年下ですが貴女を好きになってもいいですか

第三章・年下はしつこいです!/5

 ←第三章・年下はしつこいです!/4 →『休憩室』雪が続きますね

 ハジメテ、とは、随分と意味深な言いかただ。
 これと似たようなことが昨日もあった気がする。
 ――キスで感じたのは初めてだと聞いて、琉生がとても嬉しそうにはしゃいだときだ……
「ハジメテが悪いと、そのまま嫌いになっちゃうことが多いからね。美涼さんがカーセックス嫌いにならないように、気持ちよーくしてあげますからねーぇ」
「なっ、なんなのよ、その理屈っ」
 思わずぽかっと琉生の頭を叩いてしまう。彼はそんな反撃を歯牙にもかけず、ネクタイを引き緩め首元のボタンを外した。
「美涼さんって、気持ちいいとすっごくイイ顔してくれるし。そんな顔させてあげたいんだー。だーかーらー、しましょう、気持ちいいこと」
「き、昨日したでしょうっ。それはそれは、しつこいくらいに」
「足りない」
「サルっ」
「美涼さんに気持ち良くなってもらえるなら、サルでも大人のオモチャにでもなんにでもなりますよー」
「なんなの、それっ」
 胸から徐々に下がっていく琉生の頭をぽかぽか叩くが、彼はアハハと笑いながら美涼の腹部を唇でたどる。両膝を落とし足元のスペースに身体を沈めて、パンプスを脱がせた美涼の足をシートに上げた。
 そして、運転席に投げてあった自分の上着を彼女の腰の下に入れ、広げたのだ。
「なにやって……」
「美涼さん、べっちゃべちゃになるから、シーツ代わり」
「なによそれっ」
 さっきから琉生のやることに驚かされ、疑問ばかりを口にしている。すると、スカートをまくり上げストッキングに手をかけた琉生が、ぽつりと呟いた。
「気持ち良くしてあげたいんだ……。美涼さんのこと」
 ドキリと鼓動が大きく胸を叩く。気持ちが緩んでいたせいもあって、「腰を上げて」という指示に従ってしまった。
 琉生はストッキングと一緒にショーツも腰から下ろしていく。片足を抜くと、もう片方の足にストッキングを残したまま、美涼の膝を左右に大きく開いた。
「ちょっ……あっ!」
 言葉を出す間もなく、琉生は足の中央に唇を寄せ、忙しなく花芯をぺちゃぺちゃと舐め上げ始めた。そうしながら、さらに内腿を押し広げていく。
「やっ……ぁっ、やんっ、そんなに、広げ……あっ……!」
 急ぐような口淫の刺激に、足がじっとしていられない。左足は焦れるたびにドアにぶつかり、右足は運転席のシートを蹴った。
 彼の舌は恥ずかしいくらい丹念に秘裂をなぞっていく。秘唇の隙間に舌先を挟み、余すところなくといわんばかりに舐め上げた。
 尖らせた舌を膣口から挿し込み、くりくり動かして刺激を加える。そこから溢れる蜜が、ぷちゅぷちゅ音をたてているのが分かった。
 周囲が静かなのと、車内が小さな個室状態になっているせいか、そんな小さな淫音がやけに大きく聞こえる。
 琉生も思ったより興奮しているらしく、舌の動きが大きくなり、内腿を広げていただけの手はまるで乳房を掴むように横尻を揉んでいる。
「あっ……や、やぁ……ん……ンッ……」
「べちゃべちゃだよ、美涼さん……。美涼さんも……昨日のだけじゃ足りなかったんでしょ……?」
「ば、ばか……違っ……、あぁんっ……」
「言ってくれれば、いつでもしてあげるのに……」
「馬鹿ぁ……やぁっ、アぁ……」
 ぐちゃぐちゃと信じられない淫音が聞こえる。これが自分の愛液だけの音なのか、琉生の唾液がたてている音なのか、自然とたってしまっているものなのか、彼がわざとたてているものなのか、なにがなんだか分からない。
「やぁ……やぁんっ……堂……嶋くぅ……! おかし、くなるっ……!」
 夜中まで琉生に抱かれ続けた感覚が身体によみがえってくる。奥底に残る快感の余韻が駆け巡り、美涼の全身が戦慄いた。
「ああぁっ……あっ!」
 蜜洞の奥がびくんびくん脈打っている。なにかを欲しがって、淫路がきゅうっと収縮した。
「ほら……こんなんくらいでイクなんて……、したかった証拠じゃないですか」
「ち……違……ハァっ……、あんたと、一緒にしな……いで……」
「欲しいんでしょう? このヒクヒクしてる所に……」
 お尻の下に手を入れ、親指で左右から秘裂を開かれる。縮まっていた部分を広げられ、美涼は羞恥のあまり琉生の頭をグイッと押して彼の頭の上で両腿を閉じた。
 そのまま足を横に倒して琉生の視線から逃げようとしたが、素早く彼に両足首を掴まれ膝を折ったまま胸側へ押し上げられる。
「あーもぅ、こういう格好で足を閉じると、よけいにエロっぽくなるのに。知らないんですかーぁ」
「し、知らな……ぃやっ……」
「ほら、薄暗いけど丸見え。濡れてるトコがてかてかしてて、すっげぇやらしーぃ。尻のあいだまで垂れてるし」
「ちょっ……」
 両足は閉じているが、腿を上げられているせいで、琉生にはお尻側から花芯がよく見えるのだろう。
 いくら大きな車だとはいえ、シート自体は狭い。美涼はシートの横を掴んで上半身を無理やり起こそうとするが、うまくいかなかった。
「欲しかったら言ってよ……。いくらでもしてあげる……。美涼さんなら……」
 掴まれていた足首が放される。しかしすぐに違う物が美涼の両足を拘束した。
「な、なにっ……」
「大丈夫。痛くしません」
 片足に引っ掛かっていたストッキングで、琉生は美涼の足を膝下の位置で縛り合わせてしまったのだ。
「暴れなければ痛くならないから、イイ子にしててくださいねー」
「あ、あんたねぇ……この、変態っ」
「こんなの変態の領域に入りませんよ。美涼さんが欲しくて理性を失いかけている男にそんなこと言ったら、もっと凄いことしちゃいますよー?」
「や、やだぁ……馬鹿ぁ……」
 琉生は縛り合わせた美涼の両足を片腕に抱え、彼女の腰の下に敷いている自分のスーツをごそごそとあさる。続けてズボンのベルトを外し始めた。
「気持ち良くしてほしいときは、いつでも言ってくださいよ。会社にいるときでもいいですから」
「な……なに言ってんの……。会社でなんて……。そんなこと考える男は嫌いよっ」
 薄闇の中で琉生と目が合う。一瞬の沈黙のあと、彼がふっと微笑んだ。
「そうですよね。……会社で無理やり抱くような男、嫌いですよね。……良かった……。俺、絶対に会社では手をだしませんよ。仕事が終わるまで、我慢します」
 美涼は言葉が出なかった。
 琉生は、残業中に国枝が美涼に対して無理やり身体を求めてきたことを知っている。どうして知っているのかは聞いていないが、今の彼の言葉が、そのことを意識したものであるように聞こえたのだ。
 美涼が嫌がるセックスはしない、と……
 それなら、イヤだと言えばこの拘束された足も自由にしてくれるだろうか。
 本気でイヤがったなら、きっと琉生はほどいてくれる。けれど美涼は、そう考えるとイヤだという言葉がでなくなってしまった。
 琉生が美涼の痴態を眺めて性欲を煽られているのだと思うと、ゾクゾクする。また、そんな彼に淫らな視線を向けられているのだと思うだけで、勝手に花芯がじくじくと疼くのが分かるのだ。
(私……変……)
 美涼が自分の羞恥と戦っている隙に、琉生は先程スーツから取り出したコンドームを熱り勃った自分自身に装着する。縛り合わせた美涼の両足を胸に抱えるように覆いかぶさり、ひと息に突き挿れてきた。
「あっ……やぁ、あぁっ!」
 今までのものとは違う挿入感。まるで身体を串刺しにされたかのよう。
「あっ……あ、あっ……」
 軽い絶頂で敏感になっている場所が、待ち望んでいた刺激を悦ぶように蠢く。いきなりの侵入者を離すまいと、強くからみついていっているような気がした。
「凄……、美涼さ……。俺、すっげぇ引っ張られてる気分……」
「バカ……なにっ……、あっ……」
「ホントだよ……。離さない、って、きっちり握られてるみたいだ」
「変なこと言わな……ああっ、あ……ぁっ、やぁん……んっ……」
「変なこと言ってるのは美涼さんだよ……。どうしたの? 俺、動いてないのに。そんな色っぽい声出して」
 深く一突きしたきり、琉生は動かない。膨張した屹立を根元まで埋め込み、ただ美涼の中で彼女の感触を楽しんでいる。
 欲していたものが与えられ、それだけで蜜窟が悦んでいる。彼の形、彼の熱さ、彼の熱情が、扇情的に昨夜の快感を思いださせる。
 ただ挿入されているだけで、全身に電流が流れ、息が乱れて腰が震える。耐えきれなくなって腰をうねらせると、一緒に花芯が擦られて淫路に刺激が走った。
「あっ……や……、あぁっンッ……」
「やらしいなぁ、美涼さん……。自分から腰振ってんの……。どうしてほしいのか言ってくれれば、してほしいようにしてあげるよ」
「う……うるさ……、あぁっ、や、やぁぁっ……」
 自然と腰が小刻みに動いてしまう。快感に抗いきれないまま、美涼は喉を反らし、琉生の腰で彼のシャツを掴んで揺さぶった。
「ほら、お願いして。『動いて』って」
「堂……嶋、く……んっ」
「俺を、欲しがって……」
 美涼を煽っているはずなのに、優位に立っているのは彼であるはずなのに。
 なぜだろう。琉生の声が、とても辛そうに聞こえる。
 それをなぜなのか考えることもできないまま、美涼は抑えきれない疼きを言葉にした。
「うご……いて……お願い……、イ……きそう、なの……あぁっ!」
 ほんの少しの言葉を口にしただけで、彼女が欲したとおりのものが与えられる。琉生がせきを切ったように腰を振りたて始めたのだ。
「あっ……! やぁ、あぁっ!」
 大きく激しく揺さぶられ、シートごと美涼の身体が揺れる。その激しさに、車まで揺れているような気がした。
「挿れただけだったのに、イきそうだったの? そんなイイ反応されたら、堪んないよ……」
「あっ……あ、ダメっ……強い……あぁんっ!」
「動いてって言ったのは美涼さんだよ……。俺だって……、止まんない……」
「あぁ……! あっ……、やぁぁ、んっ……!」
 琉生が腰を打ちつけるたびに、肌がぶつかる音にぐちゃりぐちゃりと乱れた蜜音が混じる。車内という密室が大げさなほど淫音を響かせ、ふたりの吐息を荒く濫りがわしくしていった。
 琉生の両手が美涼のお尻を鷲づかみ、わずかに持ち上げて激しく腰を打ちつける。自分で腰を焦らせないぶん、美涼はその抽送に翻弄された。
「あぁぁっ……! や、やだぁ、も、もぅっ……ダメぇっ……あぁっ!」
 掴んでいたシャツから手を離し、美涼は琉生にしがみつく。快感のあまり縛り合わされた両足が痙攣を起こしていたが、それを気にすることもできないほど彼女は快楽の渦に取り込まれていた。
「イっていいよ……。美涼さん……」
「い……ぃ、アぁ……もぃ、イクっ……ぁ、ああっ――――!」
 全身がカアッと熱くなり、背が引き攣る。思わず身体を反らし息を詰めたまま、美涼は恍惚の波を感じた。
 ビクリと腰を揺らして大きな息を吐くと、琉生の動きが止まる。彼は美涼の足の拘束を解き、ガクガクと痙攣する両足を撫でながらゆっくりと下ろした。
 ずるり、と、彼の滾りが抜け出たのが分かる。その感覚に、美涼はぞくぞくと身体が震えた。
「美涼さん……かーわいい……」
 嬉しそうに囁き、琉生が美涼の唇をついばむ。吐息が震え声が出ない。琉生の顔がぼんやりとぼやけていることで、美涼は自分が快感のあまり涙目になっていることに気づいた。
「気持ち良かったでしょう? カーセックスとか、好きになれそう?」
「……馬鹿……」
 琉生が照れくさそうに微笑んでいるような気がする。けれど、瞳に溜まる涙のせいでよく分からない。
「美涼さん、俺、他の女の所になんて行かないから……。安心して……。やきもちなんか妬いたら、駄目だよ?」
 軽く触れる唇。何度も付いたり離れたりを繰り返す。
 ――琉生の声は、嬉しそうだ……
 さっきみたいに『馬鹿』と言ってやりたいのに、その言葉が出てこない。
 それよりも美涼は、琉生の言葉を聞いてどこか安心した気持になっている自分を、不思議に思っていた……


*次回更新、1月25日予定。






もくじ  3kaku_s_L.png 2017・短編集
もくじ  3kaku_s_L.png 溺愛マリッジ
もくじ  3kaku_s_L.png 恋のエトセトラ
総もくじ  3kaku_s_L.png 迷宮の天使*LS*
総もくじ  3kaku_s_L.png 恋桜~さくら・シリーズ
総もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【第三章・年下はしつこいです!/4】へ  【『休憩室』雪が続きますね】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【第三章・年下はしつこいです!/4】へ
  • 【『休憩室』雪が続きますね】へ