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【  2012年07月  】 

第10章≪迷宮の天使≫・12

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.31 (Tue)

  神藤の意識が戻り、三日。 彼の回復を喜んだのは身内だけでは無い。 お付き仲間を始めとする辻川家の使用人は元より、統括本部などで共に仕事をしていた社員も同様だ。 当然見舞いの希望者も多いが、辻川総合病院の特別フロアは、辻川側親族他関係者以外の立ち入りを禁じている。 そうなると気持ちを表す手段として、見舞いの品や花などが大量に届けられる事になるのだ。「有難う。章太郎」 その言葉は、神藤に届けられた大...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・11

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.30 (Mon)

  手にしていたマウスを止め、美春はふぅっと肩で息を抜いた。 身体を反らして部屋の時計に視線を投げる。もうすぐ午前一時。それでもまだ眠れない自分が悔しい。 朝になれば仕事が待っている。週の始めだ、気を引き締めてかからなくてはならないというのに。 日曜日の夜は実家に戻り、四人で家族団欒の時を過ごした。楽しい気分のまま眠りに着こうと目論んでいたというのに、美春は一向に眠れない。 紗月姫や神藤の様子が気に...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・10

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.29 (Sun)

  藤棚の中で意識を取り戻したかと思われた神藤は、その後、再び眠りの中に落ちた。 しかし以前のように心肺機能の低下などは見られず、呼吸にも異常は無い。 本当に、ただ眠っているだけという状態だ。 いつ目覚めるのか分からない状態で、紗月姫は神藤の傍に付き添い続けた。 見守る様に。彼の傍に。 その姿は、まるで二人の主従関係が逆転してしまったかのようにも見える。 紗月姫の体調も特に大きな異常は無く、二人の繋...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・9

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.28 (Sat)

 「……あき、ら……?」 紗月姫の声が震えた。 ぼんやりとした半開きの瞼。温室に溢れる光を吸い込み、グレーに輝く瞳は間違いなく紗月姫を見ている。 安らぎを感じさせる、温かな双眸で。「煌、分かる? ……私が、……見えている?」 紗月姫は下腹部で支えていた神藤の手を胸に当て、両手で握り締めた。「見て……。私を見て……。目を閉じては駄目よ……」 紗月姫は必死になって神藤に話しかけた。彼の目は確かに彼女を見ている。しかし...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・8

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.27 (Fri)

 「煌……、藤よ……」 ゆるやかな優しい声で、紗月姫は神藤に囁きかける。「藤を見るのは、久し振りでしょう?」 ふわりと揺れた風が、紗月姫の髪を神藤の頬に垂らす。絹糸の黒髪を彼の頬から指先で拾うと、微かな体温が伝わってくる。それを感じて、紗月姫の胸はキュッと締め付けられた。「煌……」 左腕には点滴が施されている。紗月姫は神藤の右手を取り頬擦りをした。いつも彼がしてくれるのを真似て手の甲に唇を付け、そのまま下...全文を読む

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桜・18『世界一幸せです!』

恋桜~さくら~・3

2012.07.27 (Fri)

 「秘書をしていた時から、アプローチの強い人だった。負けず嫌いで気が強いから、他の女性秘書よりは長く持っていたが、一年前さくらを迎えると決めた頃に自分から辞めていったんだ」 説明をしながら、お仕事帰りのお土産に買ってきてくれた水羊羹を、一さんは自らお皿に移してくれた。 お仕事で疲れているのに、甘味の御用意をさせるなんてやっぱり申し訳ない。私はお手伝いをしようとソファから立ち上がりかけるけれど、すかさ...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・7

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.26 (Thu)

  どこから目を覚ましていたのかは分からないが、学は紗月姫が全てを悟っている事を前提に話を進める。「斉先生は、もしも君が望めば、君をずっと寝た切りの安静状態にしてでも妊娠の継続に尽力してくれるかもしれない。例え子供を、超低出生体重児扱いにしてでも産ませて、保育器の中で命の可能性に懸けてくれるかもしれない。けれどそれらは、途轍もなく大きなリスクを孕んでいる事だ。君にとっても、子供にとっても、そして斉先...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・6

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.25 (Wed)

 (誰…………) 紗月姫は白い闇の中で、うずくまる少年を見ていた。 膝を抱えて顔を伏せているのに、何故かそれが男の子である事が分かっている。歳はいくつくらいなのか、それは分からない。幼い様な、そうでは無い様な……。 ただ気になるのは、少年の髪。ふわりとした黒髪の癖毛。(煌……?) 髪型だけで断定付けてしまうのはおかしいが、何故か心に沁みてくる安心感が、少年を身近な存在であると紗月姫に認識させる。 そして、全...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・5

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.24 (Tue)

  紗月姫の質問は、とても酷な物だ。 永遠の愛を誓い合った二人。学と美春もまた、紗月姫と神藤のように、宿命で結ばれているというのに。 その美春に、学を失う例えを、紗月姫は問うているのだ。「――耐えられますか……?」 紗月姫は静かな声で美春を追い詰める。質問内容のショックからか、美春の涙は止まっていた。「もう、学さんの声を聞く事は出来ません。……あの腕で抱き締めてもらう事も、彼の体温を感じる事も出来ないので...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・4

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.23 (Mon)

  忌わしげな自嘲の笑みを浮かべる紗月姫など、今まで見た事があっただろうか。 彼女の表情に息を呑んだ美春だが、傍らの白百合に顔を寄せた紗月姫の表情は、すぐに和んだ。「……良い香り……。神藤もきっと、喜んでいるわ」 芳醇な花香を身体に通し、紗月姫の視線は神藤へと流れる。「でも、マスクをしていたら、白百合の香りも感じられないわね」 彼女の瞳はとても切なそうだった。章太郎の話では紗月姫に動揺は無かったとの事だ...全文を読む

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桜・17『私のままで良いのですね?』

恋桜~さくら~・3

2012.07.23 (Mon)

 「一さん……」 私は全身の力が抜けそうになった。 一気に緊張の糸が切れてしまったかのような脱力感。一さんに肩を抱かれていなければ、きっと崩れ落ちてしまう。 力が抜けた私の髪を、一さんはゆっくりと撫でた。「さくらは、妻としても女性としても、完璧だ。きっと、葉山の為に素晴らしい跡取りを産んでくれる。文武両道に長け、強靭な精神力を持った完璧な葉山の跡取りを」 いつだったか、「跡取りは男の子ひとりで良い」と...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・3

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.22 (Sun)

  ドアの前でネクタイを締め直し、章太郎は鍵を挿し込んだ。「お嬢様、失礼致します」 朝一番に、紗月姫の部屋を訪れ朝の挨拶を行うのは、十八年間神藤の役目だった。 彼が居ない今、代行を務めるのは章太郎だ。 部屋を訪れた時間、すでに紗月姫が起きてメインルームに居る時もあるが、まだ寝室で休んでいる場合もある。 そんな時は声をかけ、体調の確認を行う。もしかしたら体調が悪くて起き上がれないのではという懸念がある...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・2

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.21 (Sat)

 「今夜は、帰らなくてはならなくなったわ……」 ベッドに端に腰かけ、紗月姫は表情を変えない神藤に話しかけた。 下腹部に手を当て、ふわりと表情を和ませる。「あなたも、寂しい?」 まるで返事が返って来たかのように、掌が温かくなり、紗月姫は両手で下腹部を撫でた。「私も……、寂しいわ」 瞳は愛しい人を見詰め、心は精一杯の気遣いを見せてくれた大好きな女性を思い出す。脳裏に焼き付く哀しげな美春の頬笑みに、紗月姫は微...全文を読む

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桜・16『無駄な抵抗ですか?』

恋桜~さくら~・3

2012.07.21 (Sat)

 「お兄様のご機嫌が優れなかったのは、そういう事でしたのね……」 祥子さんの言葉に動揺した私とは違って、椿さんは毅然とした態度を崩さなかった。「そのお話をしたのは、昨日ではありませんか? 昨日は一日中お兄様のご機嫌が優れなかったようですわ。そんなお話を持ちかけられたのなら、御気分も悪くなるというものね」「話を通したのは日曜日よ。それも社長に直接。社長にだって御了解は頂いているわ。一さんにもお話を通して...全文を読む

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第10章≪迷宮の天使≫・1

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.20 (Fri)

 「どうぞ」 章太郎がドアを開ける。病室内の光が目に入った瞬間、苦しげに結ばれていた美春の唇は、偽りに笑んだ。「こんにちは。ご機嫌いかが? 紗月姫ちゃん、神藤さん」 明るく物柔らかな声が、広い特別室内に響く。窓から射し込む夕陽で穏やかな明るさに包まれていた室内だったが、美春の声は更に空気を活性化させた。「美春さん、ごきげんよう。来て下さって嬉しいわ」 アームチェアから立ち上がり、紗月姫は笑顔で振り向...全文を読む

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桜・15『怒ってますか?』

恋桜~さくら~・3

2012.07.18 (Wed)

 「さくらさんは、当家の跡取りの婚約者。未来の当主の妻です。その女性に、あなたは何の権限があって御意見なさっていますの?」 静かな気迫が、乱れた私の心を安堵に導く。 長い漆黒の髪を揺らし、堂々とした気品を漂わせた椿さんが、ゆっくりと近付いてきた。「大体、まだ平日の昼間ですわ。お仕事中ではありませんの? それとも、わざわざさくらさんに御意見なさる為に、抜けていらしたのかしら」 椿さんは祥子さんと顔見知...全文を読む

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桜・14『私が嫌いなんですね?』

恋桜~さくら~・3

2012.07.16 (Mon)

 「お客さん、さくらさんに、おかしな事言わないで下さい!」 茂さんも驚いたのだろう。祥子さんの言葉に口出しをして私を庇ってくれた。けれど、すぐに鋭い目で彼女から睨み付けられてしまった。「使用人は黙っていなさい! 私はさくらさんとお話がしたいのよ! 出て行きなさい、いつまでそこに居るの!」 その剣幕に、茂さんは言葉を失う。葉山の家で仕事をしていたって、こんな言われ方をした事など無いだろう。 かくいう私...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・15

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.15 (Sun)

 「美春様が聞きたくないという事でしたら、これ以上はお話しはしません。学様には御承知頂いているお話ですし、旦那様と奥様にも、医師チームが説明をしている最中です。――紗月姫お嬢様にも、意識が戻り次第、告知を聞くかの選択をしてもらうつもりです」 斉は美春に、穏やかに選択を迫った。 神藤の置かれた状態を知りたいか知りたくないか。しかしそれは、勘繰って考えるなら、「知りたくなかった」と思う可能性のある事実だか...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・14

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.14 (Sat)

 「……紗月姫ちゃん……」 慈愛に満ちた、優しい声が紗月姫を呼ぶ。「……泣かないで」 温かな指が、紗月姫の目尻から流れ出る涙を拭った。だが彼女の涙は、拭っても拭っても溢れてくる。「お願い……泣かないで」 泣かないでと嘆願しつつ、泣いているのは美春の方だ。 辻川総合病院、一族専用フロアの特別室。大きなベッドに寝かされた紗月姫に付き添い、美春はずっと起こった悲劇を思い出して涙を浮かべていた。 精神安定剤で眠って...全文を読む

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桜・13『学校は楽しいですか?』

恋桜~さくら~・3

2012.07.14 (Sat)

 「茂さんは、学校には行ったのよね?」 何気なく訊ねると、脚立の上で桜の様子を診ていた茂さんは、私を見降ろし不満を口にした。「さくらさーん、オレ、勉強嫌いで馬鹿ですけど、一応学校は出てますよ」「え? あっ、違うのよ、馬鹿にした意味じゃないの……」 両手を振り、慌てて否定をする。だって、本当におかしな意味ではなかったのだもの。どうしよう、私、失礼な事を訊いたのかしら……。 すると、焦る私を見て、茂さんはア...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・13

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.13 (Fri)

  ――――咲月は、復讐をする為に、紗月姫を狙っていたのではない。 最初から、神藤を狙うつもりで、ここへ来たのだ。 まことしやかに囁かれ続ける、天使のように美しいお嬢様と、見目麗しく忠誠心に溢れた騎士との関係。 それは絶対に間違いの無い物だと、咲月は感じ続けていた。従者に想いを寄せるという共通点が、真実を確信させていたのかもしれない。 辻川紗月姫を憎み、彼女を絶対に幸せになどさせないと誓った時、彼女に関...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・12

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.12 (Thu)

  階段を上りながら、スポーツバッグのファスナーを開いていく。 半分まで開き片手を入れ、目標を達成する為に必要な大切な物に触れると、少女の口元が微かに笑んだ。「なぁに? そんなに驚いて。いやぁね」 耳に飛び込んできたのは、憎悪のあまり聞いただけで全身の血が煮え滾りそうになる声。 おまけにその声は、とても幸せに満ちたトーンを含んでいる。 少女は階段を上がりきった場所で立ち止まり、壁に身体を貼り付かせて...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・11

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.11 (Wed)

  零落した成澤家。そんな我が身よりも、“彼”を失った事を恨んでいると言った咲月。 “彼”を失った原因は紗月姫にあると思い込み、紗月姫の不幸しか願えなくなってしまった少女。  もしも咲月が、復讐だけを考えているのではなく、“彼”の元へ行きたいとまで考えていたら……。 美春は、その、もしも、が辛くて堪らないのだ。 危険である可能性を考え、美春を置いて行こうとした学だが、彼女の思い詰めた様子を見て考えを変える。...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・10

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.10 (Tue)

 「いい香りですね」 今日は朝から、何度この言葉を聞いただろう。 午前中の早い時間に届いてしまった白百合の花束は、ずっと専務室に保管されている。 天井の空気清浄装置も罪の無い花香は見逃すのだろうか。広い専務室には、百合の芳醇な香りが充満している。しかし、不快なほど濃厚な香りではない。心地良く優しい香りであるが故、出入りする者は皆、同じ様に穏やかな心持ちになるのだ。「百合が、こういった香りである事も知...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・9

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.09 (Mon)

  美春は口が挟めなかった。 いくら自信があるからとはいえ、須賀の結婚時期にも関わってくる大切な事柄を、そんなにハッキリと口にしてしまっても良いものか。「そんなところまで決まっていたんですか。知らなかったなぁ。じゃぁ、クリスマスとか考えてみようかな」 学の言葉に安心したのだろう、須賀は終始照れ笑いだ。彼としては、目標がひとつ定まったのだから無理もない。 上機嫌な須賀を見送り、専務室で二人きりになると...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・8

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.08 (Sun)

 「ごきげんよう」「ごきげんよう。今朝はとても暖かですわね」 罪の無い、小鳥のような声が、白亜の校舎前に溢れていた。 送迎用の通路には次々と高級車が停まり、名家資産家のお嬢様達が降りてくる。 私立西海女子学園高等部の朝。世間の紛擾や事変も、ここではまるで別世界の話。温かく穏やかな清水の中で微笑み合うお嬢様達には、まるで無関係なのだ。  また、生徒皆が自家用車で登校してくる訳ではない。 タクシーやハイ...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・7

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.07 (Sat)

  悪阻(つわり)には個人差がある。 まったく無い人、起き上がる事も出来ないくらい重い人。眠気や胸やけ倦怠感、食の好みが変わったり、涙もろくなったりもする。 ただ全体的に言えるのは、初期は特に情緒不安定になりやすいという事。 そんな時、パートナーの対応や関わり方というものは、とても大切だ。 ただ、「構われるのも嫌なくらい具合が悪いんだから、黙って寝かせて!」という場合も無くはない。 今のところ紗月姫...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・6

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.06 (Fri)

 「執事側に、令嬢を想う気持ちがあったのかどうかは分からない。ただ単に、身体を繋ぐ為だけの相手だったのかもしれない。だが、令嬢側に気持ちはあったようだ。彼をとてもお気に入りにしていたらしく、時々あまりにも態度があからさまで、周囲も見て見ぬふりだったらしい」 椅子をクルリと回して立ち上がり、学はゆっくりと美春に近づく。「生徒会室での爆破事件で、現場から運び出された一体の骸に、半狂乱ですがった少女がいた...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・5

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.05 (Thu)

  しかし、すぐに返事は出て来なかった。 下腹部に当てられた神藤の手から優しさと愛しさが沁み込んで来るように、その部分だけが妙に熱い。 意識をすると、その部分に不思議な想いが湧き上がってくるようだ。 だが冷静に考えて、“その可能性”が無い訳ではない。 “二人の繋がり”が、ここに居るのだと。「不思議ではないよ。可能性は充分にある」 神藤の台詞に、紗月姫は頬を染めた。まさか自分がこんな事に……。いや、いずれは...全文を読む

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第9章≪淘汰される愛≫・4

理想の恋愛 完璧な愛・第11部

2012.07.04 (Wed)

 「すいません、有難うございます。いや、ホント、申し訳ないです!」 ガッシリとした恰幅の良い身体が何度も折れる。 専務室のソファに座り、大きな身体を恐縮させた柳原は、美春が淹れたコーヒーの前で繰り返し頭を下げた。「そんなにかしこまらないで、柳原さん。大変だったのは柳原さんの方だったんだし。ねっ?」「お嬢さん……っ」 美春に優しい言葉をかけられ、感動屋の彼はついつい涙腺が緩む。気持ちも緩むあまり、就業時...全文を読む

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