「理想の恋愛 完璧な愛・シリーズ(第7部~第11部)」
理想の恋愛 完璧な愛・第11部

第8章≪永遠の約束≫・15 *R18

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「嬉しい?」
 学の台詞に蕩けそうになっていると、意味深な訊き方をされる。
 だが美春は、意地を張らずに答えた。
「嬉しいよ……。当たり前じゃない……」
 素直に答える美春を抱き締め、学は耳元で囁く。
「約束しただろう? 今年中に結婚するって」
「……ん……」

 その為に超えなくてはならないハードルは高い。だが今は、そのハードルを忘れる事にしよう。
「絶対よ、学……」
「勿論だ。オレが、約束を守る男だってのは分かっているだろう?」
「うん……」

 美春が可愛らしく笑うと、学は彼女を出窓から下ろし、後ろを向かせて縁に手を着かせた。
「俺も、そろそろ限界……。ウチの奥さん、気持ち好過ぎ……」
 腰を掴んで、熱り勃ったモノを後ろから埋め込む。挿入時に得られる充実感は、いつ味わっても身体中を痺れさせてくれる。
「んっ……ああぁっ……」
「俺の美春は、やっぱり最高だな」
「あ、んっ、学っ……ぅン……」

 掴んだ腰を引き寄せながら腰を打ち付ける。学が限界なら、美春だって限界は近い。ひと突きごとに密窟が締り、圧し掛かる快感の重みに、伸ばしていた腕ごと身体が沈んだ。
「みはっ……、締めすぎ……」
「あっ……ふっ、ぁ……ああっんっ……!」
 ラストを急ぐように、強く腰が打ち付けられる。肌同士がぶつかる音と連動するように上がり続ける悦声は、絶頂を求めて声を伸ばした。
「あぁぁ……、ダメっ……、もぅ、立ってられない……」

 美春の足が崩れそうになると、学は片足を持ち上げて自分の腰で支え、下から突き上げるように彼女を煽った。
 こうなってしまうと、美春は出窓に身体を落とし、与えられるままに絶頂の瞬間を待つしかない。
「あ……もぅ……、やあぁ……ダメ、イく……」
 辛うじて床に着いた美春の足には、ほとんど力が入ってはいない。学が腰と片脚を支え、体勢を保っているのだ。
「力……入んない……あァァ……!」
「いいよ。俺が支えていてやるから」
「学……も、ダメ……んっ、……ん……」
 美春は肩越しに振り返り、愉悦に浮かされた瞳で学を見詰める。
「イって……良い?」
「いいよ」
 ねじ込む様に突き上げられ、一気にオーガズムが注がれる。美春から喜悦が上がり、ビクリと背を伸ばして細い声が糸を引いた。
 同じく学も、猛烈な解放感と共に、美春に愛情の迸りを注ぎ込む。学を締め付けようとしながらも弛緩していく密窟は、ビクリビクリと痙攣し、絶頂の余韻を彼に伝え続けた。

「美春のナカ……。悦んでる……」
「……んふ……だって……、気持ちイイの……」
 とろりとした声と共に腰が落ちていく。今度は学も支える事無く、美春が崩れる動きに任せて床に膝を着いた。

「……美春……ホント、最高……」
 後ろから抱き付き、壁に沿って床に崩れる美春に覆いかぶさると、乱れ付いた髪の毛ごと耳を食み、深いバリトンを落とす。
「……愛してるよ……。美春……」

 美春はフルフルっと震え、うっとりと言葉を返した。
「愛してるわ……学……」

 肩越しに振り返り、ぴったりとくっつく学を、悪戯に艶っぽい目で見上げる。
「興奮、治まった?」
 学はクスリと笑って、回した手で美春の身体を弄る。
「目標達成の興奮は治まったけどさ、……コッチの興奮は治まんないな……」
「んもぅ、相変わらずエッチねぇ……」
「美春に触ってエッチじゃなかったら、俺じゃないんだってば」
 唇を合わせる直前でぺろりと美春の唇を舐め、学は艶声で強請った。
「目的達成のお祝い欲しいな。……コッチの興奮も、鎮めてくれ……」
「クスッ……我儘」
 咎めた訳ではない。その証拠に美春の顔は楽しそうだ。

 幸せな気持ちの中、美春はフッともうひとつの幸せを思い出した。

「あの二人も……、幸せになっているかしら……。今頃……」

 その意味を悟った学の口角も和む。
「なっているよ。きっと」
 二人の脳裏には、手を取り合い微笑み合う、神藤と紗月姫の姿が浮かんでいた。
「やっと、手を取り合えたんだから……」


*****


 藤が笑う……。
 サワサワと小さく震える様は、心を躍らせているかのようにも見える。
 舞う花びらは笑い声。
 紗月姫と神藤の回りを、くるくると舞い遊ぶ。

「藤が、意地悪だわ……」
 紗月姫はクスクスと笑いながら、神藤の胸へ凭れかかる。
「冷やかすのよ? 幸せでしょう、って」
 藤棚の下。紗月姫と神藤は身を寄せ合い、藤の祝福を受けていた。
「藤は、悪くは有りませんよ」
「……煌は、藤の味方をするの?」
「――紗月姫は、幸せではないのかな?」
「幸せよ」
「じゃぁ、藤は、間違った事など言ってはいない」
 紗月姫はちょっと拗ねた顔で神藤を見上げるが、すぐに花恥ずかしそうな笑みを作った。
「“私の藤”が、そう言うなら……、間違っていないわね」

 絡まり合う瞳、引き付けられ合う唇。
 藤棚の下で唇付けをかわす二人の回りを、藤が舞う。
 想いを交わし合う二人を、もう藤は隠そうとはしない。
 これは、禁戒ではないのだ。
 二人が愛し合う事は、宿命だったのだから。

 サワサワと震えていた藤が、喜びを止める。
 唇付けを交わす幸せな二人を見下ろし、ゆらりと揺れた。

 悲しげに……藤が揺れる。
 辛そうに、花びらをすぼめて。

 涙のように、花びらを散らす。


 藤は、知っているのだ。

 幸せな二人に課せられた、もうひとつの、試練を――――。







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**********

後書き

 こんにちは。玉紀 直です。
 第8章≪永遠の約束≫
 今回でラストになります。

 全ての謎が明らかになりました。
 神藤の出生が明らかになると共に、禁戒の愛は終わりを告げます。
 神藤と紗月姫は、もう、悲恋に涙を流す事は無くなったのです。

 学と美春も安心したようです。
 もうこれで心配事は無くなったとばかりに、準備運動段階から激しく愛し合ってしまった二人ではありますが、神藤と紗月姫が幸せになる事で、二人も幸せを感じたのでしょうね。

 ですが、藤の花だけは、これから訪れる最後の試練を知っています。

 二人を見守る為に咲き続ける藤。
 その藤が涙を流す最後の試練とは……。

 では、次回より
 第9章「淘汰される愛」
 に、お付き合い下さい。

 宜しくお願い致します。

*第9章は、7月1日スタートになります。





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みわさんへお返事です6/29


 みわさん、こんにちは!

 第8章、お楽しみ頂けましたでしょうか!?
 ラストは「たまにはイイよね」の気持ちで、長々とエロシーンに走らせて頂きました。
 3日目くらいには「もうお腹いっぱい」って思われていたのではないかと。(笑)

 紗月姫ちゃんと神藤さんも、やっとこっちでも……。って感じです。
 ホッとしたと同時に、もうこの主従関係が書けなくなる日も近いと思うと、ちょっと寂しかったりもします。

 もうすぐ第9章です。
 第3の山場ですね。
 少々辛い展開が待っていますが、引き続き宜しくお願いします。

 有難うございました!!
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「嬉しい?」 学の台詞に蕩けそうになっていると、意味深な訊き方をされる。 だが美春は、意地を張らずに答えた。「嬉しいよ……。当たり前じゃない……」 素直に答える美春を抱き締め、学は耳元で囁く。「約束しただろう? 今年中に結婚するって」「……ん……」 そ...
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