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【  2013年07月  】 

第16章10(復活する心)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.17 (Wed)

 「……ひどい……」 眠りに引き込まれたらしく、櫻井はピクリとも動かなくなった。 胸を押さえたままうつ伏せに倒れ、横を向いた顔は普通に寝息を立てているようだが、前髪が貼り付いた額には汗が滲んでいる。 例え眠っているのだとしても、動かない彼の姿など美春は見たことがない。櫻井はいつでもシャキシャキと動き回っていて、立ち止まっても口だけは動いているような男だ。そして、立ち止まって無口な時は、丸めた書類で美春の...全文を読む

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第16章9(美春がいるべき場所)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.16 (Tue)

 「アラ……ンっ……!」 驚いた美春が、片手をアランへと伸ばす。手に持った筒状の物を奪い取ろうとしたのだが、今の美春にそれができるだけの瞬発力はなく、また、音が聞こえてから手を伸ばしたこともあり、彼女は痛みに歪む櫻井の表情を目の前で見てしまった。 伸びあがった拍子に崩れそうになった美春の身体を、グレースが慌ててシッカリと抱きとめる。そのお陰で倒れることはなかった。 痛みが走った首を手で押さえて立ち上がり...全文を読む

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第16章8(櫻井の大切な後輩)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.15 (Mon)

 「立っていないで座ってくれないか?」 繕い笑いが苦笑いに変わったのは、グレースの姿がベッドルームへと消えてから十五分ほど経った頃だった。 櫻井をメインルームへと通し、彼にソファを勧めてアランは向かい側の椅子へ腰を下ろす。それから軽い世間話で繋いでいたが、櫻井は一向に座る気配を見せない。「落ち着かないだろう、これでは話をしづらいと思うが? そろそろコーヒーもくる頃だ、座って待っているといい」 アラン...全文を読む

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第16章7(キスマークの違い)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.14 (Sun)

 「櫻井は今来たばかりよ。コーヒーでも淹れようと思ったんだけど、ちょうどレンタルを頼んだネグリジェも届いたし、アランがすぐにミハルに持って行ってやれって言うから、コーヒーはルームサービスに頼んだのよ」 僅かに首が浮いたのをこれ幸いと、グレースは美春の首の後ろと背中に腕を回し、ゆっくり抱き起した。「起こせば、少しこのままでいられそう?」「はい……、すみません」「タオル、少し冷たくなっているけど、このまま...全文を読む

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第16章6(“お傍付き”たち)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.13 (Sat)

 『どうやら通してくれるようですよ。今、ふたりが別室から出てきました』 ヘッドセットから聴こえてくる須賀の声は、緊張した雰囲気は感じさせるものの、トーンは高く興奮を隠しきれないようだ。 今のところ、相手側の動きも含めてすべて計画通りに進んでいる。こうなると、このまま順調に進み続けてくれるのではないかと、希望は大きくなるばかりだ。「……女史は?」 右耳に差し込んだ極小のヘッドセットへ片手を当て、櫻井はフ...全文を読む

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第16章5(娘を託せる男)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.12 (Fri)

 「ただ、問題がひとつある。アラン社長が発症促進剤を作った時、二十五年前の研究内容をそのまま写し取ったのか、それともオリジナルの部分を加えたのか、だ」 大介は白衣のポケットからメモリースティックを取り出し、学へと差し出した。「ここに、封印された文献と研究内容のすべてが記録されている。一が、永久保存対象にしておいてくれたお陰だ。僕は、この通りに抗体を作った。アラン社長がオリジナル無しで促進剤を作ったの...全文を読む

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第16章4(天使の叱咤)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.11 (Thu)

 「それが葉山学ですか、この私が“兄”と慕った人間ですか!」 紗月姫の声は、専務室内に大きく響き渡った。「様々な人たちが、きっと、貴方に気遣いを見せている。貴方に期待を寄せている。なのに、貴方はそれを知っていても何もしようとはしない。一伯父様に戒めを受けても、今でも貴方は迷っているのでしょう?」 学は言い返すことも聞き流すこともできない。 紗月姫の言葉は、真実であるからだ。 この状態が辛いのなら、美春...全文を読む

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第16章3(従者の制裁)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.10 (Wed)

  少々手荒な一の煽りも、エリや一真の激励も、どちらも今の学にとっては力強いものだ。 それは良い意味で彼の気持ちを盛り立ててくれる。 自分は、いつもの自分の考え方で行動しても良いのかと、思わせてくれるのだ。 ――――だが、感情が勢いの乗ろうとすればするほど、理性が危険信号を放つ。  本当にこのまま勢いに乗って良いのか……。 それは、限りなく危険なことではないのか。学が学であるように行動するということは、美...全文を読む

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第16章2(母と弟の願い)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.09 (Tue)

 「取り戻したいなら、そのために動け。お前のやり方で」 静かな口調で、しかし恐ろしいまでに抑制された態度の中に貫録を漂わせ、一は学に決断を迫る。 明らかに数分前とは目つきが変わった息子を見据え、僅かに口角を上げた。「私はこれから仕事で出る。お前に連絡がつかなかったと言って私に連絡をよこしていた面会人がふたり、そこで待っているから、話しをすると良い」「え?」 どうも釈然としない。学に会いたいとやって来...全文を読む

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第16章1(心の青嵐)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.08 (Mon)

 「仕事が溜まっているぞ。お前の“ひと休み”は少々長すぎるようだ」 現状への動揺も、学への気遣いも何もなく、通常と変わらない態度で一は学を見下ろす。「センター長との面会には私が行った。アポはないが、お前に面会が二名も来ている。なんでも、連絡がつかないとかで直接来社したようだ」 片手を腰に当て、本来は秘書の役目である伝達をしてくる一を、学はぼんやりと見つめる。そんな用事なら、専務秘書の仮辞令を受けた櫻井...全文を読む

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第15章10(垣間見る狂気)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.07 (Sun)

 「アラン、……自分で……脱ぐから……」 脱がされる屈辱を味わうなら、いっそ自分から脱いだほうが良い。 肩から下ろされかかったブラウスを儚い力で掴みアランを見上げると、彼の口元が哀れむように上がった。「ミハルは、綺麗な目をしているな……。泣いた時に潤んだ深く濃い蒼い瞳は最高だ……。――泣かせがいがある」 学には“藍色の瞳”といわれる色だが、アランは独自の解釈をしたようだ。 その言葉に不気味さを感じても、恐怖を表す...全文を読む

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第15章9(触れる権利)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.06 (Sat)

 「目が覚めたのかい? ミハル」 何か大切な真相に近付きそうになった思考は、ベッドルームへと入って来たアランに遮られた。 彼が近付いてくると、グレースが移動し場所を譲る。その行動を当然とし、アランは何の遠慮もなく美春の傍らへと座ると、彼女の腰を抱き額へと手を当てた。「ア……アラン……」「ん? 熱は下がったのか、まぁ、当然だな」 アランの視線が説明を求めるようにグレースへと流れる。どこか切なげな目が「三十...全文を読む

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第15章8(悪魔の内訳)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.05 (Fri)

 「すいません、……いきなりこんな……」 セリフの途中でコップに口を付け、氷入りの冷たいミネラルウォーターで喉を潤してから、美春は大きな吐息と共に言葉を吐き出した。「倒れるなんて……。御迷惑をかけてしまって……」 冷たい水に冷えた喉は、とても清々しい清涼感をくれる。ふらつきながらもベッドの上で上半身を起こし、弱々しく微笑む美春を一瞥して、グレースは苦笑した。「まったくだわ。三十九度も熱があるって分からなかっ...全文を読む

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第15章7(執着に囚われた娘)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.04 (Thu)

 「そういえば、今日は美春、帰ってくるのかしら……」 タクシーを呼ぼうと受話器に手を伸ばし、エリはふと美春が気にかかった。 何故いきなり娘の顔が思い浮かんだのだろう。昨日帰って来た時、疲れているのかあまりにも元気がない様子だったので、気になりすぎて頭から離れないせいだろうか。 もちろんそれもある。だがエリは、美春を思い出した本当の理由を呟いた。「アイス、四個買ってきて大丈夫かしら……」 エリはこれから、...全文を読む

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第15章6(彼が彼であるための証)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.03 (Wed)

  三十三階のコーポレートIT事業部は、男ばかりの部署だ。 昨年、一時期だが須賀の婚約者である悠里が勤務していた時期がある。その頃は、今までと違う柔らかな清涼感が漂い、他の部署からも“やっぱり女の子のひとりもいると違うもんだ”と感心されたものだが、退職してからは瞬く間に男くさい部署に戻り、あまり柔らかな雰囲気はない。 各自仕事内容によって動きが決まるので、お昼休みだからといってオフィスがいきなり空にな...全文を読む

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第15章5(消えた専務)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.07.02 (Tue)

 「専務がどこへ行ったのか分からないのかい? 外出かい?」 穏やかではあるが苛立ちを感じさせる声は、エレベーターの扉が開いた瞬間に耳へと飛び込んできた。 声の主が副社長の佐藤であったことが、その現場を目の当たりにしてしまった柵矢には信じられない。“恵比寿の佐藤”と言われるほど穏やかな性格の副社長。彼が怒る姿など、社長が声をあげて笑い転げる姿を見てしまうほどレアなのだ。――実際、社長兼会長である一に四半世...全文を読む

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