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【  2011年11月  】 

第7章・(愛の共同作業)・54

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.30 (Wed)

 「詩苑っ、しーおーんっ」 うるさくない程度の声で、耳元へ呼び掛ける。 それでも微動だにせず、くーくーと寝息を立てている詩苑。起きる気配がないので今度はゆすって起こそうとした雅人を、夕食の用意が出来た事を知らせに来た京香が慌てて止めた。「駄目っ、起しちゃ駄目よっ」 小走りに走り寄り、絵本を見ているうちに座布団の上で寝てしまったらしい詩苑の傍らに屈んだ。「いつ寝ちゃったの?」「三十分くらい前かな? 夕...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・53

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.29 (Tue)

 「うっ、後ろから見るの?」 デスクの前に立たせて後ろを向かせた美春のタイトスカートを、学は彼女の太腿をスカート越しに撫でながら捲くり上げようとする。 自分から煽るような事をしておいて何だが、美春は思わず両手でその手を押さえてしまった。「何? 前から見たって普通と同じなんだからつまんないだろ? せっかくなんだから後ろから堪能しないと」「で、でも、後ろから見ても……」 後ろから見てもほぼ布の存在は認めら...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・52

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.28 (Mon)

 「美春、ちょっと訊く」 彼女に、ガーターベルトを着けさせて欲しいなどと非常に色っぽい事を言われたというのに、学は何故か眉を寄せた。 彼の手には、ガーターベルトと共に渡された薄く柔らかいストッキングも握られている。「着けて欲しい」という事は、ガーターベルトを着けさせ、更にストッキングも穿かせろという事だ。 服を着せるという意味とも少し違うこの行為。その工程を考えてみると、何とも主従感の漂う行為ではな...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・51

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.27 (Sun)

 「繋がり……っか……」 自分では得られなかったもの。得たいと思った時にはすでに手遅れだったもの。その存在を思って、燈子は感慨深げに白い息を吐いた。 歩道橋の欄干に両肘をつき、視線はその下を流れるヘッドライトの波を追っていく。 古いせいか、そんなに人通りの多い歩道橋ではない。それでも時々、燈子の後ろをカップルらしき楽しげな声が通り過ぎていく。そしてそんなカップル達の存在を感じると、手が届かないほど幸せそ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・50

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.26 (Sat)

 「また、そんな事言う……」 涼香は咎める様な声を出して、彼女の上に圧し掛かっている信の頭をぽかっと叩いた。「前に言ってた冗談の続き? 嘘ついちゃったものはしょうがないもん。もしどこかで会って責められたら素直に謝るわ。『あの時はああするしかなかった』って。正直に」 そのまま両手を信の背中へ回し、諦めの息を吐く。 嘘をつき芝居を打った事を後悔するつもりはないのだ。あれは、燈子の為だったのだから。「だって...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・49

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.25 (Fri)

 「一真くぅん、しょーか、帰りたくないなぁ……」 上目遣いで肩を竦め、ちょっと可愛い声を出す。 無意識だったのだが、京香がふざけて真似した仕草と全く同じ事をやってしまった自分に気付き、晶香は一瞬躊躇する。 しかしここでやめる訳にはいかない。目の前ではすでに、一真がいつもの晶香とは違う“おねだり”の仕草に言葉を失ってしまっているのだ。 この反応に焦って「冗談、冗談、今の無し!」 などと否定しようものなら、...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・48

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.24 (Thu)

 「お幸せにね……」 その言葉は、本当に自然と燈子の口から出て来た。「もぅ、ここへは来ないから……」 真正面から見据えてくる涼香を、眩しくも羨ましそうに見ながら、燈子は儚い笑みを浮かべる。 突き返された包みをバッグの中に入れ、彼女は踵を返した。あまりにも潔過ぎて、そんな彼女の後ろ姿を見ていると涼香はつい引き止めたくなる。 その衝動を抑える為に、涼香は嘘をついた唇を結び、下唇を噛みしめる。 信の子供が出来...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・47

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.23 (Wed)

 「おかしいな、居ると思ったんだけど……」 事務所の中をぐるりと見回し、もう一度確認の為にゆっくりと事務所内を目で追う。 静かな室内には誰もいない。照明は点いているし鍵も開いていた。もちろん信悟が居るものだと信は思っていたのだが、ここに人の気配は無い。「父さーんっ」 給湯室かと思い大き目の声で呼びかけてみるが、信悟の声どころか水音もしない。シンとした室内だ、足音ひとつ聞こえないという事は、本当に居ない...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・46

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.22 (Tue)

 「お父様にもチョコレート差し上げたいから、事務所にも寄ってね?」 涼香に頼まれ、信はバレンタインデートの行程に田島法律事務所を組み入れた。 それも行動予定の一番目だ。 本来の予定は、“仕事が終わったら涼香を迎えに行ってそのまま食事”、だったので、事務所へ行くとかなり予定時間にズレは出る。しかし、食事といっても時間で予約を取る様な制限のあるレストランなどではないので、ズレても特別不便は無い。 などと言...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・45

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.21 (Mon)

 「うわぁ、いいんですかぁ? 嬉しいな、有難うございます」 あまりにもストレートで嬉しそうな反応。 小さな子供にされるのならそうでもないのかもしれないが、自分より五つも年上である二十七歳の彼にそれをされると、美春はいささか照れ臭い。それでも大分慣れたとは思う。 またこの反応の返し方が、今朝弟の一真にチョコレートをあげた時の反応と、とてもよく似ているのだ。 「わぁ、お姉ちゃん、ありがとー。嬉しいよ僕っ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・44

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.20 (Sun)

 「姉様、今日はお泊まりするの?」 無理も無い事なのだが、今日の晶香は朝からご機嫌だった。 両親が講演会で留守になっている為、食事中のおしゃべりを咎める者が居ない。そのせいか、ここ数日の食卓は彼女の独演会だ。 しかし、そこはもちろん度が過ぎれば長女の叱責が飛ぶ。それが飛びそうな一歩手前をキープしつつ独演会を続けられるのは、流石に長年一緒に暮らしている“慣れ”だろう。 だが今日は特別賑やかだ。何と言って...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・43

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.14 (Mon)

 「なっ、何ですかっ、まだ昼ですからね。さっ、サボってたんじゃないですからねっ」 何もこんなに焦らなくても良いのに。と、美春は我ながらに思う。 突如開いた処置室のドア。「ああ、ここに居た」 と言って入って来たのは櫻井だ。 彼の顔を見た瞬間、美春は椅子から下りて腰を引き気味に身構え、先手必勝とばかりに言い訳を繰り出した。 防御本能とでも言おうか、櫻井を見るとつい我が身を庇う事を考えてしまう。「誰もサボ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・42

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.13 (Sun)

 「珍しいわね? 光野さんが置いてきぼりだなんて」 話しかけられて、美春はやっと自分の順番が来た事を悟る。「専務は、いつでもどんな時でも光野さんを同伴させるものだと思っていたけど」 そう言って、葉山製薬本社、処置室担当養護職員である女性は笑う。 時期的に出番が多い総合感冒薬を棚に片付ける彼女は、約二週間後に結婚を控え、“戸野田”姓に別れを告げ“櫻井”姓になる事が決まっている。「今日は、古い友達に用があっ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・41

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.12 (Sat)

 「んっ、……ふぅっんっ……」 呻く声が喉から漏れる。 苦しげだが、その呻きはどこか艶があって可愛らしい。「んっ……ん、ハァ……ふっ……」 顔の向きを変え唇が微かに離れるたびに口で呼吸をするのだが、その呼吸はなぜか悦楽の声に匹敵する色っぽさだ。「ァン、……まな、ぶ、ダメ……」「文句は却下。気持ちのイイ声しか聞きたくない」 何とも我儘な言い分だが、そんな学の我儘に対応出来るのが美春だ。「ン……んっ」 彼女はすぐに、可...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・40

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.11 (Fri)

 「飲んだら送りますよ」 沈思黙考とまではいかなくとも、それに近い状態ではあった。 美春に手を取られ、温かな気持ちで自分を振り返っていた燈子を現実へ引き戻したのはその声だ。 瞼を開く前に、両手で支えていたカフェ・オ・レのカップが抜き取られ、そこに新しいカップがそのまま入れられる。どうやら手に持っていた物はぬるくなったので、新しい物と変えてくれたらしい。 瞼を開くと、燈子側のドアから、ぬるくなったカッ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・39

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.10 (Thu)

 「訊いても良い?」 通常を装い、平気な振りをして出そうとする言葉。 けれどきっと、そんな事をするだけ無駄だ。燈子は心からそう思う。 燈子自身が既に泣いてしまっている事を、目の前に居る名前も知らないこの女性は気付いているだろう。 燈子が彼女を見詰める目は再思に潤み、彼女が添えてくれている手の下では、身体中で嗚咽を堪えている事を知らせる様に燈子の手が震えている。 それでも彼女、――美春の表情は変わらない...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・38

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.09 (Wed)

 「御夫婦なの?」 意外な事に、口火を切ったのは燈子の方だった。 車内には、ゆったりと静かな空間が流れている。 学も美春も燈子も、何も話さない。三人とも温かい飲み物を手に、それを一口体内に流し込むたびに心まで温かくなって行くような穏やかさを感じながら。ただ黙って、その温かさを堪能していたのだ。 燈子は不思議だった。見ず知らずの他人と一緒だというのに、何故こんなに落ち着いていられるのだろう。沈黙という...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・37

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.08 (Tue)

 「お仕事忙しかった? ごめんね」 信の自室へ戻った涼香は、デスクの上に広げられた書類の山に気遣いを見せた。 そんな彼女の頭をポンッと叩き、信は嬉しそうにそのまま抱き寄せる。「なーに言ってんのっ。涼ちゃんの顔見られたんだから、やる気出たもんね。こんなのチャッチャと片付けちゃうんだ」 本当にそんなにチャッチャと片付けられるものならどんなに良いか……。こんなセリフを指導担当裁判官に聞かれたものなら、山のよ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・36

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.07 (Mon)

 「ねぇ、学、バレンタイン、何して欲しい?」「ん~、美春にえっちな恰好して欲しい」「やーねぇ、何よそれっ」 学のえっちなリップサービスを、楽しげに笑いながらかわす美春。 彼女はいつも通り学のちょっとしたジョークだと思っているようだが、彼は少々本気が入っていたりもする。 美春の存在自体で欲情出来るから、特に細工は要らないという学だが、それでも時々悪戯心が動く。その結果が、着物を着たままというシチュであ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・35

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.06 (Sun)

 「大丈夫ですか? 他に痛いところは? どこか血が出ている所とかはありませんか?」 目の前には泣きそうな顔で心配をする涼香が居る。 必死な様相の彼女をよそに、女性に心配をしてもらって嬉しいと感じるのは、妻以来久し振りだな、などと呑気な事を考えてしまったのは信悟だ。「腕とか打ちました? 滑り落ちたんですから足は痛みますよね。本当にごめんなさい」 メイン事務所の長椅子に座る信悟の横で、おしぼりを片手に汚...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・34

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.05 (Sat)

 「ん? お稲荷さんか?」 事務所へ入り、自分のデスクの上を見た信悟は、大振りのお稲荷さんが三つ入ったフードパックとほうじ茶のティーパックが、これ見よがしにデスクの中央に置かれているのを見付け、ふっと表情を和ませた。「碧さんのお手製だな。これは食べないと怒られそうだ」 信悟が仕事に集中すると食事もまともに摂らない事を知っている碧は、よくデスクの上に夜食を置いて行ってくれる。 買った物や作ったもの、色...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・33

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.04 (Fri)

 「過去に、しがみ付いてちゃ駄目だよ……」 燈子の力はすでに抜けている。しかし信は、彼女を無理矢理引き離す事も、離れさせようとする事も出来なかった。「燈子さんが父さんを好きだったのだって、ふられたのだって、過去の話だ。例え合意が無くてもオレと燈子さんが“そういう行為”をしてしまったのも、過去の事。――燈子さんは、現実が辛いから、ふらりと目の前に現れた過去に掴まってしまっただけだろ? 燈子さんが今しなくちゃ...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・32

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.03 (Thu)

 「涼香さん?」 後ろから声をかけられ、涼香は片手を非常階段の手すりに添えたまま振り返った。「ああ、やっぱり。着物姿の女性が居るから、もしかしてと思った。今来たところなのかい?」 眼鏡の奥で、信に良く似た優しげな瞳が笑う。非常階段の横で立ち止まり、涼香を見ていたのは信悟だったのだ。「あ。お父様。こんばんは。お仕事だったんですか? お疲れ様です」 手すりから手を離し信悟へと向き直ると、その手を信悟の手...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・31

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.02 (Wed)

 「……子供?」 突拍子もない言葉に、信は目を丸くした。 “ちょうだい”と言われて、“はい、どうぞ”と差し出せる物ではない。第一、信に子供は居ない。 だがもちろん、燈子はそんな意味で言ったのではない。「あの人がね……言ったの」 信に抱き付いたまま、燈子が顔を上げる。“あの人”というのは彼女の夫の事だろう。「お前はおれに、“繋がり”をくれなかったっ……て」 燈子を引き離そうと、彼女の肩を掴む手に力を入れていた信は、...全文を読む

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第7章・(愛の共同作業)・30

理想の恋愛 完璧な愛・第10部

2011.11.01 (Tue)

 「師範代、お車が到着しましたよ」 仰々しくも丁寧な口調で車の到着を告げ、涼香に向かって頭を下げたのは、何と妹の晶香だ。 いつもならば「姉様ぁ、車来たよぉ。乗ろーぉ。しょーか、ねーさまの横に座るーぅ」 と懐きまくってくるところだが、今日はそういう訳にはいかない。「解りました。今行きます」 堂々とした姉の返事が返ってくると、晶香は身体を横にして道を開ける。涼香は今まで話をしていた分家の代表数人に「お先...全文を読む

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