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【  2012年10月  】 

第3章10(初日の緊張)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.30 (Tue)

 「お疲れ様です~」 前方から風が吹いてくる。とはいえここは外ではない、三十四階の休憩所だ。窓を開けたって、美春が座っているテーブルに風は当たらない。「大丈夫ですかぁ、こーのさんっ」 人懐こい爽やかな声。腕を伸ばして突っ伏していたテーブルからひょこっと顔を上げると、美春を覗き込む笑顔がそこにある。「クッキー食べますか? これ、悠里ちゃんが作ったんですよ。美味しいですよ~」 恋人の手作りクッキーを自慢...全文を読む

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第3章9(癒しの紅茶)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.29 (Mon)

 「本当に朝食はよろしいのですか?」 アイスティーのグラスをふたつテーブルに置き、トレイを胸にさくらはにこりと微笑んだ。「長旅で身体もお疲れなのかしら。でも、こちらに着いたのは昨日今日ではありませんわよね」 内密のうちに現地入りしたアランを責めているようではあるが、その口調に不快なものはない。勿論アランは声を上げて笑った。「長旅の疲れは、たっぷりホテルで眠ったので取れていますよ。今日は朝から蒸し暑い...全文を読む

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第3章8(目標とする女性)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.28 (Sun)

 「週末に準備はしてあったから、資料も揃えてあるし……、会議室に運んでおいた方が良いですね」 ファイルを抱えた美春が踵を返す。まずは視察スケジュール通りに予定を進めても良いか確認を取らなくてはならないが、その後の会議に備え、重役用会議室に指定されていた資料を運ぼうとしたのだ。 しかし彼女の足は前には進めなかった。それどころか、持っていたファイルを全て落としてしまったのだ。「せ、専務? ……学?」 それは...全文を読む

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第3章7(心強い援軍)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.27 (Sat)

 「いくら心待ちにしていた社長にお会い出来たからといって、いきなり抱き付いては失礼だろう。外国のお客様とはいえ限度がある。分かるね?」「は、はい、……申し訳ありません……」 有無を言わせぬ櫻井の押しの強さに、美春はただ呑まれるだけだった。 美春から抱き付いたのではないのだから、櫻井の言い分は間違っている。いつもの美春ならば「私、そんなことしません!」と反抗をしただろう。だが彼女は、敢えてこの言いがかりを...全文を読む

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第3章6(アランの正体)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.26 (Fri)

 「……社長?」 美春は目をぱちくりとしばたたかせ、学からアランへと視線を移した。「社長って……、まさか……」 目の前にあるアランの頬笑みを凝視する。心の中にとある予想が広がってはいるが、「まさか?」という考えも拭いきれない。 だが学は、美春の「まさか」を確信へと導いた。「美春君、いきなり失礼だよ、離れなさい。分からないのかい? ロシュティス社のアラン・ルドワイヤン社長だ」 美春は息を呑み、目を瞠った。(...全文を読む

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第3章5(新婚・櫻井家)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.25 (Thu)

 「お仕事戻らなくていいの?」「いい」「光野さんに見つかったら、『私にはうるさいくせにぃ』って拗ねられるわよ」「拗ねさせとけ」「さくらさんに見つかったら、無言でにっこりされるわよ? 『微笑ましいわねぇ』って」「……それは怖いな」 美春には何を言われても鼻であしらえる。しかし、相手がさくらとなるとそうはいかない。 葉山グループ会長を崇拝し、その第一秘書であるさくらを尊敬する彼、櫻井陸都。会長付きの秘書事...全文を読む

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第3章4(異国の人)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.24 (Wed)

 「そういえば、先週来る予定だったんだっけ……」 外を眺めながら、柳原はひとりごちる。 外国の製薬会社が視察にやってくる話は彼も知っている。相手会社の社長が視察で移動の際は、警護に当たるように言われているからだ。(いつ来るんだろう……。今日にでも分かるかな……) 来社日が気になってしまうのは、やはり予定に合わせてシフトを入れ替えなければならない立場だからだ。とはいえ、日中のシフトで固めておけば間違いはない...全文を読む

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第3章3(新婚・柳原家)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.23 (Tue)

 「おはようございます! 早朝出勤、お疲れ様です!」 “朝からしんどいなぁ”、“週明けから忙しいなぁ”、休日明けの仕事は何故か気が重い。そんな経験を、誰しもが持っているのではないだろうか。 だがそんな気分を一掃してくれる人物が、この葉山製薬本社ビルには存在する。「元気だねぇ警備員さん、朝っぱらから」「はい! 自分、それを自慢にしております!」 彼の元気の良さに、微妙な嫌味が出てしまった中堅男性社員。しか...全文を読む

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第3章2(ふたりの関係性)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.22 (Mon)

 「お電話、長かったのね。何かあったの? 私、お食事終わっちゃったわ」 一緒に食事をとれなかったと拗ねたふりをして見せるさくらに、一は笑顔で弁解を始めた。「すまない。父上からだったのだよ」 夫婦揃っての朝食を邪魔したのは、学の祖父に当たる一の実父だったらしい。 今は相談役として葉山グループに籍を置き、郊外にある葉山の別邸に、夫婦ふたりと数人の使用人で暮らしている。 美春は葉山の祖父母にも可愛がられて...全文を読む

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第3章1(望まれる娘)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.21 (Sun)

 「このお茶、美春ちゃんが淹れてくれたの?」 嬉しそうに微笑む彼女を見て、相変わらず愛くるしい女性だと、美春は思う。「はい。食後のお口に合えばいいんですけど」「いやぁね、合わないはずがないでしょう? とても美味しいわ」 葉山邸の食堂。朝食を終えた葉山さくらに食後のお茶を運んで来たのは、一足先に朝食を終えていた美春だった。「これから出社なのでしょう? ごめんなさいね、行きがけに」「学が、車の件で整備の...全文を読む

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第2章10(至福の時間)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.10 (Wed)

 「それで拗ねていたのか」 呆れながらも、口元はほころんでいる。 紗月姫の御機嫌が悪かった理由を聞いた学は、棚から見慣れないレアチーズのデザートを手に取り、商品概要に視線を移した。「可愛いでしょう? 私、笑っちゃいけないと思いながら口元が歪んで止まらなかったわ。……あっ、学、こっちのロールケーキ、新発売だ」 こちらも見慣れないロールケーキに目を付け、手に取る。ふたりで「うーん」と商品を見比べるが、当然...全文を読む

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第2章9(御機嫌斜めのお嬢様)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.09 (Tue)

 「お久し振りで御座います。学様、美春様」 わざわざ邸の外へ出て車を出迎えてくれたのは、紗月姫のお世話役、神藤煌だった。 何ひとつ変わりの無いダークグレーのスーツ姿。曲った様を見た事が無いネクタイは、今日も紗月姫への忠誠心かのごとく硬く首元で結ばれ、誠実な彼の引き立て役を務めている。 彫の深いエキゾチックな顔立ちは、涼しげな目元が時折空恐ろしいほどの威圧感を放つが、通常その雰囲気を和らげてくれている...全文を読む

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第2章8(ベランダから王子様)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.08 (Mon)

  カタン……カタ……カタ……カタン……。 そんな、とても小気味の良い足音のリズムと共に、彼はいつもやってくる。「……学……?」 自分の部屋で、エリに半分貰った薔薇を花瓶に挿していた美春は、手を止めて、半開きになっているテラス窓を振り返る。 サイドチェストから離れると、窓の外に見える夜闇の中にふわりと人影が横切り、当然のように両開きの窓が開いた。「ごきげんよう。姫」 ちょっと気取った口調。夏の夜の温かな風が揺ら...全文を読む

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第2章7(謎の外国人)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.07 (Sun)

 「エリ……」「あっ、あ……あの……」 美春は硬直したまま動けなかった。 彼女を胸に抱き込むこの異国の紳士は、間違いなく人違いをしている。それは、彼が再度呟いた「エリ」という言葉からも明白だ。(おっ、お母さんと間違われてる!?)  美春はよく、エリの娘時代に似ていると言われる。写真を見せてもらった事もあるが美春自身も良く似ていると思った。その点は、父の大介のお墨付きだ。 だが、若い頃の姿を見比べるならともか...全文を読む

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第2章6(一真の動揺)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.06 (Sat)

 「いい? 絶対だよ、絶対父さんが帰ってくるまで、どこへも行っちゃ駄目だからね!」 散々念を押し、美春には外出を禁止しながらも、自分は晶香とのデートへ出かけてしまった一真。(何なのよ……、もぅ) 文句というより、美春は少々呆れていた。 学と金曜の夜を過ごし、思い切り幸せな寝坊をした土曜日。 ひと泳ぎの後にブランチを取り、ホテルを出たのは午後だった。 日曜の夜は翌日の早朝出勤に備えて葉山家で過ごす予定な...全文を読む

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第2章5(須賀の事情)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.05 (Fri)

 「まっ、学だって、デート中に邪魔が入るのは嫌でしょう? そんな仕事で須賀さん取られたら、悠里さん、泣いちゃうよっ」 泣いちゃうは言い過ぎかもしれないが、しょうが無いとは思いつつも切なくはなるだろう。 市橋悠里は須賀の恋人だ。クリスマス・イブ前日の十二月二十三日に結婚式の予定を立てている。 彼女はカフェ店員なので、普通の会社員のように“週末”という言葉にあまり恩恵はないが、それでも須賀に合わせて週末な...全文を読む

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第2章4(ロシュティス側の理由)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.04 (Thu)

 「ど、どうしてお父様……、社長からそんな連絡が来たの……? 私のところには、中止になったから週明けに連絡する、としか来てなかったのよ。その後も、今日一日はずっと連絡が取れなくて……」 学の下で美春は慌てる。 この件は学の仕事であり、ロシュティス側の担当である社長からの意向を聞く為に、秘書と密に連絡を取り合っているのは美春だ。 その美春のところへは、早朝に視察中止の連絡が入ったのみなのだ。  週明けとはい...全文を読む

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第2章3(綺麗な背中)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.03 (Wed)

 「そうですね……。はい、メールを入れてみます。返事次第で、それなりの対応を……」 学の口調から、何か深刻な事態だという事は分かった。 スマホを取る前、「父さんからだ」と呟いたのを聞いて、美春は刹那、首を傾げた。デート中に電話がかかってくるなど珍しい。 ベッドの中でじゃれ合っていた途中で、美春が「お腹すいた。部屋にあった巨峰食べたい」と我儘を言ったので、学がメインルームから取って来てくれた。「剥いてあげ...全文を読む

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第2章2(深夜の訪問者)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.02 (Tue)

 「うん、だからさ、母さんの知り合いなのかなとも思ったんだ。家に来る約束をしていたとか」「知り合いがいない訳じゃないけれど、来る予定の人なんかいないわよ?」 エリはフランス人の父と日本人の母を持つハーフだ。日本で生まれた彼女は三歳までを日本で、その後十年をフランスで過ごし、十三歳で日本に戻った、いわゆる帰国子女なのだ。 美春と一真はクォーターという事になる。子供ふたりの栗色がかった髪と真っ黒ではない...全文を読む

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第2章1(エリの呟き)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2012.10.01 (Mon)

 「午前様になるのかなぁ……」 ポツリと呟いた声はテレビの音が吸いこんでいく。特に誰かに聞かせたい訳ではない。リビングの中には、いや、光野家自体に在宅しているのは、今現在彼女のみだ。 壁掛け時計が指し示す二十三時を確認して、光野エリはカスタードクリームが付いた指先をぺろりと舐める。「んふっ、甘っ」 シュークリームの甘さに幸せを感じて微笑む表情には、娘時代のような可愛らしさが漂う。彼女は世間でいうところ...全文を読む

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