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・2

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.21 (Tue)

 「何か良い事でもあったの? お姉ちゃん」 珍しく家で夕食を摂り、珍しくお風呂上りに大介のお酌などをしていた美春に、珍しく大学からまっすぐ帰り、珍しく一人で勉強をしていた一真が話しかけた。「ん? どうして?」 光野家のリビング。目の前のテレビから流れる情報番組の内容に、ああだこうだと言いながら、大介と仲良くソファに並んで腰を下ろす美春は、既にパジャマ姿だ。 勉強にひと段落を付けて二階から下りてきた一...全文を読む

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第3章・(エントランスの恋人)・1

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.20 (Mon)

 「でね、一日中ずっと櫻井主任の話題で持ちきりだったのよ」 手振りをまじえて興奮気味の彼女を、柳原仁史(やなぎはらひとし)は笑顔で見詰めていた。 彼が生活をするアパートの部屋。二人を隔てる木目調のローテーブルには、彼女手作りの可愛いプリンが乗っている。 手作りといっても、市販のプリンミックスを溶いて作ったもの。どの辺りが可愛いのかというと、彼女は子供が喜びそうな動物柄のプリンカップを使い、絵本に出て...全文を読む

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●『男の主導権・女の主導権~しっくすないんのお話~』・後編(696969珍番&800000キリ番リクエスト)

理想の恋愛・企画SS集

2011.06.19 (Sun)

 「しっ、しんちゃ……」 信の劣情が、興奮の度合いを見せつけるように、いきなり目の前に迫り涼香は慌てる。 彼女の内腿の間を覗き込み顔をうずめた信は、恥かしい位に広げられ、その姿を余す所無く晒した彼女の蕾に吸い付くと、軽く歯を立てた。「ぁうんっ!」 涼香の腰が跳ねるように震える。それでも信はやめず、ズズッという音を立て強く吸い付きながら、幾度も甘噛を繰り返した。「あ! や……! 信ちゃ……ぁぁン!」 腰を揺...全文を読む

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●『男の主導権・女の主導権~しっくすないんのお話~』・前編(696969珍番&800000キリ番リクエスト)

理想の恋愛・企画SS集

2011.06.18 (Sat)

 「こういうのは、女の子が“上”になるモンでしょっ!」 “上”になろうとした信は、その行動に待ったをかける愛しの涼香に怒られ、諦めてベッドへ寝そべった。「でも涼ちゃん、男が“上”になる体位もあるんだよ?」 控えめな動きで信の裸の胸を跨ぐ涼香。白く可愛らしいお尻が目の前で動くのを目で追いながら、信はちょっと文句を言う。 すると、恥かしさを隠しきれない口調で怒る涼香の声が、彼の下半身から聞こえてきた。「しっ、...全文を読む

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第2章・(十年愛)・30

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.18 (Sat)

 「だから、どういう事になってるの、光野さん!」(ああ……、懐かしいなぁ……) 目の前には、同じ秘書課の先輩が五人。その他、違う部署からわざわざやって来たのであろう先輩社員が同じく五人。いずれも、若い女子社員だ。 その十人を前に、美春はぼんやりと懐かしさを感じていた。「専務の婚約者って特権を利用して、櫻井主任を良い様に使ってる、って、どういう事なの。あなた、後輩でしょう。主任は一応上司なのよ!」「それだ...全文を読む

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第2章・(十年愛)・29

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.17 (Fri)

 「おかしいでしょ? 櫻井君はどう見ても“イイ男”レベルなのに、彼女はいない、って言うんだもの。――ちょっと疑っちゃったのよね。……それが、三年前」 少々長引いた会議が終わったのは、終業時間間際だった。 学と共に専務室へ戻った美春が、櫻井に渡したメモは十年前に亡くなった冴子の元恋人に関するものだと聞かされ驚いていたところへ、さくらがやって来たのだ。 さくらが冴子を諭し、学が櫻井をけしかけた様だが、どうして...全文を読む

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第2章・(十年愛)・28

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.16 (Thu)

 「自分を許す……か……」 デスクで頬杖をつく冴子の耳に、自分の呟きはとても深く沁み込んで来た。 社員も途切れ、処置室内は静かだった。それこそ、普段稼働しているのかいないのか解からないくらい静かな加湿器の音が耳に衝くほど……。 冴子は一人になってから、ずっとさくらに言われた事を考えていたのだ。 ――自分を許す事が、償いになる事もある。――と。 十年前に、恋人を自殺が原因で失った事が有るという事を、さくらは知っ...全文を読む

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第2章・(十年愛)・27 *R高

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.15 (Wed)

 「外したなら、留めてやって下さい」 事もあろうに、学はひとつだけ外されていた美春のブラウスのボタンを留めながら、美春にではなく櫻井にそう言ったのだ。「美春も部屋を出る前に気付け。それだから俺に目を付けられるんだ」 櫻井へ話しかける口調とは違って、美春へはプライベート調で話す。 少々冷めた口調だ。もちろん、これは何か誤解をしてしまったのでは? と思った美春は弁解しようとした。「あのね、学、違うのよ……...全文を読む

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第2章・(十年愛)・26

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.14 (Tue)

 「主任! 好きっ!」 櫻井の言葉と笑顔があまりにも嬉しくて、美春は思わず彼に抱き付いてしまった。 尊敬できる先輩。これから先ずっと付き合って行く事になる事実を考えても、嫌われるのは辛かった。 仕事のやり方は好きだと言ってくれたが、根本的なところでは嫌われているのだろう。――ずっと、そう思っていた。 ――俺は、お前が好きだよ。 人間的な所で櫻井が認めてくれた気がして、美春はとても嬉しかったのだ。「放せ、...全文を読む

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第2章・(十年愛)・25

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.13 (Mon)

 「なんかさぁ、許せなくない?」 もうすっかりその必要も無くなった指に絆創膏を巻きながら、女子社員は文句を付ける。 元々小さな切り傷なのだから、絆創膏さえ要らない様な気もするのだ。しかし彼女は、今日も同僚と二人で、処置室へ絆創膏を巻きに来ていた。「光野さんと櫻井さんの件?」「でも、櫻井さん説は遊びっぽいよねぇ。だって、専務捨てたら玉の輿がパァじゃない」「光野さんだって、元々は重役の娘じゃない」「それ...全文を読む

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第2章・(十年愛)・24

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.12 (Sun)

 「主任、風邪はどうですか?」(――昨日、まったく同じ事を訊かれたな) それを思い出し、おかしくなった櫻井は、顔を横に向け咳払いをする様な形で小さく噴き出した。「どうして笑うんです?」 櫻井と並んで秘書課が有るフロアを歩いていた美春は少しだけムッとする。心配して訊いたというのに、何故笑われなければならないのだろう。「昨日、まったく同じ事を訊かれた。そんなに弱っているように見えるのかと、ちょっとおかしく...全文を読む

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第2章・(十年愛)・23

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.11 (Sat)

 「あー、もぅっ、どうなっちゃうんだろう」 今まで振っていた手を止め、無理矢理作っていた笑顔をしかめっ面に変えて、美春は憂鬱さいっぱいに呟く。「お疲れ」 そんな美春の後ろ姿を見ながら、デスクで傍観者を決め込んでいた学が彼女を労う。しかしその言葉はクスクス笑いの中から出されたもの。どう考えても面白がっているとしか思えない。 美春もそう思ったのだろう。肩越しにじろりと学を睨み付け、勢いを付けて振り返った...全文を読む

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●『告白の勇気』(短編企画・しずくとつむぐ)

恋のエトセトラ

2011.06.11 (Sat)

 「あたしの事、好きになって下さい!」 普通“告白”という物は、「好きです」 という、自分の気持ちを伝えるものであると思われる。 しかしその時、図書室の日本文学が並んだ棚の前で彼が受けた告白は、「好きになって下さい」 という“お願い”だった。「え? あの……。ってか、君、誰?」 彼は困惑する。当然だろう。今目の前で決死の覚悟を口にした女子生徒を、彼は全く知らないのだから。 放課後の図書室には誰も居ない。本...全文を読む

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『恋のエトセトラ』前書き・作品紹介

恋のエトセトラ

2011.06.11 (Sat)

 *前書き・ご注意* こちらは、様々な短編作品を掲載していく場所となっております。 (キリ番リクエスト、企画物、書籍作品SS、など) 連載物とは一味違ったものでお楽しみ頂ければと思います。  ☆★ 作品紹介 ☆★  ●『告白の勇気』 (短編企画・しずくとつむぐ参加作品)   『高校二年生のある梅雨の日。放課後、図書室の日本文学の棚前に呼び出された僕は名前も知らない女の子から告白された』  **同じシチュエーシ...全文を読む

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第2章・(十年愛)・22

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.10 (Fri)

 「……あの事かな……」 安静用ベッドに寝転がって呆っと白い天井を眺めていた櫻井は、処置室の気持ち良いほどに加湿された暖かい空気についウトウトとしながら、冴子が言っていた話の意味に気付いた。 新年会で、美春とキスをしていたという噂が有る、という話だ。 何の事だか解からなくて、キスなんて昨日冴子としたのが十年ぶりだと、正直に白状したというのに、彼女は何の反応も示してはくれなかった。 背を向けたまま振り向い...全文を読む

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第2章・(十年愛)・21

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.09 (Thu)

 「でもさぁ、あの噂、本当だと思う?」 確実に絆創膏一枚巻くのに、彼女は十分以上かけているだろう。 それも、それが要り様なのは一人だけ。一緒に着いて来ている女性はただの付き添い。この二人は昨日も処置室に来て、絆創膏を巻きながら休憩を決め込んでいた。 それでも三十分も居る訳ではない。数分程度ここでおしゃべりをして行く事で社員のリフレッシュになるならと、冴子も特に何も言いはしない。 高校の保健室に居る時...全文を読む

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第2章・(十年愛)・20

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.08 (Wed)

 「櫻井君、風邪はどう?」 自分のデスクスペースで仕事をしていた櫻井に、パーティションの外壁をノックしながら声をかけて来たのは、さくらだった。「……え? あ、大丈夫ですよ。良く解かりましたね、風邪の事」 少々戸惑いつつ、椅子のキャスターを滑らせ立ち上がると、さくらが目の前で腕を組んでニコリと微笑む。「解かるわよ。昨日何度かくしゃみをしていたでしょう? お腹出して寝たの?」「そんなに寝相は悪くは有りませ...全文を読む

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第2章・(十年愛)・19 *R18

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.07 (Tue)

 「お仕置き……じゃ、なかったの?」 嬉しそうな、とろりっとした美春の声は、上半身を動かす時に起こるシーツの衣音と共に学の耳をくすぐった。「お仕置きだよ?」 その声を聞いただけで、彼女が彼の行為に喜んでいるのだという事が解かる。それを実感すると、学自身も昂ってしまうのだ。「ど……こが……、ンッ、ぁ……」 美春はピクリっと小さく背を反らせ、サラサラとしたシーツの感触を楽しんでいた両手を、大きく広げられた両脚の...全文を読む

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第2章・(十年愛)・18

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.06 (Mon)

 「美春、櫻井さんとキスしたの?」 学からストレートにそう訊かれる、というのは、早い話「浮気したの?」 と直接訊かれているようなものだ。 やましい事が有るのなら、きっと返事は曖昧になり、視線も逸らして彼女は動揺をする事だろう。 しかし美春は、そう訊いて来た学を、目を見開いて見詰め、ぱちぱちと長いまつげをしぱたかせて、とても可笑しそうに笑い出したのだ。「やっ……やっだぁっ! 私が『キスして下さい』 って...全文を読む

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第2章・(十年愛)・17

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.05 (Sun)

 「あら? このマフラー、戸野田さんの?」 薬棚の整理を始めた冴子に、用事を終えて処置室を出て行こうとしていた同年代の女性社員が訊ねた。 何の事かと思いながら顔を向けると、女性社員は壁側に有る寝椅子の前に屈んで、その下から何かを拾い上げたのだ。「ほらこれ。下に落ちてたわよ」 彼女が差し出した物を見て冴子は目を瞠った。それは、折り畳まれた白いマフラーがクリーニング店のビニール袋に入れられたものだ。  ...全文を読む

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第2章・(十年愛)・16 *R18

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.06.04 (Sat)

 「間違ってる……」 冴子は床に座り込んだまま、涙があふれ出る瞳を宙に投げた。「また……同じ事を繰り返そうとするなんて、間違ってる……」 目標の定まらないその目に、かつての恋人がぼんやりとかすむ。 優しい人だった。とても冴子を愛してくれた人だった。 優しくて、優しすぎて……。けれど、それ以上のものは無かった……。 物足りなさと気持ちのズレ。身体の不満までもを櫻井に求め、満たされる事で彼女は彼しか見えなくなって...全文を読む

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