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【  2014年09月  】 

*4・デュランタ/5

撫子花恋綺譚

2014.09.29 (Mon)

  撫子に合わせ、伊吹も座卓に戻る。 出されていた湯呑みを手に取ると、一気に飲んでしまった。 喉が渇いていたのだろうか。戻された湯呑みに手を伸ばし二杯目を気遣ったが、伊吹はそれを止めた。「いや、おかわりはいらない。今日のところは失礼する」「そうですか。それは、それはっ」 本人が腰を上げるより早く撫子が立ち上がる。彼女の口調は、嫌味なほど単調で棒読みだ。 さも「早く帰れ」と言われているように感じたのだ...全文を読む

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*4・デュランタ/4

撫子花恋綺譚

2014.09.25 (Thu)

  これは言わば、抱きしめられている、という状態ではないのか。「ちょっ……」 文句を口にしようとして、はたと気づく。 下手をすれば、撫子はバランスを崩して倒れてしまうところだった。あわやのところを支えてもらったのだから、これは文句よりも先に礼を言うべきではないのか。「あ……あの……」「放してほしいか?」「え? それは……」「今放せば、間違いなくお前はこの床の間の中でひっくり返って、俺にあられもない姿を晒すこ...全文を読む

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*4・デュランタ/3

撫子花恋綺譚

2014.09.18 (Thu)

 「失礼いたします」 ――――失礼しないで、ここにいてっ! 言えるなら……。撫子は久子にそう言ってしまいたかった。 ふたり分のお茶を出し、久子が下がると、静かな音を立てて襖が閉まる。 純和室造りの八畳間。東海林家に数室ある客間のうちのひとつ。 床の間には撫子が活けた花が飾られ、まるで「話題にしてくださいね」と言わんばかりだ。 浅いどんぶり型の変形花器に、ススキ、リンドウ、小菊。形として現代花的な趣があり、...全文を読む

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*4・デュランタ/2

撫子花恋綺譚

2014.09.15 (Mon)

 「タイワンレンギョウですか? とても綺麗な薄青紫色ですね。確かに、妹の小紋によく似合っている」 花束を覗き込んでから、柊都は撫子に目を向ける。伊吹の言葉を本心だと疑わない彼は、そのおべっかを引き継ぐかのようなセリフを続けた。「今日はお務めがないからと、自分で好きな着物を着たと言っていたよね。選んだ薄藤色が、偶然にも大和さんの選んだ花と色が酷似しているなんて。きっと、感性の相性が良いんだね」「ほっ、...全文を読む

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*4・デュランタ/1

撫子花恋綺譚

2014.09.11 (Thu)

  月曜日。昨日を思い返し、悪夢のような日曜日だった、と思う。 こんな厄日の出来事は、一晩たっぷりと眠って忘れてしまおう。そう考え早々に蒲団へ入った昨夜。 だが、癇に障る伊吹の失笑が目の前でチラつき、なかなか眠りにつけるものではない。ぐっすりとは眠れなかったものの、忘れてしまおうと願った甲斐あってか、翌朝、撫子は昨日のことをほとんど記憶に残してはいなかった。 ただし、伊吹のこと以外は、だ。 見合いの...全文を読む

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*3・ホウセンカ/4

撫子花恋綺譚

2014.09.04 (Thu)

 「本当のことを言われて悔しいのか? そんな恰好をした女が、こんな場所でひとりで大酒くらってイイ気になっているから、こういう目に遭うんだ。身の程をわきまえろ」 青年の言葉にも、一理あるのかもしれない。だが、言いかたというものがあるではないか。(なんなの、この男!) 撫子はホウセンカの花束を抱きしめ、その鮮やかな紅を見つめる。悔しさが湧き上がるなか、無下に扱われたこの花に青年が向けた慈愛の目に、一瞬で...全文を読む

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*3・ホウセンカ/3

撫子花恋綺譚

2014.09.01 (Mon)

 (この人、爪紅って言った……) 驚いてしまった理由は、青年のひと言。 彼はこのホウセンカのことを“爪紅”と呼んだのだから。「てっ……てめぇっ……なんだってんだ、いきなり……! 水かけるとか、バカじゃねぇの、空気読めよ!」 いきなり水などをかけられては怒るのも当然。最初に噛み付いたのは、撫子につかみかかっていた男だ。血の気も酒の量も多かったのか、男が着けている赤いピアスと同じくらい顔を紅潮させている。 言葉と...全文を読む

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