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【  2013年09月  】 

●『私の大切なお嬢様・Gとの初対面・編』(思いつきSS)

迷宮の天使・企画SS集

2013.09.16 (Mon)

  ――――これはいったい、何だろう……。  目の前に存在する生物を、紗月姫はジッと凝視した。  辻川邸リビングのテラス。専属パティシエが精魂込めて作ったフルーツタルトでお茶を楽しんだ後、ヴァイオリンの講師がやってくる時間に合わせて席を立った。すると、テラスの端でカサカサと動く小さな物体を見つけたのだ。  大きさはそれほどでもない。例えるならバッタ程度だろうか。黒光りした茶色の身体。長い触角を動かしながら、...全文を読む

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第19章10(この大きな理想を追い越すまで)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.14 (Sat)

  ギリッ……っと、信が奥歯を噛みしめる音が聞こえてくるようだった。 今まで彼が学からの“仕事”で正式な法的手段をとる場合、後ろに付いていたのはもちろんこの田島総合法律事務所であり、所長である田島信悟だ。 表社会から裏社会まで、様々な情報を手に入れられていたのも、この大きな後ろ盾があったからに他ならない。 そして、それはまた、“田島”という名前があったお陰でもある。 葉山家歴代の当主を法的にサポートしてき...全文を読む

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第19章9(破り捨てられる絶縁)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.13 (Fri)

 「信悟君の意地悪……。真正サドっ」 叩かれた背中をさすりながら、亡き母の口癖と私的感情を混ぜたセリフを吐く信に笑いを誘われながらも、学は彼に問いかけた。「田島……、どうしてお前ここにいるんだ? すぐに書類の手続きに入るって……」「そのつもりだったんだよ。……だけど、会長室でいきなり拉致られて……」「……誰に?」 訊かなくてもこの状況から察するに分かりそうなものだが、敢えて訊く。予想通り、信は無言で隣に立つ信悟...全文を読む

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第19章8(もうひとりの対決相手)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.12 (Thu)

 「学?」 不安げに見上げてくる美春に、学は彼女用の笑顔で微笑んで見せる。「大丈夫だ。早く美春をもっと抱きしめたいから、速攻で話を着ける。心配するな」 いつもの学が傍にいる。それがとても嬉しい。その気持ちのまま美春は伸び上がり、学の唇にチュッと可愛らしいキスをした。「がんばってっ」 こんな仕草を見せられて、学がそのままでいられるはずがないではないか。彼は湧き止まらぬ愛しさのまま、勢いで唇付けようとす...全文を読む

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第19章7(和解と癒しと…発情は後で!)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.11 (Wed)

  学と美春もそうだが、アランとグレースも抱き合ったまま離れない。 こうなってしまうと、この部屋にいるもうひとカップルは、イラつきながらも羨ましくなってしまう。 紗月姫の気持ちを悟ったというわけではないが、レインはそっとグレースの肩を指先で叩いた。「本当に申し訳ないね、グレース。もう一度、兄さんの薬を調合しておくれ。すべてこぼれてしまったから、何をどうしたら良いのか僕では分からないんだ。兄さんも薬を...全文を読む

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第19章6(切ないほどの愛しさを抱いて)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.10 (Tue)

 「……グレース……?」 十七年経って、やっと、心から欲しかったものが手に入ったのではないのか……。「笑って……くれるのか……」 言葉を出すのも辛い倦怠感の中、アランは額を押さえていた手をグレースへと伸ばす。笑顔で上がった頬に指が触れると、彼女はくすぐったそうにはにかんだ。「昔と同じね、ふたりきりで隔離されるのは。嬉しいわ、これからも、ずっとアランといられる……」 こみ上げる想いに、嗚咽感が彼女の笑みを崩す。そ...全文を読む

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第19章5(死より過酷な神の決裁)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.09 (Mon)

  重たい、地を這うような声だった。 アランの罪の重さを表すかのように、学は戦慄さえ覚えさせる深い声で告げる。「死にたいだろう? 失脚し、研究さえ取り上げられ、手に入れたかった女までも傍から離されて……。放っておけば、アンタは独房に入った瞬間、自ら命を絶とうとするに違いない。……けど、残念だな、お前は絶対死なせない」 静寂が走った。 グレースも泣くのをやめ、美春を始めとした誰もが、アランを睨みつけ対峙す...全文を読む

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第19章4(癒し姫が導く希望)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.08 (Sun)

 「つまらないことを言うな……。ミハル……」「つまらなくなんかないわ」 気分を害したと言いたげに、アランは険しい表情を作る。 だが、そんな様子には怯まない。美春はにこりと笑顔を返す。「ねえ、アラン。あなたがグレースを被験者として使ったことがないのはなぜ?」 決定的な質問。それは、アランが行う無差別な人体実験の話を聞いてから、ずっと思っていたことだ。「自分の研究のために、周囲にいる人間を気分次第で被験者に...全文を読む

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第19章3(虐げられた者の哀願)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.07 (Sat)

  衝撃的な言葉を叫び、小さくしゃくり上げながら、グレースはぽたぽたと涙を流し続けた。「……わたしが……、わたしがアランに薬を渡して、定期的に服用させなければ……。アランの身体は三カ月と持ちはしない……」 溶け落ちてしまいそうなほど潤んだ瞳がレインへ向けられる。彼女は助けを乞うように、瞳でレインにすがった。「……あなたはそれを、誰よりも知っていますよね……。レイン副社長……」「ああ、もちろんだよ。君は兄さんの監視...全文を読む

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第19章2(天使が悪魔にくだす制裁)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.06 (Fri)

  すすり泣いていたグレースの嗚咽が止まる。 彼女は紗月姫の話に大きく動揺していた。「数あるスイスの空港、飛行場のうち、サメーダン空港へ、あなたをお送りしますわ。ヨーロッパで一番の標高を誇る空港ですもの、あなたも“神”に近付けるかもしれませんね」 皮肉を入れながら、紗月姫の話しは続く。「定期便が設定されていない空港ですから、当家のジェットが到着する時は他の機体が入る予定を入れないよう手配してあります。...全文を読む

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第19章1(切り捨てられる秘書)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.05 (Thu)

 「リコール……。そうか、だから……」 信じがたいほど急な、アランに対するリコール。 それを聞いて、美春はやっと胸にわだかまっていた疑問の内容を悟った。 ずっと、おかしなものを感じていたのだ。 学も、大介やさくらも、そして弟のレインでさえも。 この部屋に入ってきて、誰ひとりアランを「社長」とは呼ばなかったことに。 この状況から、学がアランを「アンタ」と呼んでしまう理由は分かる。だが、「ミスター」と称した...全文を読む

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第18章10(兄弟の確執)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.04 (Wed)

 『お久し振りです。レイン副社長』 流暢なフランス語で挨拶をし、右手を伸ばしながらレインへと歩み寄った学は、彼がアランと血の繋がった弟であるという事実を忘れてしまいそうなほどの感激を表された。「久し振りだね、学。直接会うのは実に四年ぶりだ。相変わらずのクールで可愛い坊ちゃん顔を見られて嬉しいよ」 親日家であるレイン。公用語で話しかけられたにもかかわらず、こちらも流暢な日本語で対応した。 小奇麗に流さ...全文を読む

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第18章9(情熱とプライド)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.03 (Tue)

 「お父さん……?」 ある程度の予想はでき始めていた。 だが、実際にそれを本人の口から聞いてしまうと、その驚きは増す。 抗体を作ったのは大介だという事実。そして、自分の父親が謎とされている研究者である可能性。すべての真実を求めて、美春の目は学を追う。彼は説明をしてくれると言っていたはずだ。 だが、美春の疑問を解決したのは問題となる大介本人だった。「ミスター・アラン、……あなたは、研究者としてとんでもない...全文を読む

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第18章8(完璧な後ろ盾)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.02 (Mon)

 「足元が整備不足でございます。こちらへ」 伸ばされる両腕。何の迷いもなくその中へ落ちてくる身体を受け止め、神藤は手慣れた様子で横抱きにした。「本当に質の悪そうな芝ね」 彼の腕の中、宝物のようなお姫様抱っこに甘んじる紗月姫は、下に視線を落として率直な感想を口にする。足元に広がるのは、ホテルに隣接したゴルフ場の芝だ。 高級ホテルリゾートの名に恥じない、会員制のゴルフ場。もちろん芝だって質の良い物を使っ...全文を読む

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第18章7(裏方の雄姿)

理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

2013.09.01 (Sun)

 「みっともない……」 室内へ入ってくるなり、さくらはそう呟き溜息をついた。 彼女の視線は学へと向けられている。つい数時間前まで“息子”であった男へ。「テーブルへ靴のままで上がるなんて。なんてお行儀が悪いのかしら。いくら絶縁した仲でも、そういう態度は許せないわ。育てた親の品格まで疑われてしまうじゃない」 厳しい言葉に苦笑し、学はテーブルから下りる。「すみません」と口角を上げ頭を下げると、さくらにしては珍...全文を読む

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