「理想の恋愛 完璧な愛・シリーズ(第7部~第11部)」
理想の恋愛 完璧な愛・第11部

第8章≪永遠の約束≫・11

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 美春が黙って本を読んでいたり、一人でパソコンを触っていたりする時など、学が横や後ろから手を伸ばして悪戯を仕掛けるのはいつもの事。
 少々しつこくし過ぎて、「もぅ、集中出来ないでしょう!」と怒られる事もあるが、それも御愛嬌というものだ。
 だが、そんな悪戯をするのは学だけでは無い。

 美春も、よくやる。

「ああ、全て上手くいったよ。お前にも、本当に良い働きをしてもらった。有難う」
 威厳ある嬉々とした声から、学はとても大切な話をしている事が分かる。
 その通り、彼は最大の功労者である信に、この一件に関する最終報告をしているのだ。
「夏には婚約披露がある。絶対にお前も呼ばれる筈だから、その時にでもじっくり見てみると良い。二人の雰囲気は、きっと驚くほど変わっている筈だ」
 嬉しそうに笑う学。しかし声と表情は笑っているが、スマホを持つ手とは別の手が、何故か五月蠅い虫でも払おうとするが如く顎の下で左右に振られている。

「じゃぁ、涼香さんにも宜しくな。安定期に入ったら、皆で食事にでも行こう」
 和やかな台詞の後に切られる通話。――次の瞬間、学の表情が変わった。
「美春っ!!」

 スマホを握り締め、眉を寄せて美春を見下ろす。
 当の彼女はソファに座った学の膝に仰向けに寝転がり、視界に広がる流美な顎の曲線を摘まみ撫でて、悪戯を繰り返している。
「だってぇ、目の前に有ったから……。触りたかったのっ」
 クスクスと笑いながら、顎を触っていた指がネクタイを掴み左右に振る。
「学が悪いんだからね。せっかくホテルのお部屋に来たのに、いつもみたいにキスもしないで、いきなり田島君に電話なんかするから」
「キスして欲しかった?」
「ふーぅんだ、して欲しくなんかないよぉだ」
 シャツの上から“の”の字を書いた指がネクタイに絡み、勿体付けた早さで解き始める。
 ソファの背凭れに引っ掛けた上着のポケットにスマホを入れると、学は美春の両手首を掴んだ。
「して欲しかったくせに」
 両腕を引き寄せ身を屈める。キスを待つ拗ねた紅唇に落されるかと思った彼の唇は、的を焦らして美春の顎に吸い付いた。

「んっ……、う~っ、そこじゃないぃ」
「ん? したくないんだろ?」
「うーっ」

 引き寄せた腕から身体ごと持ち上げ両腕を回すと、拗ねた美春が離れようとして抵抗を試みる。もちろん学は軽々と彼女を抱き締め、無駄な抵抗を抑え込んだ。
「ほらっ、お疲れ様のキス、して欲しいなぁ」
「イヤっ」
「ふーん、いいよ、じゃぁ、勝手にもらう」
 学は額で美春の顔を上げさせ、唇を近付ける。
「身体ごとな」
 唇に吸い付き、そのままソファへと押し倒した。


 二人きりになる為にやって来たのは、高級ホテルのスイートルーム。
 学が二十歳の誕生日パーティーを催した場所でもあり、思えば美春は、そのパーティーで初めて紗月姫に出会ったのだ。
 その頃からよく利用してはいるが、最近は忙しくしていたせいもあり、訪れるのは久し振りだ。
 葉山グループの傘下でもある為、総支配人とは顔見知り。久々に学の顔を見た総支配人は「お痩せになりましたね。お忙しいようですが、いつでもお寛ぎに来て下さい」と彼を労った。

 純粋に寛ぐ為であろうと、昂りのままに身体を重ねる為であろうと、いつもは部屋へ入ればまずキスから始まる。
 けれど今日は違ってしまったところから、少々美春の御機嫌に陰りが差してしまったのだ。

「んーんーんーんーっっ」
「何っ」
 唇付けられたまま、美春は喉で呻いて抵抗をする。
 顔を上げた学は、ブラウスのボタンを外しながらも、視線はシッカリと恥じらう美春を捉えた。

「いきなり過ぎっ」
「そんな事無いぞ。田島に連絡が済むまで、我慢しただろう? 部屋に入った途端にキスなんかしたら、そのままベッドへ直行だ。先にしておくべき結果報告が、後回しになってしまう」
「……だから、キスしなかったの?」
「そうだよ?」

 別に意地悪をして焦らした訳ではない。誤解で拗ねた美春は、ちょっと恥ずかしくなってしまった。

「本当は、すぐにでもこうしたかったのに……」
 学は噛みつくような強いキスを美春に与える。微かな苦しさを感じて瞼を締めた美春は、うろたえている隙にどんどん衣服が剥がされていくのを感じ、慌てて学の胸を叩いた。

「……やっ、まなっ……ちょっ、……乱暴っ……」
「何ていうか、達成感で自分が酷く昂っているのが分かるんだよな。そのせいで、ちょっと乱暴になったらごめんな」
「えっ、やっ、やだやだやだやだぁっっ」
 美春は焦るが、正に“剥ぎ取る”の言葉が正しいほどの勢いで、学は美春から衣服を奪う。
「あっ、んっ……、学……」
 戸惑う間もなく全て脱がされ、きつく抱き締められてしまった。

 何も纏っていない素肌に、まだ服を着ている学を感じるのも、どうも妙な感じだ。
 自分だけが裸なのだと思い知らされ、おかしな気分になる。
「学も脱ごうよ……。お風呂行こう? お風呂でまずゆっくりしようよ。ねっ?」
「お風呂でゆっくりも良いけど、その前に抱かせてくれ」
「んもぅ……、一週間もシてない訳じゃないのに……。発情してっ……」
「ばーかっ」
 茶化す美春の頭をコンッと小突き、学は嬉しそうに美春を抱き締め直す。
「嬉しくて堪んないんだよ。精神から高まって、とても良い気持ちだ。そんな時に、美春と一緒に気持ち好くなりたいのは当たり前だろ?」








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後書き

 こんにちは。玉紀 直です。
 最初にキスしてもらえなくて、拗ねちゃったらしいです。(笑)
 学も、やらなきゃならない事を先にやってゆっくりしたかったんでしょうね。

 第8章の残りは、いちゃいちゃ祭りです。(何でしょうそれは(笑))
 悲恋カップルの愛は成就しましたが、お話はここで終わりではありません。
 ひとまず、幸せいっぱいの流れで和んで下さいね。もちろん、ちょっと大切なお話も入ります。^^

 では、次回!!






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 美春が黙って本を読んでいたり、一人でパソコンを触っていたりする時など、学が横や後ろから手を伸ばして悪戯を仕掛けるのはいつもの事。 少々しつこくし過ぎて、「もぅ、集中出来ないでしょう!」と怒られる事もあるが、それも御愛嬌というものだ。 だが、そんな悪戯...
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