理想の恋愛 完璧な愛・第12部(完結編)

第20章5(ふたりきりのベッドで)

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「柔らかいな……」
「もーっ、くすぐったいよぉ」
 嫌ではないのだが、美春は肩をすくめ上半身を焦らす。
 バスルームでじゃれ合ったふたりは、身体を拭くのもそこそこに大きなベッドへ倒れ込んだ。うつ伏せになり、湯で火照った身体にひんやりとしたシーツの感触を楽しんでいた美春だったが、その上にモソモソと重なってきた学が、さっきから両手で彼女の胸を触っているのだ。
 触っているというか、揉んでいる。いや、押している、弾いているというのが正しいのか。とにかく手のひらで乳房を包み込み、まるでピアノの鍵盤を押すかのように彼女の膨らみを弾いている。揉まれているわけではないが、ずっと続けられると、これが意外に気持ち好いのだ。
「モジモジしてるけど? 本当にくすぐったいだけ?」
「何を言わせたいのよ、もうっ、イジワルやめてよぉ」
「意地悪って、なんだよ。じゃぁ、どうやったら意地悪じゃないんだ? シッカリ揉んだら意地悪じゃないのか?」
「……叩くわよ」
「はい、ごめんなさい」
 意地悪を言いながらも反撃には素直に謝る。学はクスリと笑って、柔らかな膨らみをキュッと強めに掴んだ。
「張ってないな……と思ってさ」
「張る? ……あっ、あのこと?」
 乳房が張る、ということは、学は美春の月経が始まりそうな気配があるかどうか確認をしているのではないか。忙しさと環境の変化でホルモンバランスを崩し月経が遅れている美春を、学は随分と案じていてくれた。
 問題が解決したことを安堵した身体が、元に戻ろうと女性としての活動を始めるのではないか。そうなれば、その直前には乳房が張ってくる反応を知っている学としては、確かめずにはいられなかったのだろう。
 ……なんといっても、今いきなり月経が始まっては、即、ベッドでのじゃれ合いは中止されるのだから。
(やーね、学ってば、エッチなんだから)
 嬉し恥ずかし照れ笑いを浮かべ、美春はクスクスと笑う。しかし、彼女の思惑は少々違ったようだ。
「美春ってさ、ほら、“できちゃう”と生理前みたいに胸が張って大きくなるだろ?」
「え? ……あ、そっちのこと……?」
「ほら、一昨日のことがあるから、どうだったのかなって」
 どうやら学も、美春と同じことを考えていたようだ。
 ホルモンバランスを崩し、排卵日がズレ、いつ月経が始まるのかも分からない状態であったのに、あの雨の日、ふたりは別れの悲しみの中で身体を繋いだ。 
 このまま本当に、新しい命が宿ったならどんなに幸せだろう。あの時、ふたりとも間違いなくそれを望んだ。だからこそ、美春も涼香を見ていて自分にも“その可能性”があることを思い出したのだが……。
「まだ二日しか経ってないし……。そんな、いきなり反応は出ないんじゃないかなぁ……。こう、先っぽがジンジンして痛い感じになるのも、悪阻が始まる頃だったと思ったし……」
 三年前、かつての経験を思い出しながら口にすると、乳房を弾いていた指先が乳首を摘まみ、クリクリといじりだした。
「ちょっ……、学っ、なにしてんのっ、やめ……やんっ」
「なに感じてんの」
「だって……やぁんっ……、ちょっと、痛いよっ」
「ん……乳首の先、ジンジンさせてやろうかなって」
「わざとさせたって、できてませんっ」
 冗談だとは思うが、見た限り真面目にやっているふうの学を見て、美春は噴き出してしまう。だが学がたびたび新しい命を欲しがる言動をすることを知っているので、笑い話にすることもできない。
 美春が首を傾けると、顔の横にぴったりとくっつく学がいる。彼の目を見つめて、美春はこっそりと訊いた。
「学、赤ちゃん欲しいの?」
「今更訊くなよ」
「んふっ、私もっ」
 そのまま彼の唇の横へキスをする。はにかみを見せ、美春は両肩をすくめた。
「でも、せっかくだもん、ウエディングドレスも着たいなぁ。だって、そうしたら、学のカッコイイお婿さん姿が見られるもん」
 学の新郎姿が見たいから、美春はウエディングドレスが着たい。そのためには今から妊娠してはいられない。遠回しではあるが、美春はそんな意味を込めて学を諭す。
 懐妊の是非は不明だが、こう考えておけば月経が訪れてしまった時の残念さも軽減されるのではないかと考えたのだ。
「明日、契約が済んだら、斉先生に診てもらおうか」
「じゃあ、結果が分かるまで、エッチ我慢する?」
 まだしつこくやわやわと乳房の弾力を楽しんでいた学の手がピタリと止まる。彼は眉を寄せ、ハッキリと言い放った。
「イヤだ」
 明確な意思表示と共に、緩やかだった手はギュッと膨らみを掴み上げ、唇が首筋に吸い付く。
「あ……ンッ、学っ……」
「触ってたから、俺のほうはソノ気になってるし……」
 背から覆い被さっている学の下半身が密着すると、腿の辺りに硬く熱く張り詰めたものの感触があたる。男として当然の反応であっても、学が自分に感じてくれる事実は嬉しい。
 美春は肩をひねり、身体の向きを変えたいと意思表示をする。そのままに彼女を仰向けにして、学は再び白い首筋に唇を落とした。
「もう一回言うけど、……病み上がりなんだからね、私」
「はいはい、分かっていますとも」
 好き勝手にさせていたら、解決の喜びで無茶しかねない。さり気なく入ってしまった牽制に苦笑する唇は、さっきまで触診を受けていた乳房へと到達する。
「優しくするよ……」
 その言葉に偽り無しとばかりに、指で苛められた乳首を唇で挟み、舌先でくすぐる。もう片方は手のひらでやんわりと包み、突起の先端を軽く擦るように甘揉みした。
「んっ……、もぅ、やぁね……、くすぐった……ぁ」
 確かに優しくはあるが、微妙な刺激でムズムズする。小さく笑いながら身体をよじる美春を面白がるように、学は舌で乳輪をなぞり、乳首を甘噛みしてから唇を腹部へと落としていった。
「学……くすぐった……、あんっ……」
 美春から笑い声が消え、どこか追い詰められていく緊張感を覚え始める。唇が離れた乳房は解放されることはなく、彼の指先が巧みに乳首を弾き続けていたからだ。
「……優しくしてるだろ?」
「ん……、でもぉ……ぁあっ……」
 上半身の疼きが両脚を焦らす。それを表すように足をシーツに擦っていると、下がってきた学の肩がその間に入った。
 状況的に腿を開放するが、いまひとつだったらしく、学から要求が出される。
「もう少し大きく開いて。“美春”が見えない」
「……えっち……」
「知らなかったのか?」
「誰よりも知ってるわよ」
 冗談を口にしつつ自ら脚を広げる。自分では充分だと感じたのだが学はまだ足りなかったらしく、やっと乳房から離した手で、グイッと内腿を押し上げるように広げた。
「ひっ、広げすぎぃ……」
「いいだろ。細部まで“俺の美春”を見たいんだよ」
「もぅ……」
 嬉しげな学の口調に騙されてしまう。だが美春だって、またこうして学と抱き会える幸せを、とても嬉しく感じているのだ。
「美春、熱があるぞ」
「え?」
「ほら。熱い……」
 発熱は例の薬とひと晩の休養で良くなったはずだ。しかし、学が言っている「熱」は別の意味を持っていたらしい。
 熱さの意味を教えるように、彼の唇は、目の前で余すところなく晒された花芯に触れたのだ……。





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