「恋桜~さくら・シリーズ」
恋桜~さくら~・3

桜・10『満足出来ますか?』 R15

 ←第4話・偉大すぎる父と・頼りの母 →第8章≪永遠の約束≫・1


「……あ、の……、一さん……」
 頬が急に熱くなった。だって、何か着る事は許さない、って……。
 それはつまり……。

「これから、あの……、いたすのですか?」
「いたすのですよ」

 そういった行為をするのか訊く時、どう言って訊いたら良いのか分からない。
 分からないというよりは、訊いた事が無い様な気がする。いつも一さんの成すがままだから……。
 こういう時、何て言ったらいいのだろう。「スルんですか?」じゃ俗物的だし。その物ズバリを表したカタカナ四文字で訊くのは、絶対無理だし……。
 
 ついおかしな言い回しが口をついて出てしまったけれど、一さんもその言い回しを真似て返してくれた。
 何だがおかしくなって、私は笑い出しそうになってしまう。

「珍しいな。そんな事を訊くなんて」
「だって……、いつもは、お洋服のお披露目会が始まって……」
 下着の肩紐が落とされ、一さんの唇が膨らみを辿る。途中で優しく吸い付かれて、私は肩を竦め驚きに跳ね上がった。
「さくらの可愛い姿も見たいが、それを見ていたら、さくらを感じる時間が無くなるだろう?」
「……こっち、優先ですか……?」
「優先だ」
 そんな、ハッキリと言いきらないで下さい……。
 恥ずかしいです……。

 ――でも、嬉しいです。

「あ……、一さ……ん、じゃぁ、お布団に……」
 まさかこのままソファの上という事も無いだろう。私は移動を一さんにお願いするけれど、彼は答えないまま、私の上半身を覆っていた衣服を全て取ってしまった。
「移動する時間も惜しい。私はここで良い」
「でっ、でも、ここはっ、座る所であってっ……、いたすところでは……あっ」
 晒された膨らみが一さんの両手で隠される。柔らかく形を変えられているうちに、微弱な電流を流されているかのように上半身がジリジリしてきた。

「……はじめ……さん……」
 下から持ち上げ覆う掌はとても大きくて、私の胸はすっかり隠されてしまう。
 身体が熱くなってくる素敵な高揚感と共に湧き上がるのは、恥ずかしさとコンプレックス。

「柔らかくて気持ちが良い。ベッドへ移動するとなると、この手を離さなくてはならないだろう? 私は嫌だ」
「一さ……っ、あっ……」
 顔が手の傍へ移動し、膨らみの先端に甘美な刺激が与えられる。私は身体を捩って大きく息を吐き、不意に飛び出しそうになった声を逃がした。
「一さん……」
「ん? どうした?」
「あの……」

 訊きたい事を訊けないまま、私を惑わせる行為は続く。
 膨らみを支えた一さんの両手に自分の手を添えると、彼の力強くて大きな手に、改めて大人の男性を感じてしまう。
「手をよけなさい。気になるだろう」
「あの……一さん、嫌じゃない……?」
「何が」
「私の胸、あの……、小さい気がして……。あの、嫌じゃない?」
 それなりに“ある”とは思うの。下着を選ぶ時、一緒に見て下さる椿さんは、胸の形が綺麗だって褒めてくれるし……。
 嬉しいけれど、でも、一さんの大きな手で触ってもらうと、それがすっぽりと隠れてしまって、何となく我ながら頼りなく情けない。
 一さんは嫌じゃないんだろうか。
 だって、男の人って、手に余るくらい大きい胸の方が好きだって聞くし。
 こういう事をしてはいても、私の身体はまだ子供っぽいのだと思うし。
 そのうち、昼間見た一さんのお友達の様な、女性っぽい体つきになれるのかもしれないけど……。

 一さんは、私と身体を重ねても、男性として満足できているんだろうか。

「さくら……」
 私が手を離さないせいか、一さんは私と指を絡め、顔の横に持って来てソファに押し付けた。
「お前は頭が良いのに、男の身体という物を分かってはいない。嫌だったら、ここから移動したくないと思うほど求めたりはしないぞ」
「でも……、あの……」
「もういい、黙れ」
 閉じた脚の間に一さんの膝が割り込む。何の抵抗も出来ないまま、私の両脚は別離した。
「今日のさくらは、余計な事を考え過ぎだ」
 私の手を押さえたまま、一さんの唇が胸から下へさがっていく。臍を舌でくり抜かれ、腰の奥が痺れる感覚に私の下半身は跳ねた。

「は、じめさ……ん、あっ……」
「余計な事は考えられなくしてやるから。覚悟しろ」
「あ、のぉ……、んっ……」
 短い息を吐いて背を反る。割り込んでいた一さんの膝が片脚を拾って腰に上げると、膝下だった筈のスカートが太腿の上まで捲くれ上がり、私は戸惑いに全身を波打たせた。

 おかしな悩みだと諭されても、私の悩みもコンプレックスも消える訳じゃない。
 けれど今は、全てまとめて愛してくれる一さんに、酔ってしまおうと思う。

「一さん……」

 私は観念して、一さんと絡めた指を握り返した……。









人気ブログランキングへ





 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 迷宮の天使*LS*
総もくじ 3kaku_s_L.png 恋桜~さくら・シリーズ
総もくじ 3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 2017・短編集
もくじ  3kaku_s_L.png 溺愛マリッジ
もくじ  3kaku_s_L.png 恋のエトセトラ
総もくじ  3kaku_s_L.png 迷宮の天使*LS*
総もくじ  3kaku_s_L.png 恋桜~さくら・シリーズ
総もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【第4話・偉大すぎる父と・頼りの母】へ  【第8章≪永遠の約束≫・1】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめtyaiました【桜・10『満足出来ますか?』 R15】

「……あ、の……、一さん……」 頬が急に熱くなった。だって、何か着る事は許さない、って……。 それはつまり……。「これから、あの……、いたすのですか?」「いたすのですよ」 そういった行為をするのか訊く時、どう言って訊いたら良いのか分からない。 分からな...
  • 【第4話・偉大すぎる父と・頼りの母】へ
  • 【第8章≪永遠の約束≫・1】へ