「理想の恋愛 完璧な愛・シリーズ(第7部~第11部)」
理想の恋愛 完璧な愛・第11部

第7章≪北欧の王子≫・4 *R高

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 椿はその深く聡明な瞳を細め、なだらかに柳眉を逆立てて総司を凝視した。
 総司の言葉を、信じても良いものか……。
 ――五人目を認めるという、その言葉を。

「そんな目をしないでくれ」
 椿の前に立った総司は、眉を下げて椿を見詰め、疑問を投げかける瞳を片手で塞いだ。
 すぐに彼の手は離れたが、自由になった椿の視界に入ったのは、彼女の前に両膝を落とし、腰を屈め、頭を下げる総司の姿。
 それはまるで、土下座の様な姿だ。
「……総司、さっ……」

「許して欲しい。……椿……」
 頭を下げたまま、総司は彼女に詫びた。
「見続けた夢の為に、身近な周囲を見なかった私を。紗月姫の心根を知っていながら、……知らない振りをしようとした、……父親としての私を……」

「やめて下さい。頭を上げて下さいな。お兄様にならばともかく、妻である私にまで……。何という態度をお取りになられます。仮にも貴方は……」
「辻川財閥の総帥だ。――けれど、椿の為なら、私は誰に頭を下げる事も恥ずかしくは無いよ」
 総司の態度に慌てた椿ではあったが、総司は冷静に心の内を口にする。
 彼を止めようと出しかかった椿の右手を取った総司は、頭を上げ、片手を床に着いた服従の体勢のまま彼女の指先に唇付けた。

「私が土下座をして頭を下げたのはこれで三度目。一度目は、君との結婚を一さんに許してもらう時。二度目は昨日、君を返してくれと頼んだ時。三度目は、君に許してもらう為。――……椿の為なら、私は頭くらいいくらでも下げるよ」

 椿は不意に嗚咽に近い声が出そうになるのを、下唇を噛む事で耐える。
 総司が椿の為に、自分自身も身分も投げ出してしまうところは、二十六年前からちっとも変ってはいないではないか。
 我儘で自分勝手で自己中心的な反面、椿には信じられないほど執着し、献身的に紳士でい続けた彼。
 その愛情だけは、どんなに彼の存在が大きな物になっていっても、昔から変わってはいない。

「総司さん……」
 握られた手を両手で握り、椿は総司の前に両膝を着く。
「……学君が、最高の結果を持って来てくれてからで構いません。……紗月姫の父親として、五人目を認めるというそのお気持ちを、娘の前で示して下さい。それを示して頂けた時に、私はあなたを許しましょう」
 にこりと微笑みを向けられ、総司にも笑みが浮かぶ。思わず妻を抱き締めようとした彼だが、彼女はスルリとその腕から逃げてしまった。

「その前に、立ち上がって下さいな。お兄様に聞いてはいましたが、総司さんは本当に土下座が下手だわ。みっともないので、決して他人の前ではなさらないで下さいね」

 ――――今夜あたり、椿の部屋はいつもの通り、元に戻るかもしれない……。


*****


『俺が一緒じゃないからって手ぇ抜いて。……風呂上がりのままだろう……?』
 心の中で「大あたりーぃ」と御名答を唱えるが、実際の口はそんな場合ではなく……。
「やっ……ァンッ、あっ、ひっぱっちゃ……ダメぇ……んっ……」
 タオル地のポンチョを胸の上まで捲くり、ふっくらと盛り上がる隆起の上に潜む柔らかな小粒を捏ねくる学の指先に、反応の声を上げるのが精一杯なのだ。
「あぁん……、噛んじゃ、ダメェ……」
『噛んでない。爪立てただけ』
「んっ……ん、痛いんだからぁ……あん……」
『気持ち良さそうに足が動いていますよ。美春サンっ』
「やっ、ぁああっ……」
 ホットパンツからスラリと伸びた足がシーツの上で焦れる。
 学の手が太腿を撫で回すと、今まで別々の動きを見せていた両脚はキュッと閉じ合わさり、横にくねった。

「あ……、ン……ッ、あっ」
 相変わらず顔の上にはスーツの上着が掛けられたまま。ただでさえ夢現状態だったところへ、更に頭の中に濃い霧がかかってしまったようだ。
 ベッドに横たわっているはずなのに、全身が浮いてしまっているような不思議な気分。腕も上手く動かず、学を抱き締めてしまいたいのに、それも叶わない。
 まるで、微量にアルコールに酔ってしまった時のよう。アルコールシロップ味のキスを感じたせいで、酔った状態を夢に見ているのかもしれない。

(夢なら……いいや……)
 そう割り切ってしまっても良いくらい、この意識状態が気持ちイイ。
 スーツを顔に掛けられ視界が遮られる事で、意識出来るのは触覚と圧覚だけ。封じられ視界は、予測不能な刺激を快感として引っ張り出す。
 腰で引っかかった緩めのホットパンツが更に緩まった。何かと思えば、ファスナーを開いた部分で学の手が彷徨っている。
「学……んっ……、やっ、も……欲し……」
『ん? 挿れて欲しいの?』
「う、ん……」
 手を伸ばそうとするが、腕が上手く上がらない。学はその手を掴み、自分が触っているのと同じように、ズボンのファスナーを下げた場所へ手をあてさせた。
『これ? それとも、指?』

 夢の中でも学は、じれったくて気持ちの良い意地悪をする。
 手を当てさせられた場所にある“学”は、美春を欲しがって熱く滾っていた。
「……ん……、これぇ……」
 意識の中で、指を曲げるイメージをしてみる。上手く曲がったのだろうか、硬く熱い感触を掌に感じたのと同時に、美春の柔らかい草原を弄っていた学の手がピクリと震えた。
『美春は、酔うといやらしくなるから、可愛いな』
「……酔ってなんか……ないもん……。あぅんっ……あっ」
 長くて雄々しい指が草原の谷間へ沈み、そのまま上下に擦られる。ぐちゃりっと溢れた淫泉が動きを助け、大きく動く指は草原まで湿らせた。

「あっ……ふぁ! あっ……! ヤダぁ、擦っちゃ……やぁぁっ!」
 閉じた脚が開いていく。花芯を擦られる刺激に腰が左右にくねるが、学の手はもちろん離れない。
「あん……あっ! イくぅ、んっ……」
『酔ってるんだよ、美春は。さっき一緒に、ブランデー入りのチョコ食べたろ? D王国で買った奴なんだけどな、日本製と違って容赦なくアルコール分高くてさ。美味かったろ」
「あんっ、馬鹿ぁ……、もっ、ぁっ、いじわるぅ……」
 頭が重く、思考も回らない。それでも、身体だけは熱く敏感に、学から与えられる刺激を受け取っていった。
「あっ……やっ、イクっ……! ンッん……、あぁっ!!」

 背中が軽く反り腰が引く。
 縦線を擦られただけでやって来た、軽いオーガズム。頭の中で瞬いた白い閃光は、そのまま蜜のように流れ、全身を覆った。







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**********

後書き

 こんにちは。玉紀 直です。
 「総司さんの土下座シーンが見たい」(笑)というリクエストを頂きました。( ̄∇ ̄;
 その他にも、26年前の土下座エピソードを見たくて『椿姫』を覗きに来て下さった方の、何と多かった事か。(笑)
 御気に掛けて頂き、有難うございます。今回、下手くそな土下座をさせてみました。(こらこら)
 何だかんだ言っても、別作長編でヒーローを勤め上げた方ですので、頭を下げるのは椿の為だけ、という恰好を付けさせてみました。
 まだ完全に許してもらえた訳ではありませんが、紗月姫の未来の為に、父親としての決定を下してくれる事でしょう。

 で……。
 夢の中で夜這いプレイに興じてる人達がいますが……。(だから、夢じゃないんじゃ……)

 ……ほっときましょう……。(笑)

 では、次回!!





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 椿はその深く聡明な瞳を細め、なだらかに柳眉を逆立てて総司を凝視した。 総司の言葉を、信じても良いものか……。 ――五人目を認めるという、その言葉を。「そんな目をしないでくれ」 椿の前に立った総司は、眉を下げて椿を見詰め、疑問を投げかける瞳を片手で塞い...
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