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【  2012年03月  】 

第4章≪辻川の刃≫・11

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.31 (Sat)

 「須賀さん、すごーい。凄い凄いすごーい」 別に馬鹿にしている訳ではない。美春は真剣に褒めているのだ。 もちろんそれは須賀も分かっているらしく「そうですかぁ?」と彼らしく照れている。 だが、どうも美春が褒めているのだと思えない櫻井だけは、怪訝そうな顔で彼女を眺めていた。「ホント凄いです。須賀さんが作ったんでしょう? これ」 かざした右手にある物。それは、ピンクシルバーの携帯電話だった。 学の居ない専...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・10

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.30 (Fri)

 「学様が、お嬢様に会いにいらっしゃるそうです。今、こちらへ向かわれているそうですが……」「学さんが?」 気の無い反応。むしろ怪訝そうな様子でもあった。 登校の為に身だしなみを整えながら聞いた予定だが、紗月姫の気持ちはそれどころではない。いつもならば、学が来ると聞けば「美春さんは?」と嬉しそうに訊ねて来るというのに。「何の御用かしら……」 大きな姿見の前で制服のリボンを結ぶが、気持ちが落ち着かないせいか...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・9

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.29 (Thu)

 「九条貴明氏は、車ごと公道へ飛び出しトレーラーに衝突したようです。車はそのまま引きずられ、九条氏の車は大破。もちろん本人は、――即死です」 キーボードを叩きながら状況を説明していた須賀は、一瞬躊躇いに手を止めるが、一呼吸置いた後に九条の最期を告げた。 戸惑ってしまったのは、美春にはショックな話なのではないかと思ったからだ。 案の定、ソファの傍らに立つ美春は、その光景を想像したらしく眉を寄せて切ない表...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・8

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.28 (Wed)

 「今日は残業?」 肩にかかるかかからないかの長さに切り揃えられた髪を揺らして、櫻井冴子(さくらいさえこ)はニコリと“夫”へ笑いかけた。 終業時間近くの処置室には、時間を潰しに来るような社員もいない。居るのは、担当養護職員である冴子と、“妻”の様子を見に来ていた櫻井だけだ。「うん、まぁ、でも、遅くならないうちに帰るよ」 腰を下ろしていた寝椅子から立ち上がり、薬棚の整理をしている冴子に近付く。片手で彼女の...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・7 *R18

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.27 (Tue)

 「話では、もう一人だか二人だか候補がいるって聞いていたんですけど、会えないのは残念でした」 帰り際、そんな言葉を残したのは袴田だった。 九条と久我山も知ってはいたが、敢えて口に出そうとは思っていなかった。ここにはいないライバルを、わざわざ紗月姫に思い出させる事もないだろう。それを臆せず口に出来る袴田は、この婚約者戦によほどの自信を持っているらしい。 自信家でストレートな彼らしいといえば彼らしいのか...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・6

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.26 (Mon)

 「そろそろ、中へお入りになって下さい」 夜風を纏い、テラスに一人佇んでいた紗月姫は、背後からかけられた声に即答した。「嫌」 そう返って来るのではないかと予想はしていた。神藤はゆっくりと紗月姫の背後に近寄り、ショールの上から彼女の肩を撫でる。「身体が冷えてしまいます。お風邪を召されては大変です」 大広間のテラスに居るのは紗月姫だけだ。別に主役が放っておかれている訳ではなく、今は余興の演奏中。皆がそち...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・5

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.25 (Sun)

 「紗月姫様を呼んでちょうだい! こんなのおかしいわ、私の事は分かるのでしょう!? なのに、『登録が無いから通せない』だなんて……!?」 咲月はムキになって章太郎へ詰めよった。 彼は間違いなく咲月の身元をその容姿と共に認識している。本来ならば彼の権限と采配で、彼女を会場内へ通す事は可能なのだ。 しかし、招待状に不備があるからと、彼女は中へは通してもらえない。最後の手段は、紗月姫に直接会って会場入りする事だ...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・4

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.24 (Sat)

  涼香に妊娠報告を受けたのは三月だった。 「やっちゃった……」恥ずかしそうに笑っていた彼女。それでもその顔は幸せに輝いていたのを覚えている。 避妊に関しては真面目に取り組んでいたはずの二人から聞いた報告。それは最初、“失敗”した結果なのかと思われた。 それが信の希望であり、二人で決めた未来なのだと知った時、学も美春も心から祝福した。 涼香はまだ菱崎姓だが、妊娠中期の安定期に入ったら、入籍と結婚式を同時...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・3

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.23 (Fri)

 「本日ご用意されている弦楽四重奏は実に素晴らしい。紗月姫さんはヴァイオリンをやられていますよね、友人が西海女子学園のサロンで貴女の演奏を聴いた事があるそうです。“天使の音色”とはこの事だと絶賛していましたよ。実に羨ましい」 ――九条貴明(くじょうたかあき)、三十三歳。 九条貿易の次男坊にして、紗月姫の婚約者候補の中では最年長だ。 眼鏡の奥にある目を優し気の細め、落ち着き穏やかな雰囲気の中には、一回り以...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・2

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.22 (Thu)

  紗月姫の誕生日パーティーは、辻川邸一階の大広間で行われる。 屋敷の中でも一番大きく最高の設備を誇るこの部屋は、紗月姫が産まれる年に元々半分だった広間を増築した物だ。 約五百名の来賓を迎える事が可能であり、紗月姫関係のイベントは必ずといって良いほどこの広間が使われる。 そして今日は、朝から広間周辺が慌ただしかった。今夜行われるパーティーの為、使用人のみならず、会場設置用の関係者から警備員、紗月姫の...全文を読む

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第4章≪辻川の刃≫・1

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.21 (Wed)

 「パーティーの出席はやめよう」 その場にいた誰もが思った。 ――やっぱり言った。と……。「どうして? 学」 そして美春も、返答が分かっているのに訊いてしまったのだ。「こんな綺麗な美春、他人に見せられるかっ。もったいない!」 予想通りの台詞は学の十八番。 美春はもちろん、一やさくらも苦笑いだ……。「もぅ、学ってば、いっつも同じ事言って」 しかし、はにかむ美春は内心、学のその台詞を待っていたりもする……。 学...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・15

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.12 (Mon)

  紗月姫を部屋へ運んだ神藤は、彼女をソファへと横たわらせると、「お待ち下さい」と一言残し、冷たいタオルを用意する為にその場を去ろうとした。 しかし紗月姫が伸ばした指先が、ギリギリのところで神藤のスーツを掴んだのだ。「待って……。ここに、いて……」 神藤は掴まれた裾から紗月姫の手を外し、その手を両手で包み込んで傍らへと跪く。「冷たいタオルをお持ちします。あとは、お水を……」「いらない……」「お嬢様……」「神藤...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・14

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.11 (Sun)

  紗月姫と神藤が退室後、ほどなくして話し合いの席はお開きとなった。 話したい事は全て話したとの言葉通り、総司は問題なく事が進んだので満足そうだ。もしも紗月姫が激しい抵抗を示しでもしたら学が諭す予定でいたのだが、彼の出番はなかった。かえって彼が諭したのは美春だったのだから。 学が紗月姫から神藤を引き離す提案をしたという事実に、美春は納得がいかない。 紗月姫が婚約者を決める時には、学の調査は終わり、賭...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・13

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.10 (Sat)

  その日、二十時近くに学と美春が辻川邸へやって来た。 学はともかく、美春も一緒だった事に驚いた紗月姫ではあったが、この一件に学が関係しているのならば、当然美春も事情を知っているのだろうと解釈をし、日曜日に見舞ってくれたお礼から、和やかに話し合いの場は始まったのだ。 辻川邸のリビングに揃ったのは六名。 総司と椿、学と美春、そして紗月姫と神藤だ。メイドやお付きなどは全て部屋を出されたが、神藤だけは残る...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・12

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.09 (Fri)

 「学君は葉山グループの跡取りです! 葉山には学君しか跡取りが居ないのですよ!? その彼を“辻川に”などと、何を考えておいでですか!!」 人払いをしておいて良かった。総司は心からそう思う。 椿が厳しい女性である事は、総司の側近の誰もが知っている事だ。しかし、秀麗優美と誉れの高い妻の激怒した姿を、他人にはあまり見せたくはない。そんな素晴らしい特権は自分だけのものだとも思う。 なので総司は、目の前で憤りを露わ...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・11

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.08 (Thu)

  朝から紗月姫は、少々機嫌が悪かった。 いや、そわそわと落ち着かないあまり、気分が優れなかったというべきだろうか。 授業にも身が入らず上の空だ。元々躾の良い令嬢ばかりが集まるお嬢様学校、ただでさえ教師陣も“注意”などという物はし慣れてはいない。おまけに相手は辻川財閥の御令嬢。例え机の上に腰掛けて授業を受けていたとしても、注意を促して良い物か迷ってしまうだろう。 そんな立場的な物もあり、誰ひとりとして...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・10

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.07 (Wed)

 「大丈夫、美春さん? 喉渇いたろ?」 気遣う言葉と共に置かれたのは、少々大き目の湯呑になみなみとたゆたう緑茶。 美春の隣に座っていた一真が席を空けると、そこにお茶を持って来た本人が腰をおろした。「オレが淹れたんだぁ。美春さんが淹れるよりは美味しくないけどさ、涼ちゃん仕込みだからまぁまぁ上手いと思うよ」 そう言って笑う信は、頬杖をついていた美春の手を湯呑に添えさせた。 セルフで淹れられる茶道具で用意...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・9

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.06 (Tue)

 「学兄さんは、いつだってお姉ちゃんを大切にしてくれて、昔からお姉ちゃんだけ大好きで、どんな時も、どんな事があってもお姉ちゃんを一番に想って守ってくれた! お姉ちゃんを守って、絶対に泣かせる様な事はしないって言ってくれた学兄さんが、どうしてこんな事するのさ!」 美春は目の前の光景が信じられない。 一真が、暴力などという物とは一生無縁であるかのような弟が、学の胸倉を掴み引き上げて、今にも殴りかからんば...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・8

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.05 (Mon)

  もしかして学は、この為にこの店を選んだのではないだろうか。 美春はそう思わずにはいられなかった。 大きな和室は、もちろん綺麗な畳が敷き詰められている。畳の部屋という物は、何故か落ち着き安らげる雰囲気であると同時に、とても厳粛な気持ちにもなれるものだ。 ――土下座をするには、うってつけの場所ではないか。「一ヶ月、私情を優先させる勝手を、許して下さい」 そして、葉山の両親と光野の家族を前に、学はその正...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・7

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.04 (Sun)

  学が例の話をする為にセットした食事会の出席者は、学の両親、美春の家族、そして田島親子。 そこに学と美春を足した九名だ。 「話したい事があるから」という気になる前振りはあるものの、これに欠席を告げる者は一人も出はしない。 学が場所に選んだのは、葉山家がよく利用する和食割烹店。若者のセレクトなので洋風のレストランにでも席をとったのかと思っていた親達は少々意表を突かれたが、もしかして気を遣って落ち着い...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・6

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.03 (Sat)

  お互いを求め合い与え合って、快楽を貪った後の時間が好きだ。 それは、学も美春も同じ気持ちだろう。 愛しい人を感じた後なのだから、心も身体も幸せに包まれている時間だ。 だから出来れば、こんな話は避けたかった。けれど、それはしなければならない話だったのだ……。「誕生日パーティーの前日に、婚約者候補の話を紗月姫ちゃんにしておくらしい」 愛欲に溺れた後の気だるい身体をベッドに横たえ、学は美春を胸に抱いて、...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・5 *R18

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.02 (Fri)

 「そのまま……挿れ……、んっ!」 潤ったクレバスに沿って滑った情欲は、そのまま美春の秘めやかな蜜洞へ侵入を果たすかと思われた。 しかし入口の上で擦り付けられるだけで、なかなかナカへと挿入(はい)って来ない。「まなぶっ……」 美春の恨みがましい声と責める目が学に降り注がれる。ちょっと拗ねて怒った藍色の瞳もまた格別だ。その目に奮い立ち、やっとそれは与えられた。「あ、んっ、……ああっ、いっぱいに、なってる……」「...全文を読む

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第3章≪婚約破棄≫・4 *R高

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.03.01 (Thu)

 「んっ……ふっぅ……」 喉が切なく呻き、開かされた両脚がつい爪先立ちになる。 腿が浮くと縁に乗せられた双丘の谷間が開き、花芯への侵入を楽にした。 もちろん学は良いタイミングで訪れたチャンスを利用する訳だが、縁の上で開いた隙間から舌を入れられると、いつも双丘の間にひっそりと隠されている秘密の窪みにまで届いてしまう。 その部分を愛撫されると、何故か嬉しさより恥ずかしさを先に感じてしまう女性は、美春だけでは...全文を読む

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