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【  2013年06月  】 

第15章4(紙一重の狂気の中で)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.28 (Fri)

 「少し、顔色が悪いみたいね」 美春の不調に気づいたのは、アランよりもグレースが先だった。 彼女が口出しをして、アランもやっと美春の顔をまじまじと眺める。「ああ、元気はあまりないようだが……。まぁ、状況が状況だからね。迷いがあるのは当然だろう」 美春の背をトントンッと叩き、アランはホテルの中へ彼女を促した。「部屋へ戻ってゆっくり話でもしよう。落ち着いたら、笑顔のひとつでも見せてくれるかい?」「……はい……...全文を読む

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第15章3(わずかな繋がり)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.27 (Thu)

  須賀も、そして櫻井も、学を追うことができない。 あまりにも、学らしくない態度と言葉。あれがいつもの彼と同一人物なのだとは、信じがたい事実だ。「……どうしてですか……」 やっと出た須賀の声は、動揺に震えている。「こんな時、一番に動くのは専務なのに……。どんなに無茶なことだって、光野さんのためにならやろうとするのが、あの人なのに……」 須賀の脳裏には、美春のために命をかけて行動した学の姿が映し出されている。...全文を読む

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第15章2(専務秘書代行)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.26 (Wed)

 「おはようございます、専務」 専務室のドアを開くと、誰もいないはずのそこには櫻井が立っていた。「のんびりとした御出勤でしたね。あと五分お姿が確認できないようでしたら、電話で出社時間の確認を取らせて頂くところでした」「櫻井さんは、何をしているのです? ここで」 櫻井の皮肉にも挨拶にも応えることなく、あまつさえ彼の顔さえ見ないまま、学はデスクへと向かい、大きく吐息しながら椅子に腰を下ろす。 学の様子が...全文を読む

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第15章1(不安に包まれる朝)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.25 (Tue)

 「遅いな……」 腕時計を確認しては、自動ドアの向こうへ視線を向ける。 葉山製薬本社ビルのエントランスで、柳原は忙しないほどにその動作を繰り返していた。 目的の人間が、まだ出社してこないのだ。もうすぐ始業時間の九時になるというのに。「坊ちゃん、何してるんだろう……」 呟きについつい癖が出る。気を抜くと今でも学を「坊ちゃん」と呼んでしまうのは、いかに彼が学を慕っているかの表れだ。 だが今の場合は気を抜いて...全文を読む

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第14章10(最後の十字架)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.10 (Mon)

 「雨、やんでいたんだな……」 気持ちがひと息つき、緊張が抜けた身体で煙草以外の香りを吸い込むと、やっと外の様子を気にかける余裕が出てきた。「夕方は豪雨だったな。……いつやんだんだろう」 書斎の小さな窓からは星空が見える。毎回そうだが、大きな仕事を終えたあとに嗅ぐコーヒーの香りは、酔ってしまうのではないかと思うほどのリラックス効果を彼にもたらしてくれた。 デスクの置き時計は二十三時を示している。もうこん...全文を読む

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第14章9(天使の恩返し)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.09 (Sun)

 「どうかしたの?」 弓が弦から離れ、奏でられていた穏やかな音が途切れる。 仕事に支障がない程度のBGMではあったのだが、彼がパソコンのキーを叩く音に乱れが出たことに気づいた紗月姫は、何かあったのかと演奏を止めたのだ。「もしかして、私が間違ってしまったせい?」 ヴァイオリンを肩から外し、紗月姫は可愛らしくはにかんで見せる。すると、モニターから視線を上げ神藤が微笑んだ。「間違われたのですか? 気づきま...全文を読む

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第14章8(最後の確認)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.08 (Sat)

 「分かった。じゃぁ、父さんにも伝えておくよ」 両手で膝をポンッと叩いて、信は話を締めくくりソファから立ち上がった。「土曜になるのか日曜になるのかは分からないけど、正式な契約日が決まったら、すぐに教えてくれ」「ああ、田島も来るんだろ?」「当然だ。オレは“葉山専務”の専属弁護士になる男だぞ。大切な契約に立ち会わなくてどうする」 意気込んで胸を張る信だが、向かい側の椅子でクスリと笑った学を見て、頭を掻きな...全文を読む

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第14章7(理想の親友)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.07 (Fri)

  過去を見ていた瞳は横に流れ、切なく眉を下げた美春を捉える。 現実へ引き戻された涼香は、理想の是非を、それを作りあげていた本人に問う。「……そう思っていたのは、間違いだったの?」「涼香……」「葉山君から美春を取り上げられる人間なんて、この世にいないと思ってた……」 美春は言葉が出なかった。学から美春を取り上げられる人間などいない。それは、学と美春が離れることなどあり得ないという前提の元に、誰もが存知して...全文を読む

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第14章6(雨に打たれた後で…)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.06 (Thu)

 「温かい……」 素肌に当たる雫が、やっと肌に滲み通ってくるような温かさに変わった気がする。 シャワーのコックをひねった瞬間噴き出してきたお湯は、肌に刺さるくらい熱くて痛かった。 だがそれは、美春の肌があまりにも冷え切っていたせいであり、そして、身体がとても敏感になっていた後だからだ。 雨でメイクなど跡片もなくなってしまった顔にシャワーを当てる。顔を下にすると、お湯は後頭部から背中を伝って全身を包んだ...全文を読む

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第14章5(涙の誓い)*R18

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.05 (Wed)

 「煽るな……、馬鹿……」 雨なのか涙なのか分からない雫を彼女の顔から拭い、学は切なげに苦笑する。「美春を壊せたら、俺も壊れるよ……」 美春は鉄柵から手を離し、繋がったまま座位の形をとって学の濡れた胸に強く抱きついた。「じゃぁ、一緒に壊れよう……。学……」 彼の上で腰をうねらせ、昂り続ける甘い吐息を吹きかけながら、美春は夢心地で心の奥底に潜む小さな狂気を覗かせる。「あの鉄柵を突き破って、……このまま学と落ちたい...全文を読む

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第14章4(壊れるくらい愛して)*R18

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.04 (Tue)

 「どうすることもできないの……?」 悲しみの波紋の中に入り込んでしまっているのは、櫻井だけではない。「“法の力”で、美春を取り返せないの?」 天井を見つめたまま問いかけた涼香は、信ならば何とかしてくれるのではないかという希望を捨てきれずにいた。 彼ならばきっと。――それは間違いなく、学のためにもなるのだから。 だが、返ってきたのは、予想通りといえば予想通りの答えだ。「こうなってしまっては、不可能だ。美春...全文を読む

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第14章3(悲しみの波紋)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.03 (Mon)

  ――――学の、美春。 美春の身体をまさぐり、首筋に顔を埋めてその言葉を聞いた学の肩が、小刻みに揺れる。 笑っているのとはまた違う雰囲気に、彼が泣いているのではないかと勘繰ることもできたが、美春は深く追求はしない。「私はね……、きっとこの先、アランに抱かれようと、誰と身体を重ねようと、幸せをもらえることなんてないと思う……。学が私にしか感じないって言ってくれているように、私も、この身体は学にしか感じないか...全文を読む

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第14章2(彼女の身体の所有者)*R高

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.02 (Sun)

 「あっ……」 キスをしていた時よりも吐息が熱くなっているのが分かる。学の背中から腕を戻した美春は、彼のスーツのボタンを外し、既に雨が滲みてしまったシャツの上から硬い胸をまさぐった。「学……、びしょ濡れだよ……」「美春もな……」 同じ行為を始めた学の手は、濡れてピッタリと貼り付いてしまったブラウスの上から、美春の胸をやんわり揉み上げる。「海にでも飛び込んだみたいだ……。風邪ひくよ、脱がせてあげる……」「ここで……...全文を読む

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第14章1(手放される理想)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.06.01 (Sat)

 「会社は守られる。それどころか、更に栄華の路を歩むことになるさ……」 宙に投げられる学の台詞は、喜ばしい内容であるにもかかわらず嘲笑を含み、まるで自分を嘲ているかのようだ。「抗体も手に入り、母さんも助かる。全ては元通りだ」 そこまで言ってから、彼は視線を足元へ落とす。「いや……」と否定を呟いてから、もっとも口にはしたくない言葉を出した。「美春だけが……、いなくなる……」 その言葉に、学の背中にしがみついて...全文を読む

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