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【  2013年08月  】 

第18章6(抗体という切り札)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.31 (Sat)

 「アランを撃てば、抗体は渡さないわ!」 その言葉は、とっておきの切り札だったのかもしれない。 “美春”という存在の他に、もうひとつ学の動きを抑え込めるもの。 それが、母親であるさくらの存在だ。 たとえ葉山と絶縁するのだと豪語しても、実の母親を見殺しにはできないだろうことが、今までの経緯から分かっている。だからこそ、この窮地にグレースは抗体を盾にしたのだ。 ――アランを庇うために。 バーカウンターから飛...全文を読む

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第18章5(神と悪魔の違い)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.30 (Fri)

 「跡取り、じゃない……?」 驚いたのは、アランやグレースだけではない。 学の言葉に美春も息を呑んだ。 彼の決断と行動に言葉を失いかけたアランだが、彼は何故かその潔さに忌々しさを覚える。「馬鹿か……。ひとりの女のために、すべてを捨てたか……」 湧き上がる嫌悪感。だが何故だろう、学の行動に、彼は心のどこかで羨望を覚える。「ああ、馬鹿だよ」 静かに返答をし、学は銃口を強くアランの頭に押し付ける。「馬鹿のついで...全文を読む

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第18章4(選ばれた者の誇り)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.29 (Thu)

 『きゃぁ……っ!!』 グレースの悲鳴が響く。美春も悲鳴をあげそうになったが、ガラスが割れた直後耳に届いた声に、そんな行動も止まってしまった。 確かに聞こえたのだ。学の声が。 「美春!!」そう叫ぶ、彼の声が。「……まな……ぶ……?」 砕けたガラスの向こう、まだ飛沫が上がり水が大きく揺れるプールの中へ、ヘリから飛び降りてきた男の姿が吸いこまれていく。 その人物を確認して、美春は泣き声で叫んだ。「学っ!!」 一瞬のう...全文を読む

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第18章3(反撃開始)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.28 (Wed)

 「正直、半信半疑だった」 失笑する学が手にしたのは、対戦車擲弾発射器。一般的にロケットランチャーと呼ばれるものだ。 ランチャーにもさまざまな種類があるが、手元にあるのはロシア製RPG-18。 製造段階でロケット弾がランチャーの中に封入されるため、一回限りの使い捨てタイプになる。重さも2.5キロと軽く、操作も比較的簡単だ。 そのため、正規品の製造が出回らなくなった今でも、模造品がゲリラなどの間で多く流...全文を読む

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第18章2(奪回のタイミング)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.27 (Tue)

 『この近くに、取り壊しになるような建物があったかしら?』 美春をバスルームまで送ったグレースが戻ってきた時、彼女は怪訝な表情で小首を傾げていた。 無視しても良いような話ではあったが、アランはタブレットから顔を上げる。『何かあったのか?』『ええ。フロントからのメッセージカードが入っていてね、近隣で建物の解体工事があるんですって。早朝からお騒がせします、申し訳ありません、って』 グレースの手には、朝刊...全文を読む

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第18章1(運命の朝)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.26 (Mon)

 「ミハル、起きて、ミハル」 その声によって意識を引き戻されてしまった現実を、美春は少し残念に思った。 なぜなら、美春はとても楽しい夢を見ていたからだ。 陽射し降り注ぐ、暖かな葉山家のサンルームで、ごろりっとうつ伏せになってフローリングに寝そべる自分がいる。目の前に置かれたワゴンでは、学がアイスティーを作ってくれている最中だ。 美春が毎回「美味しいよ、学。神藤さんが淹れたのより上手っ」と、紗月姫の眉...全文を読む

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第17章10(逆襲の金曜日)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.14 (Wed)

  「俺は、“葉山の跡取り”であるまま、美春を助けに行くわけにはいかない」 その話を聞かされた時、信はさほど驚きも感じなかった。 彼も予感していた部分があるのだ。学が行動を起こすのならば、その選択を持ってくるだろうことを。 打合せの元に策を講じ、すぐに書類を作成した。 一に学の辞表を受領させ、葉山家側とは無関係になる旨を書類上で取決する。――それが、今回の信の“仕事”だ。 そしてこの仕事が完了し、学が葉山...全文を読む

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第17章9(早朝の駆け引き)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.13 (Tue)

  メール着信に気づき、学は手を止めた。 デスクの上で充電中のスマホを覗くと、相手は一だ。開く前に時間を確認し、そろそろ日付を超える時間であることに気づいた。「……もう、こんな時間だったのか……」 時間も忘れて没頭していたらしい。考えることとやっておかなくてはならないことが多すぎて、時間を気にする余裕がなかった。 数時間後、すべての準備が整ったら行動を起こさなくてはならない。考えてみれば、そんなに時間は...全文を読む

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第17章8(戻せない愛情)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.12 (Mon)

 『特に何もなかったのかしら……』 視線を向けた場所では、いつも通りスクリーンセーバーの菜の花がそよいでいる。デスクトップにも異常はない。 通話中、気になって何度か振り返った時には見えていた警告の赤枠もなくなっている。今までは、ハッカーが入ると反応したセキュリティが、反対に抜き出したハッカーの情報をプロファイルしてくれたはずなのに。その気配さえない。(ハッカーの情報が残っていないなんて。そんなことが有...全文を読む

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第17章7(跡取りとしての決断)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.11 (Sun)

 「分かっています、このまま監視を続けるんですよね!?」 須賀はもちろんそのつもりだった。 美春を奪還するまで、自分の“特別任務”も終わりではない。おまけに櫻井も眠らされたままだ。学がアランのホテルへ向かうとしても、その間何が起こるか分からないのだから部屋を監視する者は必要だろう。「任せてください。専務がいつ攻め込んでも良いように、オレ、夜中じゅうだって監視しますよ!」 ハッキングが成功した一件は、須賀...全文を読む

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第17章6(脱出! そして…)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.10 (Sat)

 「ありがとう、確認完了だ!」 学の声に続いて起こった叫声は、この切迫した状態から回避するため、まさに救いの声だった。 嬉々とした大介の声は、学と須賀に計画の成功を悟らせる。「逃げます! 専務!」 須賀は気持ちを入れ替え、瞬時に対応し、追求と攻撃から身をひるがえす。 学の存在をさらい取り、あらかじめ作ってあった別ルートで追手から姿をくらます。 ルートを塞いでネットワークを遮断し脱出をすると、須賀は思...全文を読む

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第17章5(正念場の攻撃)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.09 (Fri)

 『どうしたんだい? グレース』 すぐに返されるだろうと思っていた返事がない。それによって、会話の間に明らかな空白ができてしまった。 アランと話している時ならば、こんなことは珍しくはない。「会話する価値もない」そう判断すれば、アランは大切な会議の最中であろうと寡黙に徹してしまう。 だが、グレースと話していてこんな間ができてしまったのは初めてだ。 パソコンを介し、グレースとインターネット電話で会話をし...全文を読む

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第17章4(ハニーポットトラップ)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.08 (Thu)

  須賀の言葉に動き出したのは、学だけではない。 今まで須賀の横で、緊張する彼をいじっていた大介も、自分の役目を確認するべく学の傍へ歩み寄ったのだ。「ところで学君、その研究データのファイルとやらは、言い方は悪いが盗み出すことはできないものなのかい? 良く言うなら、コピーする……というか」 大介の疑問はもっともだ。対象データのファイルを抜き出してしまえば、あとはゆっくりと目的の文献を探せば良いだけなのだ...全文を読む

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第17章3(ハッキング対象物件)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.07 (Wed)

 「はあ……、凄いものだねぇ……。いや、素晴らしい技術だ」 感心されているのだ。なおかつ褒められている。それはとても嬉しいことだ。 またそれが憧れている人の父親だと思えば、照れ臭ささえも入り混じる。「ハッキングかぁ……。僕みたいな凡人にはできないなぁ……。須賀君の話は美春に聞いていたけれど、鮮やかなものだね」 いえいえ、あなたこそ凡人ではありませんよ。その場にいた学と須賀の思いは見事にシンクロするが、セリフ...全文を読む

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第17章2(心服の復活)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.06 (Tue)

  ――――謀反か!? 須賀の叫び声に気づいたオフィス内。その光景を目にした者すべてがそう思ってしまったのは、IT事業部が男ばかりの部署であるせいもあるだろうか。 たとえ部署内の会議で、エキサイトするあまり社員同士が掴み合いを始めても、須賀は間に入って「まあまあ」と止めるタイプだ。無理難題な意見をふっかけられても気を荒立てるようなことはなく、理論で突破するタイプであると誰もが知っている。 それなので、憤怒...全文を読む

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第17章1(心の言葉を託された者)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.08.05 (Mon)

  ――――学が迎えに来てくれるのを、待っているのかもしれない……。 それは、美春の本心だ。 すべての希望も信じる気持ちも、愛情さえも犠牲にしたかのように見えても、彼女の本質は何も変わってはいない。「……畜生……」 美春の声を最後に、スマホを介したヘッドセットからの音声は聞こえなくなった。彼女の声と言葉を何度も何度も頭の中でリピートさせて、須賀は顔を伏せたまま、その頬に涙の小川を作り続ける。「光野さん……」 い...全文を読む

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