年下ですが貴女を好きになってもいいですか

第二章・年下は気持ち好いです!/4

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 また強く吸いついてくるかと思っていた琉生の唇。それは、以外にも優しく美涼の唇をついばむ。
 唇の表面に与えられる刺激は、くすぐったさから次第にじれったさへと変わっていった。
 シャワーを浴びるのももどかしく押し倒してきたくらいだ。落ち着きのない、自分の欲望のままにコトを進めようとする我儘な男の姿を見せるだろう。そう思っていたのに、この落ち着き具合はなんだろう……
 美涼の身体に回されていた腕が離れる。次は当然、タオルを外されると思っていた。
 しかし琉生は、両肘をついて美涼の頭に手を添え、髪を掻き上げる。ゆっくり何度も繰り返されると、まるで頭を撫でられているかのようで照れくさい。
「……舌、出して……」
 唇の上で漏らされる吐息が、じれったさを強くする。
 薄く開いた唇のあいだから、ちろりと舌を覗かせる。絡めとられることを前提に構えていたそれは、側面を舌先でなぞられるという予想外の刺激を与えられた。
 驚いて舌を引く。思わず薄目を開けると、同じく半眼になった琉生の目がふわりと笑んだ。
「……感じた?」
「また、そんなこと言って……」
「さっきも舌で感じたでしょ?」
「驚いただけだってばっ」
 なにがなんでも感じたことにしたいのだろうか。感じたことにして優位に立っておこう、そんな考えがあるのかもしれない。
 深読みをする美涼は、琉生の腰を両手でパンッと叩く。
「そんなもんで感じるわけがないでしょう。バカね。自信持ちすぎよっ」
「キスって、感じない? 気持ち好いでしょ?」
「気持ち好い……とか思うことはあっても、感じる、まではないでしょう?」
「感じたことない? さっき感じてたよね。普通、感じるでしょ」
「だーかーらっ、自信持ちすぎだってばっ。そこまでのもんでもないでしょう、普通」
「ふうん……」
 琉生はどうも納得いってないようだ。少し顔を離して小さく首を傾げるが、すぐににやりと笑う。
「分かりましたよー」
 口調はふざけているが、これは認めたということだろうか。
 それならそれでいい。年下だからといって、なんでもはいはい聞いてもらえると思ったら大間違いだ。
(だいたい、気持ちがいいかよくないか、なんて、人それぞれでしょう。なんでも自分と同じだと思わないでよ)
 そう考えて、ふと気づく。
 だとすれば琉生は、美涼とキスをして感じたということなのだろうか……
「認めないなら。分からせてあげますよ」
「……は……?」
 いつもどおりの軽薄な笑みが消えたとき、いきなり顎を掴まれる。掴んだ、というよりは押さえつけたという力の入りかた。
 驚いて目を見開き、文句を言おうとした口が開きかかる。しかしそれは、言葉を発する前に琉生の唇でふさがれた。
「んっ……!」
 戸惑う間もないまま舌をさらわれ強く吸いつかれる。思わず喉が呻いた。
 今までで一番激しいキスだった。部屋へ入ったばかりのときも少し濃厚なキスをされたが、その比ではない。
 美涼が反応する隙はまったくなかった。琉生の口腔へ引きこまれた舌は、そのままくちゃくちゃとしゃぶられる。
 最初は舌を引き戻そうとしたが、強く吸いつかれているうちに痺れてきた。力が入らず抵抗することができない。結局は彼のなすがままだ。
「んっ……ン……」
 激しさに自然と身が縮んでいく。肩をすくめた状態だとさらに息苦しくなり、喉が辛そうな呻きに変わる。琉生もそれに気づいたのだろうか。押さえつけていた顎を、伸ばすように仰がせてきた。
 喉が伸びて呼吸がしやすくはなるが、顔を上げたぶん、彼が唇を押しつける力は強くなる。
 痺れたまま自分の意思で動かせない舌は、琉生の口腔で好きなようにもてあそばれ、唾液までも吸い取られ混ざりあう。舌どころか唇にも力が入らない。隙間なく合わさるふたりの唇から溢れた唾液が、唇の端からこぼれおちていった。
 さっき威勢よく彼の腰を叩いた手は、今はその場でシャツを握りしめている。また叩くなりシャツを引っ張るなり抵抗の意思を示せばいいのに、それをしようとする意識がそこまで行きわたらない。
 すると、顎を押さえていた手が離れ、美涼の太腿へ下りていく。タオルの上から腰のラインをまさぐり、琉生の片膝が両足のあいだを割った。
 ……キスからいきなり下半身にくるとは……。分かりやすい男である……
 せっかちすぎて苦笑いをしたい気分になった。何日イイ思いをしていないのかは知らないが、『これだから年下は』と言わせる要因を自ら作っているようなものだ。
 琉生の手を感じながら少し呆れた美涼だったが、その手が足の付け根をなぞり恥丘を覆った瞬間、ついピクリと両足を震わせてしまった。
 なんとなくそれを誤魔化すつもりで、わずかに両膝を立てる。
 これからすることを理解しているのに、秘部に相手の手を感じて驚いてしまうほど初心ではない。恥ずかしかったから震えたのでもない。
 ――焦ったのだ……
 琉生の唇がゆっくりと離れていく。唾液がつうっと糸を引くものの、キスの余韻で力が抜けていて拭うこともできない。
 解放された口で大きく息を吸いこむ。しかし、その息は吐き出す前に止まった。
 苦笑いをする琉生が、『しょうがないなあ』とでも言いたげに美涼を見つめている。
「……あっ……」
 思わず小さな動揺が漏れた。秘部にあてられた琉生の手が、くにくにっと柔らかな丘を揉み、中指が縦線のあいだを沈んでいく。
 とてもスムーズに潜りこんでいった彼の指は、その場で縦横に動き始めた。
「美涼さんのウソツキ」
「な……に、がっ……」
「キスじゃ感じないって言ってたでしょ。じゃあ、なんでこんなに濡れてんのさ。俺、キスしかしてないだろ」
「やっ、バカっ……やめっ……」
「ほら、ぐッちょぐちょだよ。……予想以上だ……うーわっ」
「ぅ、うーわ、……とか言うなっ……バっ……あ、ヤダっ……やっ……」
 琉生の指は、花芯を大きく擦り回し、秘唇に零れていた蜜を塗り広げる。滑りがいいぶん刺激は全体へ広がり、だんだんと腰の奥が疼いてきた。
「感じたんでしょう? 認めてよ。……ねぇ」
「ちょっ……、や……ンッ、あっ……」
「ほら。認めたら、もっとココいじってあげるから」
「ふざけな……ぃで、……ぁ、ぁっ……」
 琉生の指は蜜口の上をさすっている。入口や周辺に刺激を与えられると、中のほうから疼きが広がっていくのが分かった。
 文句を言いたいのに、こらえきれず漏れる喘ぎに負ける。そんな美涼の唇に、チュッと琉生の唇が落ちた。
 不意打ちでやってきた、妙にかわいらしいキス。目をぱちくりとさせて彼を見ると、照れくさそうな笑顔が飛びこんできた。
「俺のキスで感じてくれたんなら、ちょっと嬉しいなーって思って」
 その顔が本当に嬉しそうで、美涼は胸が苦しくなる。
 ――咄嗟に、かわいいと、思ってしまった……
 琉生の指が止まる。ふたりは視線を絡めたまま、しばし見つめあった。
 根負けしたのは……、やはり美涼のほう。彼女は視線だけを横にそらし、ポツリと口にする。
「か……感じた、わよ……」
 決して、図ったような琉生の笑顔にほだされたわけではない。
 確かにキスをされていたときは、舌だけではなく身体の力も抜けた。全身に微電流が走っているような感じがして、両足の根元がじれったくなったのを覚えている。
 キスをして、あんな反応を起こしたのは初めてだ。
 すると、蜜口で止まっていた指が、ぬぷりと泥濘の大元へ入ってきた。
「はい。正直によく言えました。えらい、えらい」
 年上に向かって。からかうにもほどがある。文句を言おうとしたが、琉生の指がそれをさせない。彼は手首を大きくひねり、深く挿しこんだ指の腹で美涼の膣壁を刺激した。
「あっ! ちょっ……やぁ……あっ……!」
「ねえ? キスでも感じるでしょ? 凄いなぁ、こんなにグチャグチャいうほど感じてくれたんだ……。美涼さん……」
「や……やめ……あっ、ぁぁっ……」
「キスで感じるはずがないって言ってたのにねぇ……。すぐに突っこめそうだよ……」
「ば、バカっ……この即物男っ……。あっ、やっ……、指……取って……あぁっ!」
「やぁだっ」
 下半身がビリビリと痺れる。中を擦る指は右へ左へ場所を変え、上壁をえぐって彼女の反応が一番大きくなるポイントを探しているかのようだ。
「やぁ……やぁだ……、堂……嶋、くっ……」
 強い刺激に腰が跳ねる。琉生が言うとおり、彼はキスをしていただけ。他の愛撫をされたわけでもないのに、全身が痺れてくる。
 彼の腰で握っているシャツを引っ張り回し、もどかしさを伝える。クスリと笑った琉生が、美涼のひたいにキスをした。
「美涼さん、ほんと、かーわいーいっ」
「からか……う、なぁっ……。ぁ、やぁんっ……、も、ぉっ……!」
「キスで感じた初めての男が俺だって思うと、よけいにかわいい」
「こっ……こらぁっ……、あぁっ……あっ!」
 このまま中を擦られ続けたら、きっと軽く達してしまう。指でイかされなどしたら、琉生は今まで以上に調子づくだろう。
 ――しかし、年下のくせにだのなんだの考える前に、気持ちが好いのは確かなのだった。
「……こんなにかわいい美涼さん、シャワーも浴びないままいただいちゃったら、もったいないよねぇ……」
 ひたいから目尻に。そして耳元で琉生が囁く。そのセリフが言い終わるか終らないかのうちに、いきなり指が抜かれた。
 半分浮きかかっていた腰が落ちる。いきなり訪れた解放感に、手の力まで抜け琉生のシャツから手が離れた。
 美涼から離れ、琉生はベッドから下りる。
「急いでシャワー浴びてくるから、いい子にして待っててくださいね」
 そう言い残し、鼻歌交じりにバスルームへと歩いていく後ろ姿を、美涼は戸惑いながら見送った。
 はだけそうになっているタオルを、胸でギュッと押さえる。
 意地を張らなければ、言えたかもしれない……
 ――シャワーなんていいから……。やめないで。……と……


*次回更新、10月8日予定






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