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【  2013年01月  】 

第9章4(愛しさと桜と)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.31 (Thu)

 「専務を信じて、おかしなことは考えないように。良かれと思っての先走りは、教育係の僕が絶対に禁止をする。上司の指示だ、きいてもらうよ」「係長……」「言うこときかなかったら、もう、ドーナツ買ってやらない」 美春は浮かび上がってくる涙を止めることができなかった。 会議室での一件を、知っている者も知らない者も、どれだけ美春を気にかけてくれているか……。 痛いほど、辛いほど、申し訳ないほど、それが分かる。 美春...全文を読む

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第9章3(ムードメーカー)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.30 (Wed)

 「分かりました」 冴子の心遣いに応え、学は快く了解をした。「明日明後日も様子がおかしいようなら、主治医の診察を受けさせます。確かに、最近過度の緊張で疲れ気味だ」 勝負をかけたこの仕事で、過度の緊張や気遣いを強いられていたのは学だって同じだ。彼は背負っているものが大きい分、美春のそれとは比べ物にならないほどのプレッシャーを抱えているはずなのだ。 お茶をひと口すすり、「ホッとするな」と笑いかけてくれる...全文を読む

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第9章2(異常反応の原因)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.29 (Tue)

 「はい、どうぞ。飲める?」 労わる声のトーンは美春の緊張を解き、差し出された緑茶の香りは、ほんわりとした安心感を与えてくれる。 その心地良さに、美春は再び脱力して倒れそうになってしまった。「有難う……ございます。冴子さん……」 それでも、倒れずに冴子から緑茶が注がれたマグカップを受け取れたのは、学が背中を支えてくれていたからだろう。「可愛い光野さんの口が火傷しないように、一生懸命湯ざまし振って冷ましま...全文を読む

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第9章1(動き出す歯車)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.28 (Mon)

  ――――秘書を、交換しましょう。 美春の耳の中で、いつまでもその言葉は響き続けていた。 言葉の意味を、頭は何度も繰り返し理解しているのに、それを間違いなのだと思い込もうとするかのように、再確認をも繰り返す。 だが、何度確認しても同じ。そして、そこにある真実も変わり得ない。 アランが望んだのだ。 美春とグレースを交換し、美春がアランの秘書となることを。――それと同時に、“妻”になることを。 それが、提携を...全文を読む

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第8章10(愚かな運命の悪戯)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.15 (Tue)

 『笑え……、グレース……』 失神して動かないグレースの顎を掬い、アランは彼女に話しかけた。『笑え……、あの頃のように……』 アランの記憶の中で、ひとりの少女が微笑む。 綺麗な金髪を揺らし、可愛らしい唇で彼の名を呼び、清らかな愛情を向けてくれたグレース。『……笑え……』 叶わぬ願いでも、アランは時々それを願う。 ブラウンの瞳を哀しみに潤ませながら。 十七年前、その才能と異質さから関係者に疎まれることもあったアラ...全文を読む

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第8章9(宝物だった少女)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.14 (Mon)

 『グレース……?』 大きく痙攣した後、動かなくなった彼女を肌の下に感じ、アランはうつ伏せになっていた身体を上げた。 衣服を全て剥ぎ取られた身体は、辛うじて上がっていた腰をガクンッと落とし、クローゼットの床に伸びる。『……失神したか』 アランは大きく吐息しながら立ち上がり、マジックミラーから、メインルームのテーブルに置いてあるデジタル時計を盗み見る。 クローゼットへ入り込み、攻め立てるようにグレースを蹂...全文を読む

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第8章8(恐ろしい過去の足跡)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.13 (Sun)

 「勿論、状態も想いも違うでしょう。ですが、莫大な金額が動き、ひとりの少女が手元へやってきた。それは、お父さんと同じです」 調査書を手に考え込む一に、学は断言する。「お父さんはお母さんと愛し合うようになりましたが、社長とグレースさんは不思議な主従関係で結ばれてしまった。元々は仲の良い幼馴染で、十歳年下のグレースさんを、社長は可愛がっていたそうです。彼女も、よく懐いていたと」 土下座をさせ、一を罵倒し...全文を読む

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第8章7(十七年前の悲劇)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.12 (Sat)

 「痛みは引いたか?」 学に問いかけられ、美春は照れ笑いを浮かべながら、斜め向かい側の椅子に腰を下ろしている一をチラリと見る。目が合いニコリと微笑まれ、余計に恥ずかしくなって赤い顔のまま目を逸らしてしまった。「ぅ、うん、ごめんね、もう大丈夫だと思う」 専務室のソファに脚を乗せて横座りになっている美春は、両足首から下を、タオルで巻いた不凍ゲル保冷剤で冷やしていたのだ。 会議室で紅茶を落としてしまった際...全文を読む

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第8章6(引き換え条件)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.11 (Fri)

 『すぐに、抗体をスイスの研究室から送らせます』 ホテルへ戻ると、グレースは早速アランに申し出た。 送ってもらった車は葉山製薬の社用車で、運転手も会社に雇われている人間だ。例え些細なことも口にするなとあらかじめ言われていたので、この件に関する話は一切できていない。 大企業のトップに土下座までさせたのだ。アランは間違いなく次の来社時、抗体を一に渡すつもりでいるだろう。 そう思っての措置ではあったが、そ...全文を読む

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第8章5(イジワルで優しい彼ら)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.10 (Thu)

 「すいません、係長、全部拾わせてしまって……」 櫻井が会議室を出ようとした時、学の腕から離れた美春が慌てて駆け寄った。 破片が乗ったトレイを受け取ろうとしたが、彼は片手で頭上へと掲げ、美春の手を拒否する。「割れていて危ないから、僕が処理をしよう。光野君は専務の傍にいなさい」「係長……」 時々見せてくれる優しさに感動するものの、顔を覗き込むように近付けた櫻井は、美春だけに見せるようニヤリと笑う。「ラム・...全文を読む

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第8章4(立ち去る者の遺恨)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.09 (Wed)

 『いい男だな』 ドアが閉じ、学の姿が消える。エレベーターの微かな下降音に身体を委ね、アランはドアを見つめたまま独りごとのように呟いた。『頭は良いし、お愛想笑いは抜群に上手い。おまけにあの器量。一企業の跡取りにしておくには惜しいほどのイイ男だ。そう思わないか?』 エレベーターの中には、彼の他にグレースしかいない。 返答すべき立場を承知し、グレースは当たり障りのないところに触れる。『そうですね、頭は良...全文を読む

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第8章3(見送れない理由)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.08 (Tue)

 「状況が……、似ているからかな……」 信から受け取った調査結果の封筒を小脇に、学はエレベーターの中でひとり考え込んだまま三十四階へと向かった。 いつもながら信の仕事は早くて的確だ。満足のいくものであるはずなのに、何か今回は後味が悪い。 ――何となく、分かりかけてきたのだ。 アランが、研究の被験者を美春からさくらにしてしまった理由が。 三十四階へ到着し、エレベーターのドアが開くと、そこで待っていたふたりを...全文を読む

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第8章2(止まらない涙)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.07 (Mon)

 「そんなことはありませんよ。ルドワイヤン社長」 だが一は、自分の為、そしてさくらの為に、アランの希望通りの返事はしなかった。「さくらはとても物分かりの良い素直な少女でした。自分の置かれた立場をしっかりと分かっていた。あの頃は、かえって私の方が排他的だったのかもしれない。さくらに優しい気持ちをもらって、人間らしい心も貰った。……彼女は、出会った時から、私の宝物ですよ」 土下座をさせられ、その姿を部下と...全文を読む

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第8章1(驚愕の光景)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.06 (Sun)

 「会議を中断して見てもらった価値はあったか?」 疑問形ではあるが、価値あると判断したからこそ、信は学を訪ねてきたのだ。当然、彼の口調は自信に溢れている。 だが、すぐに学からの肯定は返ってこない。信から渡された調査書を見つめ、眉をひそめているばかりだ。「仕事には関係がないのかもしれないが、……オレは、逆恨みにも似たものを感じた。早めに知らせておくのが得策だと判断したんだ」 ビルの裏口を出た場所で立ち話...全文を読む

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第7章10(綺麗な土下座)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.05 (Sat)

 「なに……をっ……!」 驚きのあまり頓狂な声をあげてしまったのは櫻井だった。 冷静な彼らしくはないが、これが面食らわずにはいられるものか。 尊敬をする会長に、土下座を強いている人間がいるのだ。それも、断り難い引き換え条件のもとで。 言われた一は、無表情でアランの言葉を待っている。彼に動揺の様子は見られないが、櫻井だけは握り拳を震わせていた。 顔色どころか、驚きのひとつも見せない一に冷たい視線を送り、ア...全文を読む

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第7章9(直接交渉)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.04 (Fri)

 「存じませんでした……」 冗談とも本気とも捉え難い話だ。しかし、一応反応を示した櫻井に、アランは笑顔で人差し指を口元に当てた。「トップ・シークレットだよ?」 どこかからかっているような彼の態度が、櫻井のプライドに障る。しかし過剰な反応を示す訳にはいかない。櫻井は嫌味にならない程度の苦笑いを浮かべ、アランの真似をして人差し指を口元に当て頷いて見せる。 するとその時、ドアにノックの音がした。 美春が戻っ...全文を読む

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第7章8(水面下の攻防)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.03 (Thu)

 「お心遣いを頂き、恐縮です、社長」 不気味な戦慄に言葉が出なくなった美春だが、学は当たり障りのない対応に勤めた。「息子の立場としても感謝を致します。そんなに気にかけて頂けるなんて、母も幸せでしょう」 アランは小首を傾げ、肘をついた腕の指先をこめかみに当てる。体裁上あがった口元は、学の反応を楽しんでいるようにも見えた。「母にも、優秀な主治医と医療関係者が付いています。今は、まず彼らに経過を委ねたいと...全文を読む

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第7章7(危険信号)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.02 (Wed)

 「そうですか、有難うございます、斉先生」 礼を口にはするものの、その後溜息と共にスマホを戻した一に、柵矢が気遣いの声をかけた。「さくらさんですか? 御様子は如何でした?」「ああ、相変わらずだ。あまり良くはないようだが、悪くなっているわけでもない。平行線だよ」 気にかけていたさくらの様子を聞き、柵矢にも溜息が移る。彼は感慨深げにさくらを思いやった。「そうですか……。思えば彼女は、会長の秘書になってから...全文を読む

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第7章6(バスルームの休息)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.01.01 (Tue)

 「お父様は、明日帰ってくるのよね?」 問いかけると、返事の前に温かな湯を地肌に感じる。 すすぎ湯が顔に流れてくることはないのだが、条件反射的に瞼を閉じ、美春はシャンプーの泡を流してくれる学に従った。「ああ、飛行機の予定から考えると、夕方には会社へ戻るんじゃないのかな」「それまでに、お母様の目が覚めると良いわね……」 手桶から静かに落とされていた湯が一瞬止まってしまい、言わないほうが良かっただろうかと...全文を読む

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2014年配信作品(14作)

● Work・電 子 ●

2013.01.01 (Tue)

 ●配信開始日降順で表示しております● **********『自堕落なアタシ 生真面目なアナタ・5~完結編~』(2014/12/18~配信中) (ネットワーク出版・フレジェロマンス文庫・400円+書店により税) (カバーイラスト 桐矢 様) *画像はパピレス様にリンクしています。 ★あらすじ★*** ――クリスマス・イブ、結婚記念日に訪れる最高の幸せ。自堕落女と生真面目男の、甘くて苦い大人のラブストーリー。ファイナル!―― ...全文を読む

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