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【  2013年02月  】 

第10章10(疑惑を生んだあの日)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.27 (Wed)

 『また間違っている。私は“エリ”よ。“シェリ”じゃないわ』 そう言ってはぐらかすのは、何度目だろう。 罪のない笑顔で薔薇を受け取りながら、エリは思う。 講師を務める日本語スクールでも、プレイボーイで有名だったアラン。著名な学者一族の長男で頭も良く、そのころはまだ成長過程の名残としてブラウンの髪に金髪が混じっていたせいか、「王子様みたい」と小さな少女から年配の女性にまで人気があるハンサムな少年だった。『...全文を読む

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第10章9(敵地での出迎え)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.26 (Tue)

 「美春……」 自分を哀れとしながらも、そこから抜け出そうとする美春を、学は運転席からタクシーが見えなくなるまで見送っていた。 その姿が完全に見えなくなると、彼はおもむろにスマホを取り出す。「さて……、須賀さんに連絡して、始めるか……」 頭の中で彼の計画が数式のように組み合わさり、最良の方法を打ち出していく。執行する為に須賀へ連絡を取ろうとしたが、予想外の着信に遮られた。 学は相手を確認し、待っていたと言...全文を読む

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第10章8(信じ合う心)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.25 (Mon)

 「お待たせ、美春。――ん? 電話か?」 買い物を終えた学が、運転席へと乗り込んできた。美春がスマホを耳に当てているので電話中を問うが、彼の問い掛けは動きと共にそこで止まる。 美春が、怯えた目で学を凝視したからだ。 温かみを取り戻したはずの顔は再び青ざめ、いつも可愛らしく赤みを差す唇まで色を失っている。「美春……? どうした? 何の電話だったんだ?」 彼女に触れようと伸ばした手を、美春は身体を引いてかわ...全文を読む

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第10章7(悪戯の痕)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.24 (Sun)

 「でも……、親交はあったのですよね……?」 美春に疑問が湧きあがる。話をしたのではないとは、どういうことなのだろう。『ええ、もちろん、“わたし”を見て頂いたわ。見た目より、思うより、マナブは素晴らしい“男性”ね。彼なら、ボスとして従っていけそう』 何かおかしな予感に、美春は出るべき言葉を失っていく。すると、クスクスと小さな笑い声が聞こえてきた。『それにしても、ミハルも、見かけによらず情熱的なことをするのね...全文を読む

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第10章6(お互いの親交結果)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.23 (Sat)

 「いらっしゃいませ。おはようございます、葉山さん」 コンビニに入ると、爽やかなクルーの声が学を迎えた。 高級住宅街の入口に建てられているこのコンビニは、ほとんどの客が周辺住民だ。勤務が長いクルーなどは馴染みとなり、常連客が来ると親しげに名前を読んで接客してくれる。また、接客も客層に合わせ、“元気で素早く”より“明るく丁寧に”をメインとしているようだ。 学も笑顔で「おはようございます」と返し、店の奥へと...全文を読む

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第10章5(学の慰め)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.22 (Fri)

 「学は、どうしてここにいたの?」「ん?」「私、先に帰ってもらった柳原さんにも、どこに行くとは言わなかったのよ? 社長の所を出てから、先に帰ってとは言ったけど……。学が柳原さんに、私が別行動になったって連絡を受けたんだとしても、どうしてここにいるって……」 すると学は、ニッと笑って美春の頭を引き寄せ、彼女の耳の後ろで鼻を鳴らした。「美春の匂いがしたんだーぁ。この、あまーくてイイ匂い」「くっ、くすぐったい...全文を読む

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第10章4(幸せを壊す人)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.21 (Thu)

 「美春……、みは……」 美春が飛び出して行った後の光野家には、嗚咽を堪えようとするエリの呟きが、長い間響いていた。 玄関に座り込み顔を伏せたまま、エリは動けない。あまりのショックに、美春を追うどころか立ち上がることもできないのだ。 そんなエリの横で、一真も立ちすくんだままだった。 本当は美春を追いかけたかったのだ。姉は気持ちが動転するあまり、冷静に物事が受け入れられなくなっている。追いかけて連れ戻して...全文を読む

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第10章3(哀しい怒り)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.20 (Wed)

 「酷い……、お母さん、酷いよ……」 止めどなく溢れ出す涙をどうにもできないまま、美春は目の前で、過去に苛まれる罪人のような表情をするエリを見据える。「いくら……、お父さんが仕事でいなくて、寂しかったからって……」「……美春」「お父さんを裏切って……、家族を騙して……、今まで、ずっと……」「違うの……、美春……」「バレなきゃいいって思ったの? ……アランが現れなきゃ、……このままずっと、知られる心配なんてなかったもんね……」...全文を読む

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第10章2(罪深い確認)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.19 (Tue)

 「あれぇ、どうしたの、お姉ちゃん、仕事は?」 偶然にもエリと同じ台詞を口に、二階から階段を下りてきたのは一真だった。 彼はこれから大学へ行くところだったのだ。部屋を出たところでドアが開閉する音が聞こえたが、その前にドアチャイムの音もしている、なので、配送関係の業者だろうと思いこんでいた。 階段を半分下りたところで目に入ったのは、玄関に立つ美春と、薔薇の花束を抱えたエリの姿。 週明けの早朝出社に備え...全文を読む

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第10章1(応接室の親交)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.18 (Mon)

 「残念でしたね。葉山専務」 グレースが含み笑いと共に吐いた台詞を、学は同じく、含み笑いを持って返した。 まるで彼女が、そう言うであろうことを悟っていたかのように――――。「本当なら、ミハルに同行させるのは、あのガードマンではなく、見るからに腕の立ちそうなサクライを指名したかったのでは? 同行……いいえ、ボディガードとして」 アランの元へ美春を赴かせるには、ボディガードが必要。グレースは学に「アランを信用...全文を読む

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●『白衣と眼鏡と、チョコよりキミ!』(2013バレンタインSS)

恋のエトセトラ

2013.02.15 (Fri)

 「西郷先生、これどーぞ」 甘えた可愛らしい裏声を出す女子生徒の手にあるのは、ピンクのペーパーでカラフルにラッピングされた包み。それも、ふたり並んだ女子は、全く同じ物を差し出している。 差し出した瞬間、横目でお互いを牽制し合ったふたり。一緒にバレンタインのチョコを買いに行く親友関係ではあるが、今だけはライバル同士なのだという心情が窺える。 そんな少女達の気持ちがささくれる前に、西郷毅(さいごうつよし...全文を読む

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第9章10(冷たい疑惑)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.06 (Wed)

 「何を、馬鹿な……」 微かに出した声は、震えて言葉にならない。 蒼白になった美春の頬を、アランの指先が撫でた。「幼いミハル美春を見た時、僕がどんなに嬉しく、そして切なかったか分かるかい……? 涙を呑んで別れ、そして今、こんなにも綺麗な娘に成長した君を見て、どんなに嬉しいか……」 美春は飛び退くように一歩引き、吃驚しながらも彼を否定する。「ば……馬鹿なこと言わないでください……。母が……そんなことをするわけがな...全文を読む

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第9章9(アランとエリの過去)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.05 (Tue)

 「よく来たね、ミハル」 アランの歓迎は爽やかだ。両腕を広げ速足に歩み寄ってくる様は、どれだけ彼が美春の到着を待ち侘びていたのかを知らしめる。 そして彼は、その爽やかさを保ったまま、傍らの柳原へ声をかけた。「やぁ。警備員の彼はボディガード代わりかな? 余程僕は信用されていないようだ。僕の秘書はひとりで出向いて行ったというのに。でも、申し訳ないが外してくれるかい? 大切な仕事上の話なんだ。ドアの前で待...全文を読む

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第9章8(始まりの朝)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.04 (Mon)

 「おはようございます。専務、光野さん」 葉山製薬本社ビル。朝のエントランスに響く柳原の元気な挨拶は、最早名物だ。 シフトの関係で必ずしも彼が毎朝立っているわけではないが、それでも、週明けの月曜日の朝に彼の姿が見えただけで、仕事始めの気合をもらえる気持ちになってしまう。 学や美春も、彼の快活さがお気に入りだ。 それなので、彼の挨拶がどこか元気がないと、それだけで驚いて立ち止まってしまう。 それが、今...全文を読む

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第9章7(特別な愛情)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.03 (Sun)

 「つまりさぁ、“もしも”を避けるなら、簡単にエッチしちゃいけない、ってことなんだよね?」 学が胡坐をかいた片膝に腕と頭を預けてうつ伏せに寝そべっていた美春は、キレが悪いながらもやっとそれを口にした。 昼間、斉に説明を受けた時からずっと口に出したかったが、ことがことだけに、なかなか確認ができずにいたのだ。「ん?」 学は一瞬、何の話だとでも言いたげに膝の美春を見下ろした。 就寝前のリラックスタイム。パジ...全文を読む

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第9章6(もしも、の期待)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.02 (Sat)

 「何? 皆が忙しくなったり、美春が相変わらず大変そうなのって、アランのせいなの?」 美春とさくらの話を横で聞きながら、エリは小首を傾げた。 立場的に、エリはアランと知人関係にある。母の知人に困らされているなどという事実は、限りなく口に出しづらいものだ。「いや、あの……そういうわけじゃなくて、ほら、最後の仕上げだから、皆忙しくなってるだけ……」「冗談抜きで、私『美春をよろしくね』って念を押しておこうか?...全文を読む

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第9章5(行く末の不安)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.02.01 (Fri)

 「家に帰っちゃ駄目なのかしら……」 十日近く眠っていたわりには、悪気なく無理を口に出すさくらを前に、美春とエリは良く似た顔を並べてキョトンっとしてしまった。 それを見て思わず笑ってしまうのはさくらだ。ベッドのリクライニングに凭れかけていた上半身を前に屈め、横一直線に並ぶふたつの顔を覗き込む。「何おかしな顔で驚いてるの?」 呆気にとられた同じ顔は、同時に眉を寄せ彼女を責めた。「だって、お母様がっ」「そ...全文を読む

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