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【  2012年02月  】 

第3章≪婚約破棄≫・3

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.29 (Wed)

 「あくまで“用心”の為だ。俺の思い過ごしなら、それに越した事はないさ」 学の言葉を聞いて、美春は少々ホッとする。 “辻川に狙われる”などと、聞いただけで命いくつあっても足りないイメージだ。「そうよね、いくら私が“紗月姫お嬢様の婚約者候補の元婚約者”だからって、そんな事になる訳ないよね」「まぁ、総司叔父さん、いきなりとんでもない事やる人だけどな」 安心した勢いで軽く口にした言葉を、学が重くして返してくる。...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・2

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.28 (Tue)

  ご機嫌な鼻歌は、バスルームへと続く洗面所のドアを開けた時から、かなりの大きさで耳に入って来た。 学の部屋は、バスルームも洗面所兼用の脱衣所もかなりゆったりとした大きさで作られているのだから、その場所全体に行き渡るくらいの鼻歌とはどれほどの大音量なのかとも思うが、バスルームのドアが開けっぱなしなのだ。おまけにバスルームは音がこもりやすい。必然的に漏れてくる音も大きいだろう。 とはいえ、鼻歌の主であ...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・1

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.27 (Mon)

  ――美春との婚約を、解消する。 そんな衝撃的な話をされた日曜日。 しかし美春は、それ以上話を追求しようとも、話させようともしなかった。 聞きたくなかったのかもしれないし、深く知りたくはなかったのかもしれない。――知るのが、怖かったのかもしれない。 美春が訊かないので、学もそれ以上の事を言わない。 彼が何も言わないという事は、黙って学を信じていれば良いのだという意味で解釈をする他は無いのだ。 実際、彼...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・15 *R18

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.20 (Mon)

  ――神様が咲かせる藤。―― 辻川家の温室に造られた大きな藤棚は、そう呼ばれている。 この藤は、枯れる事が無い。一年中花を咲かせ続けているのだ。 設備が整った温室に有ると言う理由だけでは、ここまで見事な花を咲かせ続ける事は出来ないだろう。 それ故に、いつの間にかそう呼ばれるようになった。 この藤棚の下で、紗月姫と神藤は出会った。 神藤は十二歳。紗月姫はまだ、産まれて一ヶ月。それでも二人は、潜在意識下で...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・14

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.19 (Sun)

  かつて、同じような事が有った。 あれは、十六歳の誕生日を迎える前の事。 結婚を急ぐという意味ではなく、婚約者を決めて自覚を持たせるのは悪い事ではない。そう判断した総司が、誕生日に数人の候補と会わせようとしたのだ。 その時は前もって告知が有り、紗月姫は激しく抵抗をした。お付き達を総動員させるほどの行方不明騒ぎを起こし、総司を困らせたのだ。 居なくなった紗月姫を見付けたのはもちろん神藤だったが、そこ...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・13

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.18 (Sat)

 「何故あんな事を、お言いになったのですか?」 神藤に問いかけられ、紗月姫はドレスを撫でていた手をフッと止めた。「美春様が驚いていらっしゃいましたよ。……恐らく、学様も……」 責めている訳ではないのだ。しかし、紗月姫の発言は間違いなく周囲を戸惑わせた。 週末に迫った紗月姫の誕生日パーティー。誰もが楽しみにしているイベントだ。紗月姫だって、とても楽しみにしていた事を神藤は知っている。 だからこそ聞きたかっ...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・12

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.17 (Fri)

 「高木物産の御長子は、いったい何をしでかしたのです?」 とても穏やかな日曜日だった。 今週末には、次期総帥に婚約者候補達をお披露目するという一大イベントが控えているというのに、そんな緊張感など微塵も感じさせないくらい、総司も学も穏やかな雰囲気で向かい合いコーヒーカップを傾けている。 先週対峙した時と同じ書斎。あの時の緊迫感が嘘の様。「高木康司氏の突然の失脚は、彼が小型爆弾を仕込んだ郵便物で世間を騒...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・11

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.16 (Thu)

  呆然と床に座り込んだまま、どのくらいの時間が経っていたのだろう。 恐怖から動揺が治まらないまま身動きひとつ出来なかった咲月は、微かな振動と不審な物音で我に返った。「……何?」 今、このプライベートルームが微かに揺れた。地震だろうか。いや、かなりの大きな物でなければ、この学園は地震などで揺れる事は無いはずだ。それに地震にしてはおかしな揺れだった。まるで下の階の物音が上に伝わって来たような……。 不気味...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・10

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.15 (Wed)

 「神藤……」 声を出すのも辛いはずだった紗月姫の声帯が、スルリとその名前を発する。「神藤……」 無意識のまま口から出る名前は、視界に入る彼の姿と共に紗月姫の身体へ沁み渡った。 言葉では言い表せないほどの、嬉しさと共に。 ドアが開いてから一瞬の出来事だった。その素早さに、飛び込んで来たのが神藤である事を、栗原でさえ一瞬気付けなかったほどだ。 栗原の顔面を掌で掴み、壁へと叩きつける途中でぶつかった会議用デ...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・9 *R凌レ

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.14 (Tue)

  瞬時にして、神藤はその状況を悟った。 車を用意しに出たと思っていた栗原は、生徒会室へ行っている。会議等予定が無く、恐らく紗月姫一人しか居ないであろう生徒会室に。そしてその彼は、三十分、いや、一時間も戻っては来ないだろうと咲月は言うのだ。 神藤の脳裏に、どこか取り繕った栗原の笑顔が思い出される。 何故か執拗に紗月姫の周辺で動き回っていた男。栗原が紗月姫を見詰める視線に、眉を寄せたくなる感情が含まれ...全文を読む

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●『バレンタインの約束』・後編(2012バレンタインSS)

理想の恋愛・企画SS集

2012.02.14 (Tue)

 「だってぇ、まなぶがお約束守れなくても、みはる、まなぶに“針せんぼん”のませたりしないけど、ゆびきりしてお約束を守らなかった子は、かみさまに指を切られちゃうんだよ? まなぶ、かえってこられなかったらどうするの? まなぶが指切られちゃうのイヤだもん……。だから、ゆびきりしないもん……」 学は絶句する。 そしてエリは「ウチの子、純真っ! 可愛いっ!」と思いつつも、噴き出してしまいそうな口を慌てて手で押さえた...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・8 *R凌レ

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.13 (Mon)

 「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」 事務の女性は、少々不審げに二度目のノックをした。 生徒会室には十五分ほど前に来ている。辻川会長に封書と荷物を渡して事務室に戻ったのだが、渡し忘れの封書が二通あった事に気付き、慌てて再度届けに来たのだ。だがドアには鍵が掛かっていて、呼びかけても返事は無い。 他の役員がいなくても会長は在室しているだろうと思っていたので、誰もいないのは予想外だ。「明日でも...全文を読む

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●『バレンタインの約束』・前編(2012バレンタインSS)

理想の恋愛・企画SS集

2012.02.13 (Mon)

 「やだぁぁ、やだもんっ……」 きっと彼女は、泣くつもりなんてなかった。 泣けば大好きな彼が困ってしまう。それを、とても良く知っているから。 けれどこの時、彼女には泣く事しか出来なかったのだ。 もう少し心が成長していたのなら、我慢したり、違う対処法を考えられたりしたのかもしれない。 しかし彼女はまだ四歳。いや、正確に言うなら三歳と十一カ月。「まなぶぅ……、お外の国、いっちゃイヤだぁぁ……」 大好きな学が傍...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・7

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.12 (Sun)

 「誕生日パーティーの招待状で御座いますか?」 確認の為に口から出された言葉だった。しかし確認を口にした唇は、「シッ」という黙る事を命令するひと言と共に、人差し指を当てられる。 普通、黙る事を示すのであれば自分の唇の前に人差し指を立てるものだろう。 だがその時の咲月は、自分の唇ではなく、神藤の唇に人差し指を当てて黙る事を求めたのだ。「大きな声で言わないで? お願い」 小首を傾げて上目遣いに彼を見上げ...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・6 *R18

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.11 (Sat)

 「あ~、いやらしい。ほんっと、イヤラシイ男だな、お前はっ」 言葉自体はどうにも蔑まれているようなイメージなのだが、彼にニヤニヤと笑いながら楽しそうに言われてしまうと、「もしかしたら褒められているのかもしれない」と思えてしまうから不思議だ。 いや、本当に彼は褒めているのかもしれない。「まぁオレは、そのイヤラシさ、大好きだけどな」 しつこいくらいに「イヤラシイ」を連発する親友を前に、学は苦笑どころか楽...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・5

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.10 (Fri)

 「それでですね、『男同士のイヤラシイ話をするから、三十分くらいお茶飲んでこい』とか言って仲間外れにするんですよっ。酷いと思いません?」 愚痴を言いながらチョコレートをひとつ口に入れた美春は、予想外にも口腔内を大きく占めたその大きさに、思わず両手の指先で口元を隠した。 引き続き文句を口から出したいところだが、チョコの大きさが邪魔をしてどう考えても正常に喋れそうもない。 そんな美春を見ながら、“社長室”...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・4

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.09 (Thu)

 「はなっ……、お放しなさい……っ。何をしているのか、分かってっ……」 身体を固め身を捩り、紗月姫はそれだけを口にするのがやっとだ。 いつもの彼女ならば、もっと気丈に振る舞えただろう。しかし、全身を襲うおぞましさと高木から感じる悪劣な感情が、紗月姫の自由を奪っていた。 身近で接する以外の男性に抱きすくめられるなど、初めての経験だ。「もちろん分かってますよ……。嬉しいなぁ、貴女と二人きりになれるなんて……」 い...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・3

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.08 (Wed)

  学園へ訪ねてきた高木を、紗月姫は学園長専用の応接室で迎えた。 紗月姫には、学園内に特別室が私室として与えられている。いわゆる控室の様なものだが、神藤などは授業中そこで待機している事が多い。プライベートルームと呼ばれ、他にも数人、特別待遇の令嬢にのみ与えられている部屋だ。 総司や学などが学園に顔を出した時はプライベートルームで迎えもするが、私室へ迎えるに値しないと紗月姫が判断した場合は学園長の応接...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・2

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.07 (Tue)

  葉山製薬には、全社員が知っているのではないかと思われるほど、有名な新婚カップルが二組いる。 一組目は、三月に結婚し、まだ新婚一ヶ月半。 秘書課のエリートにして“専務のお傍付き”とい有名な櫻井係長と、処置室養護職員の冴子。 そして二組目が、十日前に結婚したばかり、おまけに新婚旅行から帰って来たばかり。 葉山製薬本社ビルの元気印、名物警備員の柳原仁志と、“無敵の光野女史”の同僚、秘書課の和み系といわれる...全文を読む

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第2章≪禁戒の愛≫・1

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.02.06 (Mon)

  ――彼の声が好き……。「――夕方、高木様がお嬢様との御面会をご希望していらっしゃいます。本日は確か、学園で生徒会のお勤めが有る日だと記憶しておりますが、どうなさいますか?」 目を閉じて、紗月姫は神藤の、重厚感ある透き通った声に耳を傾ける。 幼い頃から聞き慣れた声。彼女は、この声が大好きだ。 ――いや、“大好き”なのは声だけではないのだが……。「お嬢様?」 返事の無い紗月姫を、神藤はハンドルを握りながらルーム...全文を読む

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